処方屋~心のゴミ出し手伝います~ vol.3 対人恐怖の女
今日は、処方さんのカウンセリングルームに初出勤。
処方さんからの勤務条件は、私が来られる時にカウンセリングルームに来ればいいと。
つまり、勤務時間は決まっておらず、自由に出勤していいらしい。
私は、小学生の子どもが二人いるので、勤務日も勤務時間も決まっていないのはとてもありがたい。
時給も、専業主婦のアルバイトにしたら破格の金額。
こんな条件があるだろうかというくらい、厚待遇である。
処方さん、案外いい人なのかも。
ただ、
・睡眠はできるだけ9時間はとること
・あまり人混みには行かないこと
・できるだけ家でのんびりすること
と、念を押された。
どうやら、私にゴミが蓄積することを避ける為のようだ。
私にゴミが蓄積すると、カウンセリングルームにゴミを持ち込むことになるので、それは避けて欲しいと。
つまりは、処方さんが言ったことを守ることは、ゴミ出しに繋がるということだ。
しかし私は「なるべく心がけるが、守れないこともある」と伝えると、
「できるだけでかまわない」と言われた。
現実的ではないような事を言っているなと感じたが、
もともと人混みは好きでなし、家にいるのが好きなので、積極的には人混みの中には行かない。用事がある時は致し方ないが。
睡眠時間は、いくら私がグータラ主婦とはいえ、9時間確保は難しい。
ただ、寝るのは好きだ。
夜は22時近くなると眠くなるので、就寝時間は早い方だと思う。
だから、9時間とまではいかなくとも、わりと睡眠はとっている。
難しいような、難しくないような、だけど私にはむしろ嬉しい環境である。
処方さんのカウンセリングルームに到着した。
自動で扉が開く。
「処方さん、おはようございます」
いつものように返事はない。
引き戸を開けると、処方さんがソファーに座っていた。
「よくいらっしゃいましたね」
「今日から、よろしくお願いします」
「さっそくですが、今からクライアントが来ます」
「はい。私は玄関で待っていればよろしいでしょうか」
「よろしくお願いします」
私は荷物をクローゼットに入れ、玄関に向かった。
どんなクライアントさんが来るのかドキドキする。
でも、処方さんが今日はどんなゴミ出しをするのかと思うと、胸が高鳴る。
処方さんのゴミ出しは、クライアントの脳と心をコンフォートゾーンから引き離す。
クライアントの誰もが、「カウンセリング」の名のもとに優しい言葉を期待する。
しかし、処方さんはそれを裏切る。
クライアントさんが来るのを待っていると、扉の向こう側に人の気配を感じた。
私は、玄関の扉を開けようと鍵を指で回して扉を開けた。
ヒーッ!
かろうじて声に出さなかったが、私は心の中で悲鳴を上げてしまった。
言ってはいけないが、扉の向こうにいた女性は不気味だった。
長い髪で顔を隠すようにうつむいていて、震えるように立っていた。
しかも扉からだいぶ離れて立っている。
できるだけ自分の存在を消すような、消え入りそうな弱々しい姿に見えた。
扉との距離感、そして女性のただならぬ暗い風貌に、私は驚いたのだ。
あー、ビックリした…
声をかけてもいいだろうか。
いや、私から声をかけるべきだろう。
私は声をふり絞るように「カウンセリングルームにご予約の方でしょうか?」と問いかけた。
女性の緊張が伝わってきて、私の声は裏返ってしまった。
私の声が裏返ったことで、女性はさらに緊張が増したのか
「は、はい…はい…予約、予約した者です」とうわずったように返答した。
私は深呼吸し、玄関の中に招き入れ、ソファーに案内した。
女性はソファーに座ったが、うつむいたまま。
手元は震え、足はつま先を床に強く押しつけ、震える体をつま先で支えているようだった。
処方さん、いないし…
処方さんは、この前もそうだったが、クライアントがカウンセリングルームに入る時にはいなくなる。
このクライアントの二人きりの時は、何とも言えないそわそわ感がある。
しかも、今日のクライアントさんにはどうしたら良いか、いっそう戸惑う。
私は自分のイスに座り、この沈黙に焦りを募らせていた。
どれくらいの時間が過ぎただろう。
1分がものすごく長く感じるこの沈黙。
さほど時間は立っていないと思うが、気の遠くなる長さに感じた。
すると、カウンセリングルームの奥の部屋から処方さんが出てきた。
やっと沈黙の時間が終わったかと安堵したとともに、処方さんが天使のように感じた。
…いやいや待て。
処方さんがいなくなったせいで、この沈黙が訪れたのだ。
処方さんは天使でもなんでもない。
私は一人で首を横に振って、処方さんの天使姿を打ち消した。
「よくいらっしゃいましたね」
処方さんがソファーに座って、ゆっくり口を開いた。
女性はうつむいたまま、右手を左手でギュッと握って「よ、よろしくお願いします」と声をふり絞った。
「さて、まずは今日のお代をお支払いください」と処方さんが言う。
女性は、震えた手でバッグから財布を取り出し、ぎこちなく5万円をテーブルに置いた。
処方さんは私に、お金を受け取りなさいという目くばせをした。
私はテーブルに置かれた札の枚数をおそるおそる数え「たしかに5万円受け取りました」と言い、テーブルを離れ、食器棚の方にある箱の中にとりあえず閉まった。
私がイスに戻ると、処方さんが「それで、ご用件はなんでしょう?」と女性に質問した。
女性の手には力が入る。
「・・・」
女性はうつむいたまま震えている。
「ゆっくりどうぞ」と処方さん。
処方さんは、女性が話始めるのを待つ。
沈黙の我慢比べのようだ。
女性はうつむいたまま、処方さんは女性の手を凝視したまま微動だにしない。
どちらも我慢強い。
その時、女性の握りこぶしに今日一番の力が入り
「あ、あの…」と女性が切り出した。
おー、話始めた!
止まった空気が動き始めたことへ、私は感動を覚えた。
「あ、あの…わ、わたし…ひとが…あの…ひとがこ、こわいんです」
やっと女性が言い終わった。
「わかりますよ」と処方さんが受け答えた。
???
処方さん、いつもと違う。
いつもなら、「人が怖いことが、何か問題ありますか?」と言ってるでしょ。
今日は違うパターン?
しかも「わかりますよ」って共感してるじゃない。
処方さんの予想外の受け答えに驚いたが、「な~んだ処方さんも共感できるのね」とおかしくなった。
「わ、わかりますか?」と、ずっとうつむいていた女性がパッと顔を上げた。
「はい、私も人が怖いですのであなたの気持ちがよくわかります。カウンセリングの時は特に怖いので、クライアントさんに会う前に毎回部屋に籠りますよ」
と、処方さんがにこやかに言った。
処方さんの発言が意外過ぎ。
処方さんは、「怖い物は何もない」という顔をしている。
だけど、処方さんもクライアントさんに会う時は怖いんだ。
だから、クライアントさんをお連れするといなくなってるのか。
私は、処方さんを少し理解できたようで嬉しくなった。
女性は、「あ、あの…わかってくれて嬉しいです」と、さっきよりも落ち着いた声で言った。
気のせいか、震えもなくなってきているような。
「ところで、人が怖いことで何か問題はありますか?」と処方さんがいつものように質問した。
やっぱり聞くんだ…
このセリフを聞きたかったような、聞きたくなかったような…複雑な気分。
問題があるから5万円も払って処方さんのところに来てるんでしょうが。
女性は、「も、問題?」と小さな声で聞き直した。
「はい、人が怖い事で何か困ることはありますか?」と処方さん。
「え、えーと。こ、困ることばかりです」と女性。
「例えば?」
「ひ、人と話ができなくて困っています」女性の声はとても小さい。
「僕と、こうして話せているじゃないですか」
「そ、それは処方さんだから…」消え入りそうな声。
「いいじゃないですか、僕だけでも話せる人がいれば」
「それはそうなんですが…」
「話せるのが僕一人では嫌ですか?」
「い、嫌じゃないです!」女性は大きな声で否定した。
小さかった女性の声が急に大きくなったのでビックリした。
処方さんはピクリともせず冷静に
「大丈夫ですよ。ここでは気を使わなくて結構です」
女性は我に戻った。
だけど、自分が受け入れられて安堵したのか、堰を切ったように声を出しはじめた。
「私、人の顔色をうかがってばかりなんです!
気を使っているつもりなのに、周りから感謝されず、受け入れられず、逆にウザがられてしまいます!
いつの間にか異物のように扱われて!
私がいると迷惑みたいで!
だから、消えた方がいいのかなって!」
今まで抑えていた訴えが噴出しているようだ。
ここでなら話せると思ったのだろう。
自分を異物として扱った人たちへの怒りと羞恥で、体中を震わせながら叫びに近い声で、処方さんにぶつける。
沸騰したように顔を真っ赤にして、苦しみを言葉にして吐き出している。
それなのに、処方さんは
「あ~、消えるのは自分でやらない方がいいです。
自分がやらなくても、自然が許さなければ、自然が消しますから」
と、あっけらかんと言う。
あんなに興奮していた女性は、処方さんとのあまりの温度差に拍子抜けしている。
ちょ、ちょっと~処方さん。
何を言ってるの。
クライアントさん、固まっているじゃない。
私、フォローした方がいいかな…と思った時
「あなたは今ここにいる。
たしかに私の目の前に存在しています。
だから、あなたは消えなくて大丈夫です」
と、処方さんが言った。
深く温かい波動を持った処方さんの声、不覚にも私の心にまで響き、涙が溢れてきた。
ぐゎんぐゎんと低く振動する声が、聞く人の心を直撃する。
心が振動する。そして心の振動が、全身に派生する。
鳥肌にも感じるその振動に私は耐えられるだろうか。
全身に伝わる振動は、涙として排泄するしか手段がないように思えた。
女性も肩を震わせている。
いつから人が怖くなったのかはわからないが、この女性の悲痛が振動と共に抜けていくような気がした。
「わ、わたし…い、いきていていいんですね」
「生きていていいとか、考えてもわからないことは、自然に任せた方がいいです。それにあなたは生きたいから、僕のところに来たんでしょう」
「は、はい」
「ならば、自分の存在価値なんて考えずに、『今』に集中することです」
うずくまるように女性は肩を震わせていた。
「潔白さん、紅茶を人数分入れてください」と処方さんが私に言う。
処方さんに言われた通り、紅茶を作りテーブルに出す。
「良かったら、お茶を飲んでください」
「あ、ありがとうございます」
みんなそれぞれにティーカップを持ち、紅茶を口に含む。
また沈黙。
だけど、先ほどの沈黙とは明らかに空気が違う。
女性は泣き疲れたのか、ボーっとしているように見える。
来た時は身体が硬直していたが、今は脱力しているような感じだ。
喉元でつかえていた感情が、よっぽど流れたのだろう。
女性の変化を感じ、私もリラックスしてきた。
さらに沈黙の時間が経った頃、女性がティーカップをテーブルに置いた。
そして話始めた。
「私、友だちがいないんです。学生の頃までは友だちがいたんです。その頃は、悩みを打ち明けたり、励まし合ったり…楽しかった。だからまたそんな存在に出会えたら嬉しいなと思っています」
「つまり、傷を舐合うう存在が欲しいということですか?
そもそも友だちってなんですか?」
処方さんの指摘に、女性は黙った。
そりゃ、黙ってしまうと思う。
処方さんが立ち上がり、ゆっくり話しはじめた。
「まず、前提が間違っています。
前提を共通認識しないと話が進まないので、今から説明します。
これからの数十年は、『白昼の世界の住人』と『黒夜の世界の住人』に分かれていきます。
今は両者がごちゃ混ぜになって関わり合っていますが、性質が真逆なのでこれからは交わらなくなってきます。
それぞれが生息する時空は実質同じですが、性質上、適した場所が違うので棲み分けが行われます。
ここまで理解いただけますか?」
『白昼の世界』という言葉は処方さんから聞いたけど、詳しく聞くのは初めてだ。
女性も初めて聞く話に戸惑いがあるだろうが、関心があるようでじっくり聞いている。
「大丈夫そうなので、続けます。
『白昼の世界の住人』はまだまだ少数派ですが、これから増えていきます。
逆に、『黒夜の世界の住人』は多数派ですが、これから減っていきます。
今の時代は、『白昼の世界の住人』と『黒夜の世界の住人』の人種の入れ替えが起きています」
なんと、人種の入れ替え!
スピリチュアルやSFチックな話に聞こえてくるが、処方さんの口ぶりは真剣だ。
きっとスピリチュアルやSFではなく、処方さんは現実的に話しているのが伝わってくる。
「今はまだ、『黒夜の世界の住人』が多数派なので、この世の中が『暗黒の世界』のルールで動いている。
『黒夜の世界の住人』にとっては心地いいが、『白昼の世界の住人』にとっては肩身の狭い居心地の悪い状態です。
そして、ほとんどの『白昼の世界の住人』は、自分の本質に気づかず『黒夜の世界の住人』として生きている人も多くいます。
本当の生き方に気づかずにいるので、その人たちは自分と社会の間に葛藤を持ちやすく苦しんでいる事が多い。
わかりますよね、あなたたちなら」
私たちは、処方さんの問いかけに頷いた。
わ、わかるその感覚。
感覚でしかないが、わかる。
「僕の役割は、『白昼の世界の住人』を『白昼の世界』にいざなうことです」
「処方さんは、『白昼の世界の住人』を救ってくれるのですか?」
処方さんの話をさえぎるように女性が質問した。
「勘違いしないでください。
救うなんて、そんなおせっかいはしません。
僕は『白昼の世界』に行きたい人だけが行けばいいと思っています。」
「私から見ると、処方さんは人を救っているように感じますが…」と私が言うと
「救う?僕は自分の役割の為だけに、ゴミ出しをしながらその人を見極めているだけです。」
処方さんはきっぱり否定した。
救われたと思うのは、処方さんのゴミ出しの副産物というだけのことか…
「話を戻しますが、『黒夜の世界の住人』と『白昼の世界の住人』が今は入り交じってカオスになっているのが今の時代の現状です。
ここからが今日の本題です。
あなたは『白昼の世界の住人』です。
だけど、周囲の人たちは『黒夜の世界の住人』。
性質が真逆なので、わかり合える訳がありません。
どんなにあなたが歩み寄ったところで無理です。
生きる環境が違うんです。
淡水魚は海水では生きらないのと一緒。
あなたは先ほど異物のように扱われるとおっしゃっていましたが、その通り異物です。
本来なら、性質が違う者同士は出会わないようになっているのですが、今の時代はまだしかたないでしょう。
しかし、そろそろ、自分のあるべき世界で楽に生きたらいかがですか」
「私は…異物…」女性はうつむいた。
「そうです、異物です。『黒夜の世界』の中で生きる以上は、どんなにもがいても異物です」
処方さんが追い打ちをかけるように言う。
すると女性がつぶやく。
「異物…わかります。異物のように扱われるのは辛かったけど、異物だということは薄々気づいていました。
だけど、認めたくなかった…
なんでみんな私を受け入れてくれないんだろう。
なんで?なんで?と誰かのせいにするうちに対人恐怖に陥っていきました。」
「対人恐怖、けっこうなことじゃないですか。
今の時代は、『白昼の世界の住人』にとっては対人恐怖が正常なくらいです。」
「え、そうなんですか?」
「そうですよ。」処方さんは当たり前のようにいった。
その処方さんの表情を見て、女性は笑顔になった。
とてもキレイ。
「あ、そうそう。
ここにいる潔白さんも、あなたと同じ異物です。
異物はあなた一人ではありませんから、安心してください。」
女性はケラケラ笑った。
泣きながら笑っている。
処方さんに異物と言われたのは心外だが、女性がこんなに泣き笑いしているなら「まあ、いいか」と思った。
「それに、潔白さんは友だちもいませんから」
「な、なんでそれを知ってるんですか⁈」私はピクリと反応した。
どうせ私は、異物だし友だちもいませんよ~と拗ねた。
その姿に、女性の笑いは止まらない。
「それが正常ですから、2人とも安心して楽に生きてください」
女性が落ち着きを取り戻すと、見違えるようにすっきりした顔になっていた。
処方さんが女性を見ながら
「えーと…あなたのことは【ほがらかさん】と呼びましょう」
「ほがらかって…私はほがらかとかけ離れています…」女性は困惑した。
「ほがらかですよ。こんなに笑って、重い空気を変えたじゃないですか」
それを聞いて、女性は照れたように笑った。
そして、荷物を手にして玄関へ向った。
玄関のカギと扉が自動で開き、女性は手を振りながら軽くおじぎをして帰っていった。
「ほがらかさん、元気になって良かったですね」私が処方さんに言う。
「何でも考え方しだいです」と、処方さん。
「ところで、処方さんも人が怖いんですね!」ニヤニヤしながら私が言うと
「はい?誰が人が怖いって?」と処方さんが怪訝そうな顔をした。
「だって、処方さんが言ってたじゃないですか。ほがらかさんに」
「あ、あれですね。あのように言った方が和らぐじゃないですか…」
処方さんの歯ぎれが急に悪くなった。
ははぁ、ごまかしてるな。
私は、処方さんの弱みを握ったようで優越感を覚えたので
「怖くないなら、クライアントさんが来たらすぐに対応してくださいね」とからかってみた。
「潔白さんも、クライアントさんとの沈黙を少しは楽しんだらどうですか?」
「処方さんがいなくならなければいいだけです」
言い返すと、処方さんが黙った。
もうこれ以上の追及はやめておこう。
後から何倍にもなって返ってきそうだ。
ー数か月後ー
「処方さん、ほがらかさんから手紙が届いていますよ!」
「そうですか、読んでみてください」
あれから、ほがらかさんは働いていた会社を辞めたそうだ。
会社を辞めてからは組織に属さず、手芸の仕事を始めたらしい。
小さい頃からミシンで物を作るのが好きだったことを思い出し、ミシンをいじってみたら幸せがこみ上げてきたと。
布バッグなど、布製品の制作代行の募集をSNSでしてみたら、依頼がたくさんきたという。
出来栄えに定評がある為、口コミでも依頼が途切れない。
会社勤めの時より生活が楽になって、毎日幸せな気持ちがこみ上げてくるそうだ。
カウンセリングルームに来る前には考えてもいなかった人生を見つけ、処方さんと話して良かったと。
私にも、「あの時一緒に沈黙してくれてありがとう」とつけ加えてあった。
ほがらかさん、良かった~
処方さんも、心なし機嫌が良さそうだ。
「良かったですね」と私が言うと
「『白昼の世界の住人』になるのを選んだのは、彼女自身です。それに、結果は良いに決まってるんです」
と、処方さんはほほ笑んだ。
なーんだ、こんな顔もするんだ。
私は処方さんの顔を見て嬉しくなった。
(処方屋vol.3 対人恐怖の女 終わり)
【筆者より】
読んでいただき、ありがとうございます。
読者の皆様へ、少しだけ解説をしたいと思います。
このお話の中で、処方がほがらかさんに向けて次のように言っています。
「あ~、消えるのは自分でやらない方がいいです。
自分がやらなくても、自然が許さなければ、自然が消しますから」
この「自然に消される」というのは、天縄文理論の中核を成す考え方です。
小山内洋子さんは「自然」について以下のように言っています。
「自然の愛は人を生かそうとする。だから、人に幸せになってもらう為に、あらゆる方法で気づきを与える。だけど、それを無視したり、人のせいにし続けると、自然に見放されてしまう。自然が見放すと死が訪れます」
また、
「生まれてくるのは自分で決めて生まれてくるけど、死ぬ時は自分では選べない。自然が決める」このようにも言っています。
人の死は、自分のコントロールできない次元にあるということです。
ここでは、人の死にフォーカスをしましたが、私たちの行動そのものが自然によってもたらされています。
また、洞察帝王学で落合莞爾先生も「自然」にしかできないコントロールについても、幾度となく触れております。
私たち人間は、自然界の一部であるということを、改めて考えさせられますね。
以下の部分も、天縄文理論の中核の考え方となります。
・睡眠はできるだけ9時間はとること
・あまり人混みには行かないこと
・できるだけ家でのんびりすること
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