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生きるとか死ぬとか父親とか第3話を見て、自分と父の中にある無意識の親子の枠について考えた


相変わらず最高に素晴らしいドラマ。
大豆田とわ子、珈琲いかがでしょう、イチケイのカラスと合わせて私の中のぶっちぎりの4本柱という感じだ。


https://tver.jp/corner/f0072685
今週(というか先週だけど)は、シミ取りをしたい父親のことがどうにも理解できないトッキーさんの話が主軸になっている。そしてラジオに届くお悩みは10年以上スキンヘッドで過ごしてきた夫がカツラを被り始めた妻からの悩み相談について。
もしこの先を読むなら、ぜひTVerの見逃し配信を見てから読んでいただけると嬉しい。

どこもなんとなく、心当たりがある。誰のことも。
私はこれを見て、父のことを考えた。


私はここ最近、人生で初めて髪を染めた。結構な金髪。
すごく気に入っていたし、友達は似合うと褒めてくれた。
(アクセントや前髪については一悶着あったが、、、 
https://note.com/ka6925/n/nd9f38185fdad )
しかし、その髪色にしたことを親に伝えることが、なんとなくどうしても後ろめたかった。25歳にもなって。

特に、父親。
父がわたしの行動を制限したことは今まで一度もない。
好きにやりな、心配はしていないよと言ってくれる。
しかし、その言葉の裏にわたしには伝えない思いがあることもなんとなくわかる。
私のことをすごく大切に思っていて、全く彼氏ができる気配がないことを心配していて、ちゃんと働いていて欲しいと思っているのだと、思う。

それでも、私に「こうしなさい」と伝えることはない。


先日、私が新たに住む街の近くに単身赴任している父親が引越しの手伝いに来てくれた。
正直に言うと、私は幼い頃から父親にものすごく気を遣ってしまう。私の一挙一動で機嫌が変わることを恐れている。
基本的に穏やかな人だし、直接怒られた記憶はない。
それでも伝えられてはいない機嫌の悪さを感じることは幼少期の頃から少なくなかった。
引越しの手伝いはすごくありがたいんだけど、私にとっては1人で引越しをする苦労より、父親に何かをお願いすることの方がハードルが高いと思ってしまった。
そして、引っ越しということは自分の荷物を父親が見るということ。
父の娘としてではない、1人の社会人として暮らす私の部分を知られることがどうにも恥ずかしいような後ろめたいような気がしていた。
だからこそ、金髪の自分を見られることにも躊躇があった。
見た目がこんなにも変わった私を父がどう感じるか、どうにも恥ずかしくて面倒くさくて、あんなに意を決して染めた髪を黒に戻してしまおうかと迷ったほどだった。

そんな想いを抱えていた引越しの日。
金髪の私に父はさぞ驚くだろうと思っていた。
しかし、結果はノーリアクション。こんなにも娘の見た目が変化しているのに、触れない方が明らかに不自然だ。
何かを思っているから、黙っているのだろうと思った。

案の定母親から、「お父さんから、あんたが金髪で驚いたってLINEがきたよ」と連絡があった。
驚いているくせに直接言ってこない父の不器用さが笑えた。

でも、なんで黙ってたんだろう、とは思わない。なんとなくわかる。
私がそうであるように、父も娘の知らない部分を感じることを居心地悪く思うのかな、と考えた。
トッキーさんが父親のシミ取りを不快に思ったように。
カツラを被った夫のことが生理的に受け付けられなくなったように。

私と父親は、娘と父親であるための努力をするタイプだと思う。なんていうか、関係の枠を出ないように気をつける節がお互いにあるように感じる。
だからその枠から出た姿を見ると、互いに戸惑ってしまうんだろうな。

別に、それが悪いとも思わないけど、
なんとなく、もう少し1人の大人として父親に出会いたいな、とも思う。


今日の一曲

馬場俊英/男たちへ 女たちへ







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