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#15 優しい人たちの店

私たち夫婦は名探偵コナンが大好きだ。
新作映画が公開されたときには、私は有休を使って、初日に劇場へと足を運ぶ。
夫は今年は観に行く事ができずに、DVDレンタルを待っていた。11月末からレンタルが開始され、先週の土曜日、やっとツタヤに行くことができた。
アプリで在庫を確認し、夫のために、いざ最寄りの店舗へ。

が、しかし、ない。棚のケースはすべて空っぽ。貸し出し中である。
店舗に設置されている、在庫検索機によると、在庫ありになっている。
あきらめきれずに、近くのスタッフさんにおたずねしたところ、インカムですぐにカウンターに問い合わせてくれた。
「棚になかったら在庫はございませんね」と言われたら、もう帰ろうと思っていたので、問い合わせてくださったことに、まず感謝。優しい。

「たったいま最後の一枚をレンタルされた方がいらしたようで、検索機は在庫ありなのに、在庫がないという状況です。申し訳ございません。」とのこと。
もう十分である。礼を述べ、帰る前に絵本のコーナーを娘とぶらつく。

15分ほどたっただろうか。先ほどの店員さんが遠くから私に手をふりながら走って来た。
手にはコナンの新作のDVD。

「たったいま、返しにこられたお客様がいまして!もしかしたらまだいらっしゃるかと思って!よかったです!」
と。
驚いた。
大型店舗だし棚だらけの店内で、私たちを見つけるのはひと苦労だったと思う。
私は常連でもないし、クレーマーでもない。
忙しいであろう週末の昼間に、ここまで思いやりのある接客をしていただけるものなのか。
そのスタッフさんだけではない。カウンターにいる方がわざわざお知らせしてくれた結果である。
素晴らしいチームワーク・・・!
これがサービス精神・・・!

嬉しかった。
世の中捨てたもんじゃないな、って思った。
ささいな出来事かもしれないが、今日のことは忘れないだろう。

その日の夜、店舗へのご意見フォームから、感謝の思いを送った。
クレームを書き込むようなところだ。
あの優しいスタッフさんたちに届くことを信じて。

あの優しかったお店のかたたちになにかいいことがありますようにと願った。

優しくしてもらったから、その日は家族に優しくできたような気がする。
優しいの輪は広まるのだ。


本日はこれにて。








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