(創作物語)『明日への貴方へ』 その18

前回までのあらすじ。
陸の孤島にたどり着いたナディア達。森の中で創造主の石像を見つける。が、そこにいたのはあのリーミラ(魔女ドリナ)達。古竜シードロヴナ(人間)らも合流し、戦闘が始まる。創造主を復活させるため、ナディア達は別場所に移動。そこで創造主を復活させるが、様子がおかしい事に気付く。リーミラ(魔女ドリナ)に創造主復活の事実を伝えるが・・・・・。
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 リーミラ(魔女ドリナ)「アムル赤目(本体)。ここは一時停戦よ。創造主が復活したわ。もう後戻りできない」

 アムル赤目(本体)「ここまで来て、計画倒れかぁ、、、、ねぇ、母さん、真実を話していい?」

 頷くリーミラ(魔女ドリナ)。

 アムル赤目(本体)「端的に言うと、創造主はアレン博士とつながっている。あいつらはグルだ。アレン博士はお前達に仲間だと思い込ませて、手足の様に使っている。もう少し早く気付かせればよかった」

 リーミラ(魔女ドリナ)「ごめんなさい、あなた達の敵だと思わせることでアレン博士の尻尾をつかむための作戦だったの。アレン博士は創造主を作った本人。しかも、最新のアンドロイドRGHJ-1800をこの電脳世界に送り込んでくるつもりよ」

 アムル赤目(本体)「最初、ナディアとルシードがアレン博士の所に行った時から、創造主の再始動計画は施行されていた。そして、魔女ドリナを抹殺するために極秘のアンドロイド開発を続けていた。それがRGHJ-1800というわけ」

 リーミラ(魔女ドリナ)「そして問題は、現実世界に創造主の本体が存在するという事ね」
 
 ナディア「もしもすると、リーミラと魔女ドリナが一体化したようなことを創造主が目指しているという事?」

 リーミラ(魔女ドリナ)「そういうことね。本体と融合できれば、もうデータとして消される心配はないから」

 ウォルトン(剣士)「畜生!あの野郎騙しやがった!!!あのアンドロイドは俺たちを消すために作っていやがったんだ!もう少しすると、RGHJ-1800があんたとアムル赤目(本体)を殺しに来るぞ」

 サーナ(盗賊)「ねぇ!聞いているんでしょ?!アレン博士!」

 アムル赤目(本体)「へぇ、そいつは是非返り討ちにしてやりたいね」

 古竜シードロヴナ(人間)「で、誰が現実世界のアレン博士とやらを止めるのだ?私とカスパル(大竜)はこの電脳世界の住人。現実世界へは行くことができない」

 ナディア「私と、ルシードが触れたら、あの創造主2人は蘇った。だから、私とルシードであの2人を追います」

 ルシード「ナディアは、あの、、、、創造主に触れた瞬間、何か感じなかった?」

 ナディア「その話はあとでしましょ」

 ナディア、ルシード、アムル赤目(本体)、リーミラ(魔女ドリナ)、ウォルトン(剣士)、サーナ(盗賊)は意見を出し合い、今後の方針を決める。古竜シードロヴナ(人間)とカスパル(大竜)は、電脳世界で戦力をかき集め、RGHJ-1800に対抗すべく準備に入る。

 現実世界で、即座に起き上がるナディアとルシード。そこにはアレン博士の姿はなく、2人は急いで研究棟を後にする。




 その頃、アレン博士はブロウス率いる生体部門に向かっていた。狙いは、冷凍保存された男女一対の人間である。

 アレン博士「ブロウス、少々急ぎの件があるのだが・・・・」

 ザカロン「何でしょう?」

 アレン博士「魔女討伐のために君とブロウスで、最新のRGHJ-1800の操作を任せたい。依頼できるか?」

 ザカロン「ええ、ブロウスを呼んでから今からそちらに向かいます」

 アレン博士はザカロン、ブロウスと研究棟で落ちあい、RGHJ-1800の遠隔操作を任せる。

 アレン博士はその間にブロウスの生体部門に入り、男女一対の冷凍庫を探し出し、見つける。

 アレン博士「あれだ、ついに見つけたぞ!早く来い、私の子供達よ」

 


 その頃、RGHJ-1800はリーミラ(魔女ドリナ)とアムル赤目(本体)を倒すために、電脳空間の陸の孤島に向かっていた。

 ナディア、ルシード、ウォルトン、サーナは現実世界に戻っていた。すぐさまアレン博士を探すために落ちあい、各部署内を回る。

 ウォルトン「どこだ?!博士はいたか?」

 ナディア「研究棟にはいなかったわ」

 サーナ「製造部門もダメ」

 ウォルトン「後は、生体部門とスクラップ置き場くらいか」


 ナディア達が生体部門へ移動すると、そこにはアレン博士がいた。

 アレン博士「やはり、君たちを騙し通せるものではなかったようだ」

 ウォルトン「アレン!貴様、何故、こんなことを!」

 アレン博士「ウォルトン。世の中は奇麗ごとだけでは済まされないことの方が多いのだよ。電脳空間はいわば、私の実験場。生命体の繁栄のために自動生成プログラムを組んでおいたのだ。最初は赤子のようなプログラムもやがて意志を持ち始め、プログラムが自ら最初の男女一対の創造主を作り出したのだ。その観点から私はAIを搭載したアンドロイドの案を思いつき、実際のRGHJ-1700の着想が沸いてきたのだ。だが、そのプログラムは一種類では無かった。もう一つの生命体の始祖、魔女ドリナの存在だ。魔女ドリナは電脳空間で自らの勢力を拡大するために、森や洞窟、廃墟を作り出し、仲間まで生み出すまでに至った。魔女ドリナは他の創造主力を恐れ、3つのアイテムに力を封印し、最初の創造主を石像に変えた。」

 ナディア「あの優しい博士は嘘だったの?私たちを騙していたのね・・・・」

 ルシード「創造主を復活させるために、僕らを利用したっていうのは嘘だよね?でも、どうして創造主の封印が僕達で解けるって知っていたの?」

 アレン博士「何!?それは本当なのか?!やはり君達が・・・・・。すまない。君たちを利用しようとなんて考えていなかった。だがこれを見たまえ」

 アレン博士が指さした先には、あの生体部門の中の分厚いガラスで何重にも守られた部屋に冷凍保存された男女一対の人間がいる。

 ウォルトン「あれは、俺が見つけた冷凍人間!」

 アレン博士「あの男女2人が全てを握るカギとなる」

 そこへ、あの創造主の二人組が現実世界に現れる。

 マイルズ(創造主)「あれ~。あの男って、どこかで見おぼえあるなぁ~」

 ラベン(創造主)「うん、私も。こっちの女、以前見たことあるよ!」

 アレン博士「おお、私の子供達よ・・・」


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登場人物

 ナディア:体は機械、脳は人間のアンドロイド。
 特技:〇〇、高速移動

 ルシード:正体不明の少年
 特技:似顔絵書き、高速移動、生命反応探知、声

 アレン博士:脳科学者で、偏屈者。自身で、超巨大な設備を持つ。→大聖堂での魔女ドリナによるRGHJ-1700大量破壊事件を受け、極秘プロジェクトの再始動を会議で決定。RGHJ-1800を量産体制に移行させる。

 アムル:アレン博士の所で電脳世界に入った時、ルシードが出会った少年。200年前、脳移植時に事故が起こり、電脳空間に閉じ込められた少年。母は、魔女ドリナ。→ リーミラにより、電脳空間から強制的に現実世界へと連れ出され、正気を失い赤目のアムルとなる。
 特技:電脳空間時に魔法使用可能

 ザカロン:アレン博士の研究所の製造部門長。冷徹。

 サーナ:製造部門で働く女性社員。情報通。彼氏はウォルトン。

 ウォルトン:生体部門で働く男性社員。彼女はサーナ。

 ブロウス:生体部門の部門長。アレン博士とは別に、独自に電脳空間に入れる装置を開発した秀才。アレン博士とは対立している模様。

 リーミラ:ブロウスの元妻。研究棟の一室で、アムルの本体を隔離し、個人的にアムルのデータを何かに利用しようとしていた。本当の目的は魔女ドリナを電脳空間から現実世界へと出す計画を練っている。→ 大聖堂で魔女ドリナと同化し、リーミラ(魔女ドリナ)となる。

 アムル(本体):研究棟の一室の円柱状のガラス内に閉じ込められた少年。  →大聖堂でアムル(赤目)と同化し、アムル赤目(本体)となる。


アレン博士の研究所

 研究棟:身体に電極をつなぎ、電脳空間へと飛べる装置がある。電脳空間の出来事はモニターで閲覧可能。また、日々進化する技術の推移を集めた頭脳集団がいる部門。とある部屋の一角に、アムルの本体が保管されているのをサーナが偶然見つける。

 製造部門:最新のAIやロボットを製作する部門。

 生体部門:人間の生体と機械を繋ぐことを目的とする部門。

 スクラップ置き場:廃材を重機で押しつぶし、再利用する場所。

 生活棟:研究者や製造スタッフが寝泊まりできるくらいの施設。一つの町と言ってもいいほどの広さがある。

 大聖堂:人々の心のよりどころ。魔女ドリナとアムル(赤目)がRGHJ-1700と戦い、リーミラ、アムル(本体)と同化した場所でもある。


製造しているアンドロイドや、アイテムなど

 RGHJ-1700:新モデルで、旧タイプより130%性能がアップしている。AIを搭載し、完全自動で動く。完全自立型アンドロイド。

 RGHJ-1800:1700の後継機種のアンドロイド。場所を選ばずに電脳空間に実体を移動できる機能が搭載される予定。より人間に近づけた「感情」を搭載させた最新モデル。戦闘力もRGHJ-1700の数倍に上がっている。→ アレン博士が電脳空間の陸の孤島を目指すリーミラ(魔女ドリナ)とアムル赤目(本体)の抹殺のために送り込む。自立型でありながら、外部から遠隔操作可能。
 特技:魔法シールドを破れるミサイル、相手の魔法攻撃に対するバリア機能、接近戦での重力装置の開放、現実世界から電脳空間への転送、人間らしい会話や仲間との協力。



 転送装置:現実世界の実機を電脳空間に直接転送できる装置。ブロウスからウォルトンに渡される。



アレン博士の研究所での謎

 生体部門:ウォルトンが発見した、分厚いガラスで何重にも守られた部屋に冷凍保存された男女一対の人間。

 研究棟の奥の部屋:円柱状のガラスの装置内にアムルの本体と思われるものを発見。サーナが偶然見つける。ウォルトンとサーナは、研究棟の奥の部屋に監視カメラを設置。



アムルが捕らわれている電脳世界

 魔女ドリナ:アムルを電脳空間に閉じ込めた魔女。普段いつも自分の家で、まじないの薬を調合しているが、3日に1回、近くの森、廃墟へ出かける。息子は、アムル。師匠は、水の神殿にいるアルバーノ。

 森:魔女ドリナが3日に1回訪れる森。一つ目の巨人サイクロプスが住むとされる地域。

 洞窟:森の奥の洞窟の最奥に、電脳世界から現実世界へ移るための装置をウォルトンとサーナが発見する。魔女ドリアが所持している。

 廃墟:魔女ドリアが3日に1回訪れる廃墟。凶悪なドラゴンが住むとされる地域。

 水の神殿:アムルが発見した電脳世界の新地域。アルバーノが守護している聖域。

 砂漠の遺跡:アムルが発見した電脳世界の新地域。

 モダンな街並み:アムルが発見した電脳世界の新地域。

 陸の孤島:電脳世界を創造した男女一対が封印されているという伝説が残る島。



 魔女ドリナ(悪性):魔女ドリナのもう片方の一面。何故悪性に変わるかは不明。
 特技:召喚魔法

 謎の剣士:砂漠の遺跡に向かうナディア達をサイクロプスから守った剣士。現実世界のウォルトン。

 謎の盗賊:剣士と共にいた盗賊。現実世界のサーナ。

 アルバーノ:初老の水の神殿の守護者。ナディア達と出会ったあとは、彼らを支援することに。弟子は、魔女ドリナ。

 カスパル(小竜):アルバーノがアムルに手渡した小さな竜。アムルの魔力に比例して強くなる。モダンな街並みのテーマパークで鍛錬することにより、中竜となる。→ アムル赤目(本体)が同化したことにより、大竜となる。→ 古竜シードロヴナ(人間)から人間になる術を学び、カスパル大竜(人間)となる。

 ナディア(影):魔女ドリナ(悪性)が生み出したナディアそっくりの影。テーマパークでナディアたちに倒され、ナディアの力となる。

 アムル(影):魔女ドリナ(悪性)が生み出したアムルそっくりの影。テーマパークでアムル達に倒され、アムルの力となる。

 ルシード(影):魔女ドリナ(悪性)が生み出したルシードそっくりの影。テーマパークでルシード達に倒され、ルシードの力となる。

 古竜シードロヴナ:廃墟にいた古竜。ナディア、ルシード、カスパル(中竜)との戦いで深手を負う。血と鱗をアムル(赤目)に奪われる。
 特技:戦闘時に古竜シードロヴナ(人間)となる。


 マイルズ(創造主):電脳世界の創造主。男。ルシードが触れることにより、蘇る。

 ラベン(創造主):電脳世界の創造主。女。ナディが触れることにより、蘇る。




 電脳世界でのアイテム等

 古い書物:砂漠の遺跡の最深部にあった書物。各地域の成り立ちなど、この電脳世界での歴史が書かれている。水の神殿に入る時に必要。

 光る石:水の神殿に行くときに行商人から購入した奇麗な石。

 竜族のペンダント:古竜シードロヴナ(人間)がアルバーノに手渡した竜族のお守りのペンダント。


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