突然、全く知らない業界に放り込まれて戦略を決めなくてはいけなくなった時

ラクスルで印刷→ポスティング・新聞折込→デザイン制作ソフト→ペライチと似たようで似ていない業界に次々と放り込まれて行き、それなりに結果を出してきたので、同じ立場の人の役に立てれば良いと思い書くことにしました。

そもそも、私はコンサルの経験が全く無く、ビジネスコンサル的なことはやったことありません。過去の経験は全く関係無いのでご安心ください。
まず、最初にお伝えしたいのが戦略論についてです。戦略の答えは一言で言えるまでシンプルにするのをお勧めします。例えば、「全国網羅したら勝ち」「最安値をキープできたら勝ち」など、ビジネスはどうなったら勝つのかが最終形。

私はどちらかというとマーケティング寄りの考え方とフレームが好きなので、3C+αをよく使います。なんだ、普通じゃないかって思う方もいるかも知れません。一般的であるが故に同じフレームで10名やったら10個の戦略が出てくるくらい自由度が高いのが戦略です。私なりに成功確率を上げる方法を最後に記載します。

1.Customer(顧客)
業界のサービスや、商品を買っている人はなぜ買っているのか?どんな判断基準で買っているのか?を調べます。既存の顧客を調べたり、アンケート調査をしたり、N1インタビューで理解していきます。ポスティングは新聞折込をやってて効果が出ない人もいるけれど、自分で手配りしている人が外注に切り替える人もいるんだなどと理解できます。数字上で言うと、5000部未満のポスティングが一定数あることで気づくことができました。

2.Competitor(競合)
競合となりうるサービスや商品。マーケット選定によって競合は大きく変わってくるので、非常に重要です。さらには競合の捉え方によって今後のプロダクトの方向性も変わってきます。最も重要レベルで考えられるのではないでしょうか。ポスティングで言うと、直接の競合はポスティング会社ですが、紙配布集客と捉えれば新聞折込やフリーペーパーの折込も入ってきますし、集客媒体と捉えるとWEBマーケティングなども入ってきます。

3.Company(自社)
対象となるサービスの現状確認。内容的には4Pで考えると良いですかね。①Product(商品)商品に優劣はないのか?QCD(Quality、Cost、Delivery)で考えるとさらに良いです。
②Price(価格)競合や競合となりうる商品に対して安いのか高いのか?原価がどのくらいなのか?も重要です。                  
③Place(売場、WEBサイト)商品の説明やWEBサイトは分かりやすいのか?目玉商品がちゃんとユーザーに届いているか?               
④Promotion(販促)どのように今までメッセージを打ち出していたのか?使っている広告は何か?

4.Market(市場)
顧客を引いてみたのが市場になりますが、ニーズがどれだけあるかを確認することができます。該当商品の市場と周辺市場を調べます。ポイントは、一般的に言われている市場とそれ以外の市場を調べるのが非常に大切です。追加で忘れずに調べる必要があるのは海外の市場です。基本的に世界のどこかで似たようなサービスがあることが多く、英語圏になると投資の金額も大きいので機能開発などは非常に進んでたりします。今後の戦略の参考にもなりますね。逆に投資をしまくっているけれど、うまくいっていない会社もあり、反面教師としても学べます。

5.Team(人員)
メンバーやリーダーなどどんな人がいるかを理解します。将来的にどんなチームを作る必要があるかを考えた後に、どの人がどのポジションを担ってくれて、どの程度採用が必要かを考えます。また、組織の状態を正しく知ることも大切。人間関係やビジョンの浸透具合や経営とメンバーの距離感など、これらは1on1のヒアリングで地道に調査して知るしかないですね。

6.P/L(収支)
どこで収入を得ていて、どこに支出をしているかを見ます。よくよく見てみると「このセグメントは効率悪いな」とか、お金使ってる割には売上上がって無いなとか、いろいろと出てきますのでできるだけ細かく見ましょう。想定をしないところや使っていないものにコスト掛けてたりしますよ。正直、これは知らない業界だけでなく、今の会社でも見直すことをお勧めします。

実際には財務と法務もありますが、今回は省略します。

■いろいろ見た上での成功の秘訣と戦略の建て方         
「センス」が重要とよく言われますが、実はセンスではありません。売れてる理由と売れる理由が明確な領域を選ぶというのが解です。
その際に、いくつかポイントがあります。

1.市場が大きい                         
これは必須条件です。何の代替によるか?という市場の捉え方もあるのですが、規模が大きくないと始めた時に既に頭打ちになります。例えば料理動画サイトたちは、新しい市場を作っているように見えますが、料理レシピの市場と捉えれば、その市場を踏襲してどの程度ペネトレーション(サイト→動画化)できるかが勝負になります。全くの市場を創造するというのはこれだけ経済が複雑化している現在ではなかなかありません。どの市場を開拓or変化させるかという観点は非常に重要だと思います。

2.競合が少ないor弱い                       
市場選びに近いのですが、競合が少いまたは弱いところを狙うのがおススメです。特に参入障壁が高かったりすると最高ですね。ほぼ独占状態になると業界をリードできるのでいろいろなトライアルがしやすくなります。リーダーは市場を作れる!

3.勝ちパターン(伸ばし方)が見える                
理由がよくわからないけれど勝ったなんてことは、ほぼありません。何を伸ばせば勝てるのか?最終系を見ることが大切です。そして、それは可視化できることが重要。ラクスルのオンラインデザインサービスの勝ちパターンでいうと、デザインテンプレートと商品対応でした。意外と他社が力を入れていなかったことが勝ちに繋がったりするので面白いですよね。

4.失敗した時に次の戦略を考えておく                
「事前に考えたことが、実際にやってみたらうまくいかない」なんてことは日常茶飯事です。もし、想定したところがうまくいかなかったら、別の方法を考えておくまたはすぐに考え方を変えるのが重要です。方針を決めていたとしても、すぐに軌道修正または方針転換も視野に入れるのが大切です。大体、事前に見える部分は表層で、奥底には深い闇があったりします。失敗はするものと思ってやっているととても楽ですよ。

■最後に                              
そんな私は、今は株式会社ペライチ(peraichi.com)という会社でCOOやっております。ここに記したのはペライチの戦略を建てる時に使ったフレームなんですが、なるべく内容には触れずに書いてみました。
実際にこれを使って作った戦略が知りたい・見たい・学びたい人はぜひこちらの求人に応募ください。一緒に働きましょう。
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求人応募が苦手という方はツイッター(https://twitter.com/KYasui0125)でDMでも問題ありません。では、アディオス

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