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劇評

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2024年3月に観た舞台①

世田谷パブリックシアター『う蝕』 @シアタートラム

「脚本の横山拓也、脂が乗ってる」と、まず感じた。

 大きな災禍が起きた直後の小さな島らしき場所に、主に仕事で集まった男性6人の会話劇で、登場人物の約半分がすでに死んでいるんだけど、それが明かされるまでのせりふの軽さが絶妙だった。絶妙というのは、死んでいるとわかってから思い返すと、切なさや悲惨さや優しさや無常感など、いくつもの解釈が乱反射するよ

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