これからの世代を子宮頸がんから守るために

子宮頸がんの前がん病変である『異形成』で通院中の方、前回軽度だったのが今回は中等度と一段階悪化しており、落胆され、
「毎回ドキドキする、、ほんとヤダ、、」
と。

子宮頸がんは、正常な細胞がいきなりがん細胞になるわけではなく、『異形成』という前がん病変を経てそのうちの一部が子宮頸がんへ進行します。
なので、定期的に子宮頸がん検診を受けることで、がんになる前に見つけることができるから、『子宮頸がん検診は大事』なのです。

異形成の中でもがん一歩手前の高度異形成になると治療しますが、それまでは、自然に正常に戻ることも多々あるので経過観察します。
この方も異形成で経過観察中。まだ治療の必要がないとはいえ、数ヶ月ごとの検査の手間と結果を聞くまでの不安ははかり知れません。

2回出産歴がある方だったので、
「お子さん女の子ですか?今何歳ですか?」
と聞くと、
「姉妹で上が中3です。」

キタ!!

ちょうど、HPVワクチンの定期予防接種対象年齢。

子宮頸がん予防のHPVワクチンご存知かときくと、
全く知らない、とのこと。そこで、

・子宮頸がんの原因になるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染をワクチンで予防できること

・予防できるHPVはハイリスクの一部だけだけど、子宮頸がんのリスクを約7割下げられること

・予防接種の通知が届かない背景

・自分で自治体へ申請して接種票を送ってもらう必要があること

・自治体へ問い合わせした時に、「本当にうつんですね?」など確認される可能性があること

・HPVワクチンのことをネットで調べると、不安になるような内容がでてくること

・調査で、副反応と言われている症状とHPVワクチンとに因果関係は証明できなかったこと

・高1までは無料で接種できるけど、それ以降は5-6万円自費でかかること

・全3回接種で半年かかり、全部無料で受けるためには高1終わるまでに3回目までうたないといけないこと

を説明すると、ぜひ娘にはうちたい、と理解して下さいました。
この方は、自分が異形成のつらさを実感しているから特に理解されやすいけれど、
それでも、ここまで説明しないと、
ただ『子宮頸がんを予防できるワクチンがあるんですよ』だけだと、

家に帰って調べたら不安になってやめちゃったり、
自治体に問い合わせたら、本当にうつのか確認されて不安になっちゃったり、
悩んでいるうちに娘さんが高2になっちゃったり、

いろんな可能性がありうるので、
実際の行動変容に結びつけるには、今はここまで先を見越して話しないといけない気がするのです。

でもこれを全員にするのは不可能だし、
せっかく定期予防接種なのに、機会が平等に行きわたらないというのは本当に不公平。

やっぱり、赤ちゃんの時の予防接種のように、当たり前のようにみんなが受けにいくようにはやくならないと。

そのためには、まずは自治体からちゃんと通知を届けて欲しいし、
厚労省は積極的に勧奨してほしいと、切に願います。
これらを求めるオンライン署名はこちらです。ご賛同頂けますと幸いです。
https://www.change.org/knowHPVvaccine

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