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静寂の中響く火打ち石の音

「カッカッカッ」



静寂の中、『なれのはて』を読みはじめた時、耳慣れない音に目を向ける。

「カッカッカッ」
少し前方にある家のベランダのタオル干しが回る音?
視線をもう少し手前に移すと、オレンジの何かが動いている。
ジッと見ていると、お辞儀をしながら、尾っぽをあげる小鳥の姿が。
お腹がオレンジ。
ジョウビタキかな。
確信はなかったが、なんとなくそう思った。
ジョウビタキ。
響きがよくて、つい口にしたくなる。
ジョウビタキ。

鳴き声が、火打ち石を打つときの音に似ていることから、ヒタキの名がついたらしい。ジョウは、老扇(ろうおう)=年老いた男。

姿はないが、「ヒッヒッヒッ」と自転車のブレーキを短く引き続けたような声もする。
これもジョウビタキ。

今朝のもくばガレージは、来館者があるまで、ねこさんやジョウビタキが何度も訪れてくれた。

鹿児島神宮近くの小さな私設図書館、もくばガレージの静かな朝の出来事。

『なれのはて』
まだ読めていない。

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