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中小企業診断士試験2023 vol.3

試験当日。とにかく暑かった。仙台の最高気温は35.7℃。街中は七夕がなびいていた。
勝負はとにかく最初の経済学と財務会計。この2科目で赤点さえとらなければ受かる。いきなり全力集中である。昨年は財務会計の計算が合わずパニックになって大失敗した。そこで今年は時間がかかりそうな計算問題は飛ばして最後にやる、考えてもわからなそうな、迷いそうな設問は完全に直観で塗る。確実に出来る問題から丁寧に解いていった。徹底した。その2科目は今回も実にハードだった。正誤の組み合わせの5択だったり、公式を組み合わせての計算問題だったり。脳みそが汗かいているのがわかる。アドレナリン全放出。自分にとってはこの2科目はどうも性に合わない。(笑)自分では理屈っぽいところがある人間だと思っていたが、周囲の人からは、よく感性の人間、右脳型の人間だよねと言われることが多い。確かにりんご畑に出るようになって、感性が磨かれた感は自分でも感じている。例えばご飯の品種が変わると気づき母に驚かれた。青空の下で生身の人間が働いていると生存本能から危機管理能力が磨かれるのかもしれない。たぶん、わぁ(自分)は感性が優った人間なんだべな。

最重要2科目が終わった。パニックにならずに済んだ。どうなんだべ。凌ぎきってるはず、40点はいってるべ。寝なくてもなんとかなってるべさ(笑)試験後はできた感触もできなかった感触もなかったが、ひとまずホッとはしていた。
残り3科目。平均点の上澄みを目指してとにかく取れるだけとる。あれだけやってきたんだ。間違いなく取れる。休憩時間、チョコを食べたりガムを噛んだりリラックスに努める。そして緩めた神経を再び研ぎ澄ましていく。
3科目目は企業経営理論。得意意識のある科目。1年目は合格、昨年は1点足りず。今年は最低でも70点。意気込みながら、それでいて肩の力を抜きながら、自然体を意識しながら臨む。昨年よりは難易度下がった、これならいけるという手ごたえを感じなら無事に終えた。
文字通り暑い熱い初日を終えホテルに戻った。大失敗はしていないはずだ。経済学、財務会計がどこまで出来ているかだべな。気持ちを切り替え、2日目、残り2科目の総点検に取り掛かった。残りは法務と中小企業政策。大きな法改正はないし、あってもできる人は少ないはずだ。中小企業白書にも目を通して傾向を掴んだし、試験に出そうな補助金関係も要件は理解している。大丈夫だ。

ぐったりしつつも頭が冴えつつ夕食をとる。さすがに今日は寝れるべと湯船につかりながら緊張を解す。クールダウン。気分転換も兼ねSNSを立ち上げる。友人のたくさんのコメントに励まされる。ありがたいな。早めにベッドに入る。ところがまた眠れない。今日もかよとつぶやく(笑)。もはや慣れたものだ。寝れたらラッキーくらいのイメージで瞼を閉じ、横になり体と頭をゆっくりゆっくり休めた。

2日目の朝。4時過ぎには目が覚めた。外はすでにほんのり明るい。月がまだ照っている。すでに暑い。今日は1限目の法務と3限目の中小企業政策の2科目。科目免除した2限目の情報システムの時間はホテルに戻り復習だな。ここまでは去年と比べると上出来だべ。あと2科目、必ず受かる、普段通り、肩の力を抜いて、7割できればでいいんだはんで、と自分に何度も言い聞かせる。洗面から朝食、会場までの道のり。ルーティン通りに行った。寝れてないけどなんとかなるべ。
残りの2科目。難易度は下がってる、これなら大丈夫だ、マークシートの間違えがないよう丁寧に塗りつぶしていく。少なくも60点+αは取れている。そんな手ごたえだった。終わった。大丈夫だ。最悪、最初の2科目が合格ライン超えていなくても、残り3科目でカバーできているはずだ。今年は大丈夫だ。やっと終わった。

6周した過去マス財務会計

試験後、ビジネスパートナーでもあり、受験生仲間でもある友人との打ち上げ。やり切った感と解放感と充実感に満たされながらうまい杯を傾ける。頭の片隅にはぼんやりと2次試験がちらついていた。心地よく翌朝を迎えた。

久々に寝た(笑)。昼過ぎには各予備校や協会から模範解答が発表されていた。9割自信、1割不安。帰りの移動中に自己採点。結果、5科目すべてで合格ラインを超えていた。懸念されていた最初の2科目も60点は取れていた。最後まで迷った設問の2、3問がすべて当たっていた。ラッキーだった。そして他の残り3科目はすべて70点以上だ。よほどの大きなミスがない限り受かっている。きっと大丈夫だ。漸くここまで来た。7科目理解度ゼロの状態からよくここまでたどり着いたよ。続けてきて良かった。自分を褒め、そして労った。すぐに2次試験の勉強始めるべ。

青森に戻った。とにかく暑かった。暑いなぁ。世の中はお盆休みを迎えようとしていた。自分が暑いのも気温のせいだと思っていた。ところがいつもと感覚が違う気もする。なんとなく体がだるい。おかしいな。念のため体温計で熱を計った。38.9℃。あれ?気温?わぁ(自分)だが?ん?3回計った。3回目は39.1℃。ようやく気温ではなく体温だと理解した。どうせ上がったなら気温に負けるな!数字を上げることに夢中になっていたからだびょん、少しおかしくなっている自分に思わず笑った(笑) 

1次試験で使用したテキストと問題集

無事に熱も下がりお盆も明けた。りんご畑では早くも収穫作業の準備が始まった。今年は記録的な暑さで、早生種(8月末頃から収穫する品種)は色付きが良くない。日焼けも多かった。日焼けしたりんごはいわゆるジャム用としての価値しかなく、低価格で取引される。程度がひどいものはそのまま廃棄される。

2次試験は10月29日。残り3か月弱。年初3か月取り組んだが全く分かった気がしない。自分が前に進んでいるようにも思えなかった。出来るようになる感触も全くない。財務会計なんて一体どうするよ。1次試験は択一式だはんで何とかなったけど、2次は論述式だはんでごまかしきがねしな。だけど、やらないことには次に進まない。1次試験もできるようになったはんでなんとかなるね、と弱気な自分と楽観的な自分を見つめながら再び2次試験の勉強に取り掛かった。
相変わらず暑い日が続いている。電気代が上がり家計や企業の光熱費の負担が大きいと連日報道もされている。我が家も例外ではなく朝から晩までエアコンをつける毎日。エアコン代馬鹿にならないだろうな。自宅の勉強部屋は西日がよくあたりエアコンをつけてもなかなか涼しくならない。だからか勉強にもあまり集中できない。うーん。良い方法はないか。せばだば、図書館さ行ってみるがな。涼しいし集中できるべ。図書館で勉強するのは大学浪人時代以来か。夏休みの宿題や受験勉強をしていると思われる小中高校生に混じり、若干場違いなおじさんが、時にひっそり唸り声をあげ、ひたすら過去問と向かい合っていた。

快適な図書館

2次試験対策について。過去問はプリントアウト。解答用紙にはマス目ノートに設問の文字数に合わせ線を引く。本番の形式に慣れておくためだ。財務・会計については、過去問に加え、相も変わらず『事例Ⅳ全ノウ』を繰り返していた。

2次試験の情報を検索すると様々なキーワードがでてくる。与件文に答えは書いてある、設問解釈が大切、2次試験は国語の問題、タイムマネジメントが重要、型に当てはめる、フレームワーク、社長の気持ちに寄り添う等々。なんとなくイメージはつくが、それを試験でどう使うかが果たしてわからない。そんな状態のままとにかく設問文にある文字数を書くことにこだわった。1題解くのに80分、答え合わせに3時間以上。あまりの書けなさにつくづく自分が嫌になった、財務会計はいつになったら解けるのか全く見当すらつかない。そんな答えのない答え探しを続けていた。

解答欄を文字で埋めるという「作業」を繰り返しながら過去問5年分を終えた。すると「型」の意味が少しずつ分かってきたように感じた。例えば100字で書く場合。問われていることに対して1文30文字が3つ。配点が20点の場合、1文6、7点か。キーワードを2~4つ入れる。設問で「助言」を問われている場合、そのキーワードの因果関係を明確にして効果でまとめる。キーワードの羅列だけでは得点は伸びない。やっとわかってきた、かも。
よし、9月は「型」に慣れる集中月間にしよう。その型を自分なりにまとめ、ファイナルシートにしよう。そうだ。『全ノウ』には「想定問答集」という『型』のコーナーがある。『型』を紹介し、有料で販売している動画サイトもある。とにかく『型』に慣れよう。事例Ⅳは型の他に『事例Ⅳ全ノウ』を繰り返し繰り返し解いていこう。やることは決めた。あとはやるだけだ。
りんご畑では早くも早生種の収穫が終わり、葉とりやツル回しなど秋の収穫に向け繁忙期に入りつつあった。青森県では39.3℃と観測史上最高気温を記録する、暑いアツい熱い8月になった。
9月に入った。相変わらず暑い日々が続いていた。そして1次試験の合格発表を迎えた。

暑い暑いりんご畑

(続)

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