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ウィーンの空港で搭乗拒否された話(2021年6月のできごと)

Hallo! かぬしゃいです。
年末まであと少し。2021年も終わりに近づいていますね。毎年言い続けているのですが、やっぱりあっという間だったな、って思います。

本日は、これから日本に一時帰国される方への注意事項の伝達ということで表題についてお話していきたいと思います。
なお、こんな時期に日本に帰国するから悪いんだという声は多々ありますし、確かにおっしゃる通りだとは思います、ハイ。ただ、どうしても帰国しなくてはならない方もいるので、そこはなんとかご理解いただけると嬉しいです。

で、最初に要約をしますと、本日、私が申し上げたいのは、
何がなんでも日本政府指定の陰性証明フォーマットは記載ミスのないようにしましょう。
ということです。
これとパスポート&お迎えの手段さえあれば、日本に入れます。

では、何があったのかをお話していきます。

日本政府指定の陰性証明フォーマットを受け付けてくれる医療機関が見つからない

ときは2021年6月下旬。
ウィーンから日本に帰国予定だった私は、帰国の2週間ほど前から準備を開始。まずはPCRを受けて、陰性証明書を発行してもらうための予約をしようと思い、パートナー君にHausartz (かかりつけ医)でPCR検査をして日本政府指定のフォーマットに記載してくれるようにお願いしたいと話すと…

「えっ?日本指定のフォーマット?聞いてないよ。そんなものあるの?オーストリアのラボでそんなもの書いてくれるとこあるかわからないよ?かかりつけ医は絶対やってくれないから、他を当たってみるしかない」 

との提案。
他国でもそうでしたが、証明書関連に関わらず、基本的に「例外」のことはやりたがらないんですよね。なので、日本政府指定のフォーマットなんて、外国のラボからすると、「はぁ?そういうの無理」ってなるわけです…。
さっそく現実を突きつけられました。

とはいえ、ビザのこともあるし帰らなくてはならないので、彼におんぶにだっこで陰性証明書の発行可能なラボを探しに、20くらいのラボにメールを送付。3日たって返ってきたのは2件。そのうち1件のみ可能とのこと。
にしても、メールの返信率が低くて震えた…。

(なお、そのころの日本大使館のHPには、”日本政府指定の陰性証明書の発行が可能な医療機関が見つからない場合はご連絡ください”と書いてありました。すでにメールを20件送った後にその文言を確認した私は、めんどくさくなって、連絡せずにそのままにしてしまい、結局これが仇となりました。 ちなみに現在は、一覧でHPに載っているのでご安心を!記載されているラボはお墨付きです。)

フォーマットに記載ミス発覚!でも、ラボに連絡がつかない

よし、これで帰れるぞ!!と出発日である日曜日の2日前の金曜日の朝8時に予約して、意気揚々とPCR検査を受検。その時にも、しっかりとこの日本政府指定のフォーマットに書いてね、と伝達。ここまですれば、大丈夫だろうと一安心。
そして、なんと結果が同日の13時にメールで到着。おっ!よかった、これで安心!って思ったのですが、、、、

まさかの記載ミス発見。。。

採取時間が空欄になっているのではないか!おい!やっぱり、そうか。そうですよね。そんな簡単にはいきませんよね。だって、手書きだもんね。ミスは発生するよね。

ということで、ラボに訂正の依頼の連絡をするも、全然連絡がつかない。

おかしいな、、、

と営業日を見てみると。。。

金曜日はAMまでの営業で、土日は休み。
つまり、対応不可能!!

もう焦りましたよ。ほんとうに。どうしようって。
でも、電話はかからないし、メールは返ってこないし。

もうしょうがないということで、日本政府指定の陰性フォーマットの他に、internationalな証明書も出してもらっていたので、それに書いてある採取時間との合わせ技で行くしかない、と、あきらめて空港に向かいました。

航空会社の方の誠意に感動

空港につき、カウンターでチケットを発券してもらう際に日本入国書類について2回の書類チェックを受けましたが、事情を説明してなんとかチケットをゲット。

これで大丈夫だったのか、とほっとして、見送りに来てくれたパートナー君と涙のお別れ。

そして、いざ搭乗ゲートに向かい、搭乗を待っていると、

「○○さん、ゲートのカウンターまでお越しください」

人生で初めて私の名前が空港で呼ばれました。
そして、入国書類を確認させてください、とのことで、書類を見せて、不足している情報についての事情を説明。

そうすると、あきらかにスタッフの男性の顔が曇る。。。。

えっ、やっぱり、だめ?うそでしょ。 と私は祈る思いで彼を見つめる。

そして、彼が一言。

「先週にも1人の日本人女性が同じようなことで強制送還にあったので、これでは難しいと思う。日本のデスクに今、連絡してみるから少し待っていて。」

終わった。。。。

航空会社が日本のデスクに連絡し、日本デスクが検疫に相談をした結果…

「補完する情報があったとしても、日本独自のフォーマットに不備があるので強制送還されます。ですので、飛行機には乗れません」

との判決が下されました。
そう、いわゆる搭乗拒否です。

完全に終わった。。。。

そのスタッフは、「先週、自分のチェックミスでその女性を40時間もの無駄なフライトをさせてしまったので、あなたには同じ目にあってほしくない。」という至極納得のいく説明も付け加えてくれました。

彼の曇り顔にはその背景があったのねと妙に納得。

判決を受けた直後は本気で搭乗拒否するの!?って思いましたが、冷静になってみると、事前に止めてくれてありがとう、という感謝の気持ちで清々しくなっていました。
なお、チケットも無料で日程変更してくれたので、本当に感謝してます。

逆に日本の融通の利かなさにショックでした。だって、検査結果は陰性なのに、フォーマットのミスだけでまるで犯罪者みたいに入国できないなんて…涙

もし強制送還された人のビザが切れてたら、オーストリアにも再入国できないわけだから、映画にあったみたいに空港のターミナルで過ごすことになるのか!? それはそれで、すごいなぁとか、まぁいろいろ考えはしましたが、なんとか強制送還だけは避けられたので、とりあえず、よかったか…と、来た道をトボトボ帰りました。

ただ、日本の厚生労働省には、外国が日本みたいに完璧に業務をこなせる場所ではない、ということを慮っていただき、強制送還措置だけは廃止してほしいです。
ほんと、日本みたいな「できる」国が例外なんですもん。

(なお、本件に関して日本大使館にご連絡をさせていただきましたところ、外務省としても邦人保護の観点から善処を申し入れているところです、とのコメントをいただきました。いやはや、いつも色々と動いてくださり感謝)

入国後もそれなりの試練が…

1週間後の同じ時間にチケットを変更し、同様に検査を実施して、ミスもなく無事に搭乗ができました。
この時は、前回の反省から、航空会社の方にwhatsappで事前にラボに発行してもらった陰性証明フォーマットをお送りし、問題の有無を前日に確認してもらいました。ほんとうにいい航空会社です。

そして、いよいよ入国!
飛行機を降りたあとすぐにある陰性証明フォーマットのチェック窓口で、まずは陰性証明書を提出。
すると係員の方から、「これはPDFを印刷したものですか?」との質問があり、「はい」と答えると、上司の方と何やら相談していました…

えっ、ワタクシ、キョウセイソウカン!? と血の気が引きましたが、結局は問題なしとのことで、無事に通過!心の中でガッツポーズ。
(なお、現在は、PDFで全く問題ないそうです。友人談)

そこから書類チェックやら、アプリチェックやらでいろいろと時間がかかり、PCR検査を受けてからはもうへとへとでした…。
当時は6月だったので、まだ水際対策の試行錯誤期だったことから、いろいろとカオスだったものと思われます。

そして、当時は3日間のホテル隔離があったので、ホテル組は陰性確認後はホテル行のバスに乗り、出発。

しかし、ここから地獄が…。

なんと、ホテルについたら、3台ものバスが待っているのではありませんか!ホテルの受付が混んでいるため、案内されるまでまさかの2時間待ち。

自分はとても緊張していたため、空港ではずっと飲まず食わず&トイレもいかずだったので、失神しそうでした。
なので、トイレだけは2時間の待ち時間の時に行かせていただきました。

そしてホテルの部屋についたのは、深夜1時。到着が19時ごろだったので、だいたい6時間かかりました。

かなり長い日で相当疲れてはいましたが、深夜1時にも関わらず、スタッフの方は笑顔できびきびと働いてて、あー日本に帰ってきたなぁ~と思った瞬間でもありました。

まとめ

ここまで私の経験談をお話させていただきましたが、最後にまとめると…
・帰国する際の陰性証明書は絶対にミスはしてはいけない!
・土日に出発する場合は、念のため土日も空いているラボでPCRテストを受けるべし。

さらに付け加えると
・入国後のフローはいろいろと思うこともあるが、スタッフの方はみんな頑張っていますので、笑顔で乗り切った方がよい。
・文句は政府にあとで言うべし。

ということです。

最後に、これは日本政府の水際対策の批判ではないので、そこだけは悪しからず。コロナをあそこまで抑え込んでいるのは、素直にすごいと思います。

Tschüss!

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