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要らぬ助言は、愚か者の自慰に過ぎない

久々に自分の怒りを強く意識している。
もちろん、日々の生活での細々した不快に小さな憤りを覚えることは茶飯事だけれど、今回のように誰かにどろどろと粘度のある怒りが生まれるのは本当に久しぶりのことだ。
その人は不躾にいう、私が今、無駄なことしていると。
過去を引きずり、その結果、無駄なことをしていると。

その無駄は彼女の物差しで私の生活を図り、その結果を彼女の価値観で評価した結果導き出されたものである。しかしながら、無遠慮に品定めされた私の「無駄」から、彼女の価値観を引いてしまえば、私にとっては全く麗しいかけがえのない宝物に違いないのだ。

彼女は言った。
「あなたのため」「心配している」
「何かあったら相談すればいい」

その表情は酷く歪んで見えた。恍惚。
それはとても公衆の面前で発露すべきものではないと感じた。

「あなたが大切だから」

そういって抱きしめるふりをして目を塞いで、
さらにその手は爪が伸びていて眼球を傷つけるのだから質が悪い。

こんな怒りを味わったのは久しぶりだ。
何より、その場で反論できなかった自分が腹立たしい。
でもそれもデミアンいうなら「自分自身へ至る道」で
偶然出会った妙薬だと思えば、口に苦いのも当然だ。

ともあれ、私はもっともっと強くならなければ。

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