難病・多発性硬化症の私が自己負担医療詐欺にあって、それに気づくまで

去年の秋頃にあった出来事で、自分が悪かった、甘かったと反省し、自分の腹に収めるつもりだったのですが、現在、ストレス性の逆流性食道炎に見舞われ、誰かしらに話す必要性を感じ、
これまであった出来事をネット上のコミュニティで話した所、意外な事に私も自分もと、医療詐欺にあった事があるという人が多くて驚き、参考になるとの意見も頂き、こうしてNoteに書き記す事にしました。

私は医療に関して素人であり、複合的な話になりますし、無茶苦茶長いのですが参考になれば幸いです。

私は30代の独身女、国指定の難病の多発性硬化症(※0)を患っており、特定疾患を受給しております。
それとは別に、疲れやすい、無気力、過眠症などの原因不明の体調不良に悩まされていました。
原因として、副腎疲労症候群(副腎機能低下症)(※2)リーキーガット症候群(※3)、腸にカンジダ菌がいる可能性を考えていました。

去年の夏、amazonでおすすめされて見つけた、病気とは何か、人が病気になるメカニズムに関する本を読みました。
その本を執筆されたお医者さま、T医師の開業されたクリニックが自宅から通える所にあり、副腎疲労、リーキーガット症候群の治療をしているとHPにあったのでそのクリニックにかかりました。

T医師は元々消化器官系出身で、病気の始まりは全て腸にある事を論じる方でした。
確かに多発性硬化症患者に腸内細菌叢に異常があるという論文も出ていいますし、自己免疫疾患(※4)と腸内環境は深い関係がある事も昨今良くネットなどで言われています。

T医師は何度も多発性硬化症治したいでしょう?と話を持ち出し、あたかも自分は難病を治すことが出来る様な話ぶりでした。
かつ、私は副腎疲労とリーキーガット症候群の可能性もかなり高いと言われ、治したかったら指定する検査と治療受けるべきという発言がありました。
T医師は本に掲載された写真はかなり優しそうなで穏やかそうな印象でしたが、実際は眉間に深いシワが入っており、ずっと怒っている様で、発言もかなり強気で高圧的な態度で、当時の私の体調をかなり責められ下に見る態度でした。
私も心身共にかなり弱っていて、自分を責めてしまい、勧められるがまま、藁を掴む思いで約20万円程の自費検査を受ける事にしました。

検査内容としては、

GI-MAP(腸の細菌の検査)
オリゴスキャン(ミネラル、有害重金属)
血液検査(栄養解析)
有機酸検査
唾液コルチゾール検査(副腎機能の検査)
リブレの装着(血糖値検査)

でした。後に調べてわかりましたが、これらの検査も相場の2~3割高い値段設定でした。

検査結果として、私は副腎疲労、リーキーガット症候群ではありませんでした。(※5)
腸にカンジダ菌もいませんでした。
ですが検査の結果は間違い、T医師は私は副腎疲労症候群であり、リーキーガット症候群寸前、カンジダ除去、そのための治療をすると言い、この辺りから不信感が出てきました。
なぜ高額な検査をして問題ないと結果が出てるのに、さらに高額な治療をしなければいけないのか理解に苦しみました。

そこからT医師からGI-MAP、有機酸検査の結果を読み上げられ、難しくて分からないだろうから勉強しなさいと指導がありました。

栄養指導も自費で1万円程でしたが、プリント数枚でいらすとやを使った解説で「まごはやさしい」を実践しましょう等のネットで調べれば出てくる簡単な説明で既に実践している事ばかりでした。
低血糖を起こしてる可能性があるから15分ごとに一口良質な糖質を食べる様に指導もありましたが、正直かなり無理があると感じました。

それとは別に腸内環境が悪い、栄養状態が非常に悪い、有害重金属も危険値にある検査結果が出てました。
T医師は多発性硬化症はビタミンDの不足、有害重金属中毒、腸内環境の悪化、この3点であると仰っていました。
ですが検査結果でビタミンDは基準を満たしていました。
元々、私は原因不明の体調不良を治すべくメガビタミン療法(※6)を実践しておりました。そのためビタミンDは基準を満たしていたのだと思います。
しかしT医師は鼻で笑って、メガビタミン療法を論じてる医者はいつか訴えられると仰ってました。
T医師はオーソモレキュラー療法(※7)を推奨していて、クリニックのHPでも案内がありました。
私も検査の結果に基づき、医療用のサプリメントを購入する様指導を受け、それらを購入したのですが、約10数種類、おおよそ月に7万円程になるものでした。
どのサプリメントを購入するか詳細に指示はありましたが、サプリメントの効能は簡単に数行紙に書いてあるだけで口頭などで詳しい説明はありませんでした。
正直、こんな高額なものを続けられないと思い、自分でもオーソモレキュラー療法の第一人者、溝口先生の本を数冊読んだ所、T医師に買う様指導された医療用サプリメントがオーソモレキュラー療法とは成分や飲み合わせが違い、効果が出辛い事に気付きました。(※8)
買う様に指導があったプロバイオティクスも、T医師は自信ありげにこれはとてもいいもので菌が生きてる、その辺のプロバイオティクスは菌が死んでるからなと言っていたのですが、飲んでみたらお腹が痛くなりました。(※9)

それに加え、副腎疲労で低血糖になっている事を疑われて常時血糖値が測れるリブレ(※10)の装着をしたのですが、低血糖とは逆に高血糖を頻繁に起こしていました。

結果、私の原因不明の体調不良は糖尿病予備軍であり、血糖値のコントロールを失い、食事の度に頻繁に高血糖を引き起こす、血糖値スパイクという現象が起きていました。
有機酸検査でケトン体異常値(※11)が出ており、栄養解析の段階でも糖尿病の傾向はわかっていた筈なのに、それを見抜けないT医師にここで完全に失望し、騙されてしまったと感じました。
クリニックのHPで糖尿病の治療してますって書いてあるのに、糖尿病予備軍が見抜けないのに、何で難病の多発性硬化症が治せるのか…

他にも有機酸検査、栄養解析でタンパク質が異常に少ない事、肝脂肪を起こしている事も検査の結果の数値でわかる事でしたが、T医師からはそこについては何も触れられませんでした。
多発性硬化症の原因に有害重金属の問題があるとして、それなら解毒する肝臓についてももっと着目すべきだと思いました。

結果として、血糖値を自分で食事でコントロールする事で原因不明の体調不良は7、8割は治す事ができました。
ですが、多発性硬化症の症状として、右半身の軽い麻痺がある状態は何の変化もありません。
総体的には体調は良くなりましたが、検査と高額なサプリ数ヶ月分、占めて約40万程、自分でもかなり必死に努力して過ちに気づき、離脱する事ができました。
でもやはり多発性硬化症は治せると思ってしまった希望が絶たれてしまった事や、T医師を信頼して裏切られた事、大好きだった祖母が残してくれた大切なお金を失ってしまった事、辛い気持ちに整理がつきません。

Amazonでオススメされる医療の本、あたかも何でも病気が治せると思わせる内容、褒め称えるレビュー、しっかりとしたHP、きれいなクリニック、患者に自分がいけないんだと思わせ信じれる様言葉巧みに信じ込ませる流れ、これら全てコンサル入ってると思います。
これは私の憶測ですが、購入する様指導があった食べ物やサプリメントも何か癒着があり、医師側にキックバックがある様に感じました。


誰にも話せなくて、本当に辛かったんです。
書く事でかなり気持ちが整理されてきました。
同じ様な状況の方、絶対騙されないで欲しいと思います。
皆様もお大事になさって下さい。
読んで下さった方、ありがとうございました。



以下注訳

(※0) 国指定の難病、多発性硬化症、脳、脊髄、視神経の中枢神経の病気。
中枢神経細胞をコーティングするミエリン(髄鞘)が、炎症によって壊れ、神経伝達に異常が出て、神経障害、視覚障害、感覚障害などを起こし、寛解するがまた悪化しそれを繰り返ケースが多い。

(※2) 左右腎臓の上部にあるホルモンを分泌している内分泌器官、副腎が上手く機能しなくなる事。
私は更に1年前、別の病院でコルチゾール分泌検査をしており、コルチゾールが全く出ておらず、副腎疲労を起こしている事が分かっていたのですが、その病院でも変なサプリを売られたり、真っ当な治療をしてくれず、迷走していた。

(※3) 腸内環境の悪化により、腸面膜の悪化、腸に穴が開いていて、毒素、細菌、未消化の食べ物が血液に漏れ出し、あらゆる体調不良、鬱、アレルギー、自己免疫疾患など引き起こす。

(※4) 自己免疫疾患、本来自分を守るべき体内の細胞が自分を攻撃してしまう。多発性硬化症も自己免疫疾患という研究も出てる。

(※5) 一年前に受けた唾液コルチゾール検査のグラフは異常値で、朝に全くコルチゾールが出ていなく、日中もずっと低い状態でした
今回受けた検査では朝ちゃんとコルチゾールが出ており、徐々に下がっていく形の正常のグラフ範囲内でした。
T医師に初診で話した時に、前回受けたコルチゾール検査の結果も見せていて、私は正常値に戻ったと喜んだのですが、どういう訳か前回の検査は忘れた事にされて話をどんどん進めていきました。
GIーMAPはゾヌリンがないタイプのもので、有機酸検査でカンジダ菌の増殖がなく、リーキーガット症候群ではないと判断したと思われます。

(※6) 藤川徳美医師が提唱する、サプリメントで大量の栄養を補う健康法

(※7) 溝口徹医師が提唱する、血液検査に基づき、足りない栄養を医療用サプリメント等で補う療法、メガビタミン療法とはサプリメントの成分や種類が違ったりする。

(※8) オーソモレキュラー療法では、水溶性のビタミンBが継続的に効果がある様、核酸が入っているものが推奨されているが、指定されたビタミンBサプリメントには核酸が入っていなかった。
ビタミンEは8種の種類があり、複合的に摂取する事が推奨されているが、指定されたのは一種のαトコフェロールのみのサプリメントだった。
他にもオメガ3のオイルも購入指示があったが、オメガ3はオメガ6
との比率が重要で、1:2が理想的とされているが、
オメガ6は普段の食生活で取りすぎの傾向があり、日本人は大体1:5~数十倍とも言われています。
オメガ6も必要な栄養素ではありますが、控える指導はなく、ただ高額なオメガ3を購入して飲むだけでは効果があるのか疑問に思いました。

(※9)プロバイオティクスは菌が死んでいてもそれを食べる菌の餌になり、結果整腸作用がある説もある様です

(※10) リブレ フリースタイル、500円玉程の大きさの機械の先に針がついていて、それを腕に付け、血糖値を常時測る事ができる機械、スマホをかざす事で血糖値がわかるタイプのものを使用してました

(※12) 糖尿病傾向によるインスリン 不足でブドウ糖がエネルギーに変換されず、中性脂肪がケトン体に代謝されてエネルギー源として使われる

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