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時間制限はNG。「スマホを自由に使うためのルール」こそが、依存症の研究からも正しい

昨今、インターネットは、生活の必需品となりました。ニュース、天気予報、時刻表検索、電話、メール、SNS、ショッピング、支払い……あらゆるものが、スマートフォンなくしては、非常に不便です。

当然、子どもたちが成長する頃には、この状況は、より進んでいるでしょう。ゲームアプリで遊ばせたり、YouTube動画を見せたりするためばかりではなく、将来を見据えて、教育の必要性を実感している方は少なくないでしょう。

子どものスマホ問題|いま語られている常識の大半は、残念ながら間違っている

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ところが、いざ我が子にスマートフォンを使わせ始めると、圧倒的大多数の方が、

「YouTubeに夢中になってしまい、止めることができない」

「没収すると、癇癪を起こして収拾がつかなくなる」

「ルールを作っているのに、なかなか守ってくれない」

など、うまくいかずに悩まされる結果になります。

ほとんどすべてがうまくいっていないのですから、私たちは、インターネットやスマートフォンとの付き合い方・向き合い方を、根本から間違えている、ということになるでしょう。

つまり、現在のIT × 子どもにまつわる常識は、そのほとんどが、間違っている、あるいは根拠がなく合理的ではないのです。

これはある意味、仕方がないとも言えます。なぜなら、インターネットが一般家庭に普及して約20年、スマホ普及からは約10年しか経っていません。

その中で子育てをするのは、私たちの世代が初めて。まだ知見が確立されていません。

依存症の研究|やりたいのに我慢させると、欲求をより強めてしまう

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子どもにスマートフォンを与える場合、ほとんどのケースで、「1日●時間まで」など、スマートフォンの利用を制限します。

私たち親世代は、ファミコンの時代から時間制限を刷り込まれていますし、「子どものときに経験したほうがいいことは、YouTube以外にたくさんある」との思いから、子どもに、なるべくスマホとの接触時間を減らそうとします。

が、欲求があるのに我慢させる、という行為は、依存症の研究により、より欲求を強めてしまう結果が報告されています。

子どもの頃に我慢させられていたものを、親の監視がなくなったら、強力に求めるようになった、という経験がある方も、実際いらっしゃるのではないでしょうか。

我慢させればさせるほど、欲求は強まり、逆に、子ども自身がセルフコントロールするのを難しくしているのです。

「スマホを自由に使うためのルール設定」が最善

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では、どうすべきか。

「スマホを制限するルール」を設定するのではなく、「スマホを自由に使うためのルール」を設定します。

たとえば、以下のようにです。

1. やるべきこと(宿題や、身支度など)をしっかり終えてからスマホを使う
2. 用事が発生したら、すぐに止めて片付ける
3. 就寝時間になったら、すっぱり止める

時間制限をしない、という決断には、勇気がいるかもしれません。

しかしながら、学校に行き、勉強や習い事をしっかりやり、健全な生活を送っているのなら、スマートフォンの使用時間にそれほど目くじらを立てなくてもいい、と思える方は、きっと少なくないでしょう。

どうしても踏み切れない方は、「ゲームやYouTubeの時間が増えると、なにが犠牲になるのか?」を考えてみてください。ゲームやYouTubeをやらずに、その時間に子どもにこれをやってほしい、ということがあるのなら、それをルールに組み込む形で解決ができるかもしれません。

このやり方の利点は2つ。

1つはもちろん、スマホやゲームの存在が、いつでも使える当たり前のものになれば、飢餓感が消えていき、欲求は弱まっていきます。

2つめは、ルールさえ守れば、自由意志が保証されるとなれば、子ども自身にルールを守る理由が生まれます。子ども自身が守ろうと思えることが大切です。

なお、ルールを設定しても、失敗は何度もします。

大切なのは、メタ認知(自己認知力)とセルフコントロールの訓練を続け、親の目が届かなくなる前に、身につけてもらうことです。

これは、年齢が上がればいきなり身につくものではなく、訓練が必要です。その実、大人でも、セルフコントロールができない人は存在します。

どのくらいで身につくかは個性の差もありますが、一例として、私の子どもたちは、4〜5年の訓練を経て、小学校2年生から3年生になるころには、ほぼ身につきました。

「あなたにならコントロールできると思うから、やってみなさい」と言えるように

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ITリテラシーを難しくしているのが、ITを学ぶだけでは、たとえば「子どもとスマートフォンの付き合い方」の最適解は見えてこない、という事実です。

このケースでは、ひとまとめにITリテラシーと言っても、細分化して見ると、インターネットや関連機器の知識、発達心理学、子どもとの関係性の作り方、教育方針など、様々な要素が複雑に絡み合っています。

つまり、年中さわっているのでスマホには詳しくても、頭ごなしに親のルールを押し付けるのでは、子どもは守らないし、親の監視を逃れれば高確率でスマホ漬けになるでしょう。

そもそも、考えてみてください。時間制限をするというのは、「あなたにはコントロールは無理だから、私が管理します」という親の意思表示に他なりません(仮にそのつもりはなくても、子どもはそう受け取るでしょう)。

子どもの可能性を、親が限定してしまうのではなく、

「あなたにならコントロールできると思うから、やってみなさい。うまくいかなかったら、どうしたらいいか一緒に考えよう」

そんなポジティブな眼差しで、子どもを見守れてこそ、子どもはぐんぐん成長し、自己肯定感も育っていくのだと私は考えています。

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「やってみたい」「気になる」から出発して没頭することを、当たり前の自分の武器に。

"子どものスマホのルールづくり" の話題のように、急激な変化の時代、学校では見つからない最適解に出会える教育事業をつくろう(なにより自分の子どもたちのために!)と一念発起しましたので、お知らせです。

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現在、石垣島で子どもだけで1週間生活を回したり、とことん「自分で決めてやってみる」に向き合いながらアウトドアを楽しんだりができる、「アドベンチャー学部」をリリース。

その他、気軽にスモールビジネスにチャレンジしたり、プロの仕事に触れたりする「働く学部」や、自分だけのメディアを作ってみる「メディア学部」ほかを準備中。

もちろん、スマートフォンやパソコンは武器として当たり前のように活用していきます。

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