(音楽+創作イントロ物語)EVADNEを聴きながら

 久しぶりに、音楽を聴いてインスピレーションが沸いてきたので、書いてみる。

 スペイン出身のEVADNE。ジャンルは、メランコリードゥームメタル。Swallow the Sunと並ぶくらい、いやそれ以上の悲しみを垂れ流す極上バンド(´;ω;`)ウゥゥ
 
 サビメロが、メランコリーで悲しみにまみれているこの神曲から。


素晴らしいレビューサイトがあったので、以下に掲載しておく。


以下は、創作イントロ物語

 ちなみに、音楽の歌詞の内容とは関係ないので、悪しからず。


 暗い水の中で漂う、1人の女性。彼女の名前はアミラ。いつからであろう、水の中にいると心地よく感じたのは。


 
 目が覚めると、そこは草原が広がる。小鳥がさえずり、子供達の笑い声が聞こえる。

 子供達『ねぇ、お姉さん、こっちに来て遊ぼうよ~~~』

 手を引かれるアミラ。連れていかれたのは、奇麗で荘厳な雰囲気のある教会。中に入ると、たくさんの人であふれかえっていた。お祈りする人、神父さんと話をする人。その中で、ひときわ目を引く存在がいた。数学者のジョセフである。ジョセフは、神とは何であるかを数式を持って説明しようとしている研究者である。

 ジョセフ「神は、必ず数式で表現できる。そこのあなた!天使ミカエルはこの数式とこの数式で・・・・・・こうで・・・・・こうなのです」

 幼少の頃、アミラはジョセフに数学を習った記憶がある。簡単な足し算引き算から、小難しい方程式まで数え切れないほどの知識を教えてもらった。

 ジョセフ「やあ、アミラ。今日もお祈りに来たのかい?」

 うなずくアミラ。子供たちに手を引かれて、長椅子に座るアミラと子供達。日の光がまぶしいくらいに、ステンドグラスを照らし、まるで天界の光が差し込むような雰囲気さえあった。

 そこへある一人の男が教会へ入ってくる。

 幼馴染のルシオ。彼は宗教学者になり、この教会にもたびたび訪れている。ルシオと軽く挨拶を交わしたアミラ。彼に地下の倉庫にある聖書に関連する書物を取ってきてくれないかと依頼される。

 子供達を引き連れ、地下の書庫に向かうアミラと子供達。

 その時、外で稲妻のような光と共に轟音が鳴り響く。轟音と共に揺れる大地。響き渡る多くの叫び声。しばらく経って、アミラは子供達と書庫から出てみる。

 多くの建物が壊れ、倒壊していた。一面焼け野原となり、何が起こったかすぐには理解できなかった。そして、目の前には巨大な津波が目前に迫る。急いで子供達を高い所へ誘導するも、自分も波にのまれてしまう。

 気が付けば、棒切れを握り締め、倒壊した建物の一角に引っかかっていたアミラ。近くに、ルシオとジョセフも倒れていた。3人とも奇跡的に命を取り留めていた。

 荒廃した光景。ほんの数時間前までは平和なあの日々が一瞬で消え去った。近くで、ルシオとジョセフが呆然と立ち尽くしている。平和な日々には、2人は何度も口論になることもあった。だが、今は互いに助け合おうとしている。

 アミラの腕には、子供達から貰った手作りの腕輪が残っていた。それを握り締めるアミラ。周りに子供たちの姿は無く、途方に暮れた。近くの小舟を手繰り寄せ、それに乗る3人。ルシオとジョセフが交代で小舟を漕ぐ。遠くを見るアミラ。ふと水の中を見ると、子供の1人が沈んでいく所であった。急いで子供を引き上げるアミラ達。小舟の上で、心肺蘇生を行い、息を吹き返す子供。

 子供「・・・・・・ありがとう・・・・・」

 その子供を見て、安心すると共に急に涙があふれて止まらなくなったアミラ。ぎゅっと抱きしめ、小舟は津波の影響のない所まで進んでいく。

 陸に上がるアミラ達。火をおこし、暖を取るが、夜になり、辺りも冷え込んでくる。いつの間にか、アミラ達は眠りについてしまう。

 

 ハッと水の中で目覚めるアミラ。わずかに日の光を上に感じながら、水の中へ深く落ちてゆく・・・・・。薄れゆく意識中で、

 神は自分を見捨てたのだろうか?子供たちは何処へ行ったのだろうか?あの光と轟音は何だったのだろうか?ルシオとジョセフは・・・・。複雑な思いを抱えながら、深い海の底へと落ちてゆく・・・・・何処までも。
 
 静かな海に、手作りの腕輪が、ゆく当てもなく、ただただ静かに漂っていた。
 

 

 

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