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許すまじ「マエカブ」「アトカブ」

ここ数年、生産性を損なう日本の文化が取り沙汰されることが多くなり、ビジネスメールの書き出し「お世話になっております。○○株式会社のきたえみでございます。」などは最たるものとされているような、気がする。ただしこれについては、辞書ツールや各種ショートカットキーを使えば、1秒で入力することができ、読むか読まないかは受け取り手次第だ。まあ、「Hi!~~」とかで良いのは率直にうらやましいし、1秒も積もり積もれば…である。

それよりも最近私を悩ませるのは、タイトルにもある「マエカブ」さんと「アトカブ」さんである。仕事柄、様々な企業とお取り引きをしており、企業名を入力する回数も業務上多い。
となると、ついてくるのは「株式会社」が前につくのか、後につくのか、といった問題である。

もちろん取引先企業名は覚えているけれど、それが増えれば、株式会社ありきで覚えていない。そもそも、普段の会話の中で、株式会社は訳されがちだ。
メール、社内手続きの入力の際、クライアントを学校さんに紹介する際、あれ、この会社、前株だっけ、後株だっけ、と視線を動かし、時にはわざわざ調べて画面をスクロールし、またキーボードに手をやって、「はいはい、ここは後株ね」と入力をする。そのたび脱衣所で下着を持ってくることを忘れたことに気づき、また取りに帰るくらいがっかりした気持ちになるのである。

調べてみたら、これ後につくからどうとか、前につくからどうとかはなくて、”印象”や”イメージ”の問題らしい。せめて会社名が5文字以上だったら前株、とかルールさえあれば…と考えた私の甘やかな期待はすぐ裏切られることとなった。曰く、「前株は新しい、現代的なイメージ」「後株は堅実で安定感のあるイメージ」等があるそうで、創業者の好みや、センスで決められることが多いとのこと。会社のイメージを伝えるのって、株式会社の位置じゃなくて、社名やロゴや経営理念で事足りるのでは?と思ってしまう私は日本のハイコンテクスト文化をないがしろにしている?いや、これとそれとは問題が別だ、とぐるぐるしている今日この頃、結局言いたいことは一つである。

「マエカブ」「アトカブ」、そしてたまに出てくる「ナカカブ」、これ、どれかに統一できないものでしょうか。

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