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国家と家族の形はいろいろですね

社会制度は、その国の国民性を色濃く反映します。

やや乱暴に素描するなら、アメリカは弱肉強食。
勝者には楽園ですが、敗者に厳しい社会です。
一方、デンマークやフィンランドの北欧諸国は、手厚い失業保険で敗者にチャンスを与える代わりに、勝者に重い税金を課します。
「そんなことをしたら、一所懸命に働くのがバカバカしくなるじゃん」というのは、弱肉強食の論理で見るから。
もちろん、不満が皆無ではないはずですが、とにもかくにも、北欧の人たちはそうした『調整』を好んでいるわけです。

そして、日本の場合は、両者の中間あたりでしょうか。
今ではややアメリカ寄りになっていますが、それは長年、国家が担うべき役割を会社や家族に求めていたところ、そのセーフティーネットがほころんでしまったためと言えます。
かつての日本企業が尊んだ『家族的な経営』文化は希薄になっていますし、そもそも『家族』という集団のイメージ自体が解体されつつあります。

ともあれ、それを必要以上に嘆く必要もありません。
集団のあり方は、時代によってうつり変わるからです。
家族の形は変わっても、人が人とつながりたいと思う気持ちは普遍。
今では、さまざまな擬似家族が生まれつつありますよね。


そんなことを思いながら検索をかけてみたら、ヴィスコンティの映画『家族の肖像』の予告が出てきました。
懐かしいなぁ 😊


この映画は、アメリカのアクション俳優だったバート・ランカスターにイタリア貴族の大学教授役をやらせるという、それこそアクロバティックな配役で話題になりました。
そこに、ヘルムート・バーガーやシルヴァーナ・マンガーノといった、ヴィスコンティお気に入りの俳優たちが加わって、擬似家族を形成します。

そして、撮影が行われた場所は、マリオ・プラーツという美術史家の邸宅。
壁にかかっている『家族の肖像』は本物の古典絵画です 😊
それらの多くは、17〜18世紀のイギリスで描かれ、『記念撮影』の原型になりました。
みんながそろった時に写真を撮る習慣って、イギリスの貴族文化が発祥なんですね。

代表的な『家族の肖像』


さてさて、これからの時代の『家族の肖像』はどんな形になっていくのでしょう。
ペットやAIもふくまれていきそうですね ❣️

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