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中小企業診断士試験2023 Fin.

仙台は思っていたよりあたたかった。東口には横丁ができていた。あれ、8月あったっけ?試験前はホテルと会場の往復、駅前での食事、全身試験まみれのため、街の変化にはあまり気づかない。
ホテルは以前からよく利用するところを予約した。そう十分寝るためだ。8月よりは涼しいし、今回は寝れるべ。万全を期して前々泊からの2泊。金曜には仙台に向かった。大丈夫だ。
早めの夕食を取り、いつも通りベッドに入った。この日はよく眠れた。そして試験前日。ホテルから試験会場まで歩いて下見。15分ほどか。その後、試験時間に合わせ、過去問にあたる。ファイナルシートにも目を通し最終確認。よし、これでいい。あとは寝るたけだ。いつも通り夕食をとり、湯船に浸かり、ベッドに入った。ところが、今回もまた、である。今度は部屋が暑すぎた。自動空調でコントロールできない。冷房つけるのも気が引けた。フロントから薄手の毛布を借り、いいイメージを思い浮かべながらうとうと朝まで過ごした。

さて試験当日。いつも通り5時には起き、コーヒー、日記、準備、朝食と日頃のルーティンをこなす。大丈夫だ。懸念していた雨は降らず、予定通り歩いて会場に向かった。試験のことだけを考えていた。眠れなったことはもう忘れていた。
会場に着いた。ようやくここまで来た。去年までここに来れなかったんだよな。早速自分の机に向かい道具一式を出す。定規、電卓、マーカー。会場は天井が高すぎず低すぎずちょうどいい。空調も気にならない。受験者は男性が9割以上か。思ったより試験場の人は多いかな。1次試験の最初の2科目前よりは緊張していない。直前までファイナルシートに目を通し続けた。

試験会場

チーン。と始めのベルがなる。一斉に問題用紙を開く音がした。辺りの記憶があったのはここまでだ。

目標はすべて70点。これだとどれかの科目が失敗しても他で十分カバーできる。たとえ事例Ⅳが失敗しても、Ⅰ~Ⅲは調子が良ければいけるはずだ。
2次試験の大原則の1つは、強み(S)を機会(O)に活かし、弱み(W)を克服し、脅威(T)を避ける、だ。ここ数年の設問の傾向としてはSWOT分析から始まり、弱みをどう克服して成長戦略を描くかの「助言」系が問われている。今回も助言系の設問が多かった。助言系は、因果関係を明確にして効果で終わるのが型だ。

正直2次試験の80分をどう過ごしたのかはあまり覚えていない。覚えているのは、①与件文が長くて時間に余裕がなかった、②事例ごとの設問の線引きがあいまいに思えて何を書くか迷った。③事例Ⅳは思っていた以上には書けた。(空欄もあるし出来たわけではない)くらいである。とにかく解答用紙を埋めよう。ひたすら①与件文のキーワードを使う、②社長のオモイに寄り添う、③SWOTのS×Oを繰り返し頭の中で唱え、そして書いた。

『ふぞろい』にもあるように合格する人は、試験後どの設問をどう考えどんな答えを導きだしたかを覚えており、そのプロセスや再現答案を書けている。だけど今の自分の実力ではそれをすることが出来ない。正直、実力は足りていなかったと思う。

事例Ⅰは「組織・人事」。タイムマネジメントを意識しながら、問題用紙をメモ用に切り取り、設問文から読み始める。設問解釈が終わり与件文の読み込みに入った。ここまでまだ余裕があった。ところが今年の与件文は長かった。あれ?長い。読み終えるまでには時間がかかった。そのため時間の余裕がなくなった。タイムマネジメントどころではない。とにかく埋めよう。型を意識しながら与件文のキーワードと因果関係、そしてその効果をメモにとり解答骨子を作る。あとは感覚で制限文字数、100文字なら100文字を書く。解きやすい設問からひたすら書く。ようやく書き終えようとしていたその時、監督員から5分前の合図があった。はやっ。

事例ⅡもⅢもこんな感じだった。正直何をどう書いたのか覚えていない。それでもⅠとⅡは9割方、Ⅲは8割方埋めた。与件文を素直に読み、社長の気持ちに寄り添う助言。
得意?意識のある事例Ⅳだけは、NPVが時間切れで解けなった以外は優先順位をつけ解答をしタイムマネジメントが出来た。いや、時間切れだから厳密には出来ていない。ただ経営分析、損益分岐点、文章題など自分が出来る問題、書ける問題は確実に解答欄を埋めることは出来た。こんなに短い80分の連続は初めてだ。本当にアッという間の1日だった。

試験直後

全日本大学女子駅伝は名城大が7連覇を達成していた。

振り返っていま思うこと。
合格の可能性は10~20%だと思う。それも解答が再現できないので大まかな感覚でしかない。希望的なことでいうと①解答欄と埋めたので部分点がとれてるかも、②今年は難易度が上がったとも言われているため、部分点の積み重ねで上位18%に滑りこめれているかも、という2つである。試験が終わったという意味ではすっきりはしている。1月からよく続けてきたと思う。一方でもっと出来てもいいよなというモヤモヤ感は残っている。だからなのか、やり切った感はいまいちだ。

少し難しく考えすぎていたのかもしれない。
2次試験は解答を「考える」のではなく、「探す」のだと思う。解答を「考え」ているようでは時間が足りない。与件文と設問文は、パズルのようになっている。端子のオスとメスと言ってもいい。設問文で問われていることがメスだとすると、与件文の様々なキーワードはオス。「探す」とはその「オス」と「メス」の「組み合わせ方」だ。その組み合わせ方の因果関係を明確にして「効果」に結びつける。効果は与件文の「できていないこと」を「できる」ようにすればいい。あるいは「求められていること」を実行するだけだ。社長がどうしたいのかが「解答」の方向性だったり、あるべき姿だったりする。この大枠さえ捉えていればそんなに的外れな答えにはならないはずだ。もちろん型やフレームワークは解法のテクニックとしては覚えていたほうがいいが、あくまでも補助的なものなのかなと思う。
模範解答が発表されていないとか記述式だとかで必要以上に肩に力入れすぎていた。難しい時ほどシンプルに、だ。

試験後すぐにふじの収穫作業に向かった。今年は「さび」が多く、また色付きがぼやけているものが多い。春先の受粉時の強風や低温、また記録的な高温や、気温が下がらなったことが原因と言われている。見た目は確かにあまりよくないものが多いかもしれない。だけどね、それぞれ瑞々しくておいしんだよね。

【↓見た目は良くなくても、みずみずしさが溢れているもぎたてのりんご↓】

収穫作業ももうすぐ終わる。りんごの木は来年に向けすでに立派な花芽をつけている。ふと気が付くと辺り一面真っ白に染まる、寒く厳しい北国の冬ももうそこまで近づいていた。

りんごの花芽

発表までおよそ一か月。ゆぎつもっちゅうべが。あんまり大雪にならねばいいな。
(終)

試験前から2次試験が終わるまでたくさんの方から応援や励まし、そして労いの言葉を頂戴しました。嬉しいです。また多くの方に支えられて無事に試験を受けることが出来ました。本当にどうも有難うございました。

必ず恩送りして参ります。

感謝。
(完)

#中小企業診断士試験 #中小企業診断士受験生 #経営コンサルタント #どんまいよりナイストライ

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