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B6二段組小説同人誌の組版と装丁

※この記事では二次創作小説の同人誌を取り上げています。公式とは一切関係のない制作物です。苦手な方はご自衛ください。

小説同人誌を出すタイプのオタクです。
同人誌を出す際に本のサイズをどうするか悩んで、文庫サイズのいかにも小説!という本はページ数が嵩むので本のサイズを大きくしよう、でもA5よりはもう少し小さくなじみやすく持ちやすいサイズがいいな、と思いB6サイズの本に辿り着きました。身の周りであまり出している人を見かけないので、備忘録も兼ねて記事にしてみようと思います。
いや、一段組のB6本は見かけるのですが、二段組はあまり見ないような気がするんですよね。B6二段組で本を出したいなと思っている人の参考になりましたら。

あと装丁も、安くて見栄えのよいものを作れたらいいなと思っていろいろやってみたので、それも参考になったらいいな~と思って残しておきます。

2023年8月発行

表1
表4箔押し(グリーン)
遊び紙:アートドリープしげみ96kg

印刷所:ホープツーワン様
仕様:B6/表紙込み150P
表紙用紙:シャインフェイスゴールド180㎏
加工:表紙マットPP+表4箔押し(グリーン)
本文用紙:書籍紙72.5㎏
遊び紙:アートドリープ しげみ 96㎏
表紙素材:Unsplash

シャインフェイスゴールドは傾けると白い部分があわい金色に光ってきれいです。マットPPとの相性も良き。人生初の箔押しも上手にできて満足です。

HOPE21さまは季節のセットで珍しい紙がお安く使えるのでよく利用させてもらっています。早割入稿最大30%オフ、もしくは最大50%ポイント還元という恩恵がありがたい、しかも箔押し・空押しは半額!アート遊び紙も種類が多くかわいくて気になっているので、いつか使える機会があればいいな。
今回は夏の季節の遊び紙が使いたくてこのセットに。

本文
本文スクショ

フォント:源暎こぶり明朝v6/9pt
組版:24文字×20行×2段(字送り:8.75pt/行送り:13.6pt)
余白(塗り足し3㎜):天18㎜、地14㎜、ノド15㎜、小口13㎜、とじしろ10㎜
間隔:13.5pt(固定値)

本文の作業は全部word(2019)。
以前にもB6サイズの同人誌を出していたことがあるので、その時発行した本を確認しつつ、余白やフォントサイズを調整しました。フォントはくせのない源暎明朝こぶり。フォントサイズは8.5ptにするか9ptにするか悩んで悩んで、こちらの本を参考にさせていただきました。https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=1446762

実際に印刷されたものを見ると想像がしやすくて助かりました。

本文、字が詰まりすぎかなという感じもするのですが、私は字がいっぱいあるのが好きなのでこういう感じのレイアウトになっています。でも字間はあまり詰めないようにしたのでそこまで読みにくくないはず。


2024年5月発行

表1
箔押し(金)アップ
遊び紙:ミランダばら100kg

印刷所:ホープツーワン様
仕様:B6/表紙込み76P
表紙用紙:OKミューズパールしろ170㎏
加工:表1箔押し(金)
本文用紙:書籍紙72.5㎏
遊び紙:ミランダ ばら 100㎏
表紙素材:Unsplash、Inky Design

OKミューズパールという紙は花びらのような模様のある紙。その紙に箔押しをしたくてHOPE21さまの春セットで注文をしました。エンボス紙に箔押しをしてくれる印刷所というのが意外と少ないので、今回はHOPE21さま一択でした。箔押しにエンボス紙の模様が浮かび上がるのが本当にかわいい。エンボスを活かすためにPP加工はなしです。
ミランダはキラキラとした細かい光が繊細でうつくしいですね。表紙用紙にすると硬いイメージがあったのですが、この薄さなら問題ありませんでした。

B6サイズは文庫や新書ほど小さくないので、少し硬めの用紙(表紙、本文、遊び紙)を使っても開きやすく、それもB6サイズの利点かなと思います。

本文
本文スクショ

本文フォント:源暎こぶり明朝v6/8.5pt
組版:25文字×20行×2段(字送り:8.35pt/行送り:13.3pt)
余白(塗り足し無):天15㎜、地11㎜、ノド20㎜、小口12㎜
間隔:13.3pt(固定値)

とじしろなしの設定もしてみたくて作りました。もう気持ちのど側に1㎜くらい余裕があってもよかったかなと思うけど読むのには問題ないはずです。
フォントも前回の9ptだと少し大きいかも?と思い小さくしたのですが、やっぱり9ptでもよかったかも、という感じ。このビミョ~な調整が本当に難しい…。
1冊から印刷できる印刷所に依頼して確認するのも良いと思います。データで見ているのと現物だと感じ方が結構違いますので。

本文比較

 9pt(上)と8.5pt(下) 

この微妙な差だと好みの問題ですね。


おまけ:無配

表1

印刷所:夢工房まつやま様
仕様:B6/折本4P
用紙:色上質ラベンダー
インク:あい
素材:Inky Design
本文フォント:源暎こぶり明朝v6/8.5pt
組版:25文字×21行×2段(字送り:8.3pt/行送り:13.5pt)
余白(塗り足し無):天11㎜、地16㎜、ノド12㎜、小口12㎜
間隔:13.3pt(固定値)

https://yumekoubou-m.net/

いつも無配は自宅のプリンターで印刷しているのですが、イベントまで余裕があったので印刷所に依頼しました。夢工房まつやまさまは印刷色替え無料、しかもB6サイズの折本も可能、ということで利用させていただきました。インクと紙の色を変えるだけでいつもと違うイメージになってかわいいです。

無配の紙は本のサイズに合わせた方が通販やイベントでお渡しするときに楽な気がします。あるいはポストカードや名刺サイズなど、本よりも小さいサイズが無難かと。


まとめ

B6二段組の小説同人誌はA5およびA6同人誌のいいとこどりだと思うんですよね。文字数はたくさん入るし表紙のデザインは大きくとれるしそれなりの紙厚の紙も使えるし商業本とも並べやすいので。すこしでも出す人が増えてくれたらうれしいなと思います。
以上、だれかの参考になりましたら。

(紹介した本の通販してます。→https://kaaazunoko.booth.pm/)

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