ビル・ゲイツに学ぶ
もはや知らない人はいないと言っても間違いではないビル・ゲイツ。
そのビル・ゲイツについてです。
今回は自分の活動の一環でマイクロソフト、ビル・ゲイツに関する本を読むことがありました。そしてタイミング良くNetflixのドキュメンタリー
「天才の頭の中:ビル・ゲイツを解読する」
も見たので、感想について書き記しておこうと思います。(※あくまで自分の感想です)
1;ビル・ゲイツについて(概要)
マイクロソフト創設
・ビル・ゲイツはポール・アレンと共に1975年にマイクロソフト社を設立。
その結果ゲイツはハーバード大学を中退。
・最初、マイクロソフトは世界初のマイクロ・コンピュータ「アルテア」の
ソフトウェアを開発するのが目的だった。
・その後、IBM PCのDOSとなるMS-DOSをIBMに開発することでマイクロソ
フトはその地位を世界的に確固たるものにし成長を続ける。
・さらにWindowsによりマイクロソフトは巨大な企業となる。
お金
・ビル・ゲイツはマイクロソフトの株式公開後、1987年のForbesによる世界
長者番付で29位にランクインしている。ちなみにこの時ビル・ゲイツは31
歳にして10億ドルの資産を築きあげていたことになる。
・1987年10月号の「フォーチュン」では、タイトルページにビル・ゲイツの
写真を掲載し、「ビジネスのあらゆる分野を見渡しても、ゲイツの年齢で
彼以上の金を儲けた人物はいないと思われる」とされている。
・その後、1995年の世界長者番付で一位になっている。
・このように莫大な資産を築き上げているゲイツだが、現在ではビル&メリ
ンダ・ゲイツ財団を創設し、世界の様々な問題の解決のために活動してい
る。
Netflixのドキュメンタリーでは、貧困国のためのトイレ(安価な)の開発、ポリオを撲滅、環境問題、に取り組んでいる様子が映し出される。
純粋に、世界のために頑張っている姿を見てかっこいいなと思いました。
2;Think week(思考週間)
なぜ、ビル・ゲイツがマイクロソフトを成功させ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団を創設し世界の様々な問題の解決に本気で取り組めるのか?
ビル・ゲイツは天才です。これは疑いようのないことです。
しかし、ビル・ゲイツが天才であること以上に熱量が他の人とは違います。
これを象徴しているのがThink Week(思考週間)です。
これはその名の通り、考える週間です。
具体的には、普段の業務を完全にやめて、年に2回、7日間、湖畔の小屋に行って、あらかじめ決めたテーマについての本や論文などの文献を大量に読み込むのです。
ある時のThink Week(思考週間)では、112本の記事や論文などの文献を読んだとされています。
ビル・ゲイツはこのThink Week(思考週間)で相当な量の知識を蓄積し、今後どうするのかを考えます。そしてメモに残していました。
一番有名なのものとしてあげられるのは、
1995年の「インターネットの高波」 (Internet Tidal Wave)
というメモを残したThink Week(思考週間)です。
これはゲイツが「インターネット」をテーマにしたもので、マイクロソフト社の命運を大きく変えたものと言っても過言ではないでしょう。
この頃インターネットブラウザではネットスケープ社に先行されおり、マイクロソフトは遅れていました。事実、ビル・ゲイツ自身もこれまではインターネットの重要度についてはあまりわかっていなかったそうです。
しかしThink Week(思考週間)を終えて書かれたこのメモでは、これからインターネットが世界をどのように変えていくのかがはっきりと示され、「インターネット事業に最高レベルの重要度を置くことにした」と書かれています。
まさにこの先何年にもわたるマイクロソフトの戦略が明確になったのです。
1996年にはブラウザの市場占有率はネットスケープが87%に対してマイクロソフトのエクスプローラーは4%にすぎなかったのが、1998年には逆転するまでになりました。(ネットスケープとマイクロソフトのブラウザ戦争)
ビル・ゲイツはこのようにThink Week(思考週間)で、決めたテーマについての文献を大量に読み込むわけですが、その結果、専門家並みの知識を蓄積しています。
Netflixのドキュメンタリーでは、様々なスタートアップとのミーティングで、ビル・ゲイツが誰よりも詳しいと言ってたのが印象的です。
3;読書
また、ビル・ゲイツは読書家としてもよく知られています。自身のブログ「Gates Notes」では読んだ本の中でこの冬に読むべき5冊として、その年に読んだ本の中から5冊を取り上げて年末に紹介しています。
ノンフィクションから専門書まで様々なジャンルの本を読んでいます。
過去のインタビューで、読書の秘密について、
①必ず読み終えること
→「必ず読み終える」というのがゲイツの読書の鉄則なんだそうです。
②まとまった時間を確保すること
→ゲイツの場合は読書を、ただ本を読むのではなくて、しっかり考えながら読んでいるそうです。受動的な読書ではなくて能動的な読書ということですね。
そのために、隙間の時間で読むのではなくて1日の中にまとまった時間を確保しているのです。
さらにその時間には邪魔が入らないようにしているそうです。
Netflixのドキュメンタリーでは、ゲイツがトートバックに本をたくさん入れるところからスタートし、また、インタビューが行われている部屋(おそらく自宅)では、本棚にある大量の本が目に付きます。
(まさにハリーポッターの図書館のようです)
4;ビル・ゲイツに学ぶ
このようにビル・ゲイツは天才です。これはいうまでもありません。
ですが、Think Week(思考週間)や、読書の量など、他の人には比べ物にならないくらい努力をしていることがわかります。
また、この他にもマイクロソフト時代にはほとんど休むことなく、徹夜もしてずっと仕事に取り組んでいたというのが様々な本や当時のマイクロソフトの従業員のインタビューで語られています。
ビル・ゲイツから学べること、参考にできることはたくさんあると思います。
例えば、Think Week(思考週間)のように1週間仕事を何もしないのは無理ですが、物事にしっかりと時間をかけて考える姿勢は見習うことができます。
現代人はあまり頭を使うことをしない、と大学の先生やテレビのコメンテーターが言っているのを聞いたことがあります。
それはそうで、若い人たち、もしかしたらもっと若い学生(小、中、高校生も)は、無料のYouTubeを無限に見ることができて、無料のSNSを使って無限にインターネットで世界中の人々と繋がれて、無限に情報が脳に入ってきています。
そんな情報過多の時代に生きていたら、自分でそれらを断たない限り、脳のキャパシティーオーバーで、情報処理が追いつかなくなり、考えることなんて無理です。
これは若い人が悪いという事ではなくて、時代の流れ、仕方ない事だと思います。
小学生や中学生からスマートフォンやタブレットを手にしていて、小さい頃からインターネットを使っている。これが当たり前の時代です。
だからこそ、そんな現代を生きる人たちはこのようなビル・ゲイツの考える姿勢から学べることがあるかもしれません。
また、やはり読書の大切さが改めて確認されます。ビル・ゲイツと仲の良いウォーレン・バフェットも読書家として知られています。(投資の神様です)
Netflixのドキュメンタリーでもビル・ゲイツがウォーレン・バフェットと一緒に2人の大好きなハンバーガーを食べているシーンがありましたが、2人とも読書家で、ビル・ゲイツは過去のインタビューで「読書は成功に絶対に欠かせないものだ」と言っています。
1日の80%の時間を読書に当てているというバフェットも同じ意見なのではないでしょうか。
5;まとめ
これ以外にもビル・ゲイツにはたくさんのエピソードがあります。
世界の問題を解決しようと毎日取り組んでいるビル・ゲイツ。
彼の今後の活躍に期待すると共に、自分も取り入れられることは取り入れて、これからも頑張ろうと思いました。
参考文献等
・Netflix「天才の頭の中:ビル・ゲイツを解読する」
・ダニエル・イクビア・スーザン L. ネッパー(1992)『マイクロソフトーソ
フトウェア帝国誕生の奇跡』株式会社アスキー
・デイビッド・ヨッフィー、マイケル・クスマノ(2016)『ストラテジー・
ルールズ-STRATEGY RULES』パブラボ
・マイケル・クスマノ、デイビッド・ヨッフィー(1999)『食うか食われる
か ネットスケープvs.マイクロソフト』毎日新聞社
・マルコ・イアンシティ、ロイ・レビーン(2007)『キーストーン戦略ーイ
ノベーションを持続させるビジネス・エコシステム』翔泳社
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