普通に遊べて面白いのに売り上げが伸びないスマホゲーム、ラピスリライツについて考察してみる

本日は早速ですが、こちらのゲームについて紹介いたします。

こちらは「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」の開発元でもあるKlabGamesが、中国の盛趣遊戯と共同で開発し、12月14日に配信開始したスマホゲームです。

また、2020年7月にはテレビアニメなども放送され、一定の層にコンテンツの認知度をあげることにも成功し、本来はその流れでスマホアプリをリリース予定だったものの、中国のベータテストの状況からクオリティアップのために配信時期を後倒しにしたという経緯があるなかなか開発元の肝が据わっている作品でもあります。

アニメ配信後も定期的にキャラの声優を呼んだYouTube配信なども行っており、私も個人的にTwitterで公式のフォロワーになったり、密かにリリースされるのを心待ちにしていたゲームの1つでした。

アプリ配信後、実際に遊んでみましたが、バグや不具合なども多少ありますが、全体的にハイクオリティでコンテンツのファンとしては大きな不満はない出来となっています。

しかし、多額の開発費を用いて作成されていることは明らかであるにも関わらず、初月の売り上げがセルラン200位以内にも入らないなど現状、売り上げがかなり悲惨なことになっています。

なぜこのような結果になってしまったのか、私なりに分析してみましたのでここに記載したいと思います。

原因は大きく以下の3点かなと私は分析しています。

・圧倒的に宣伝が不足している状態で急に配信日発表、24時間以内にリリースしたマーケティングによるミス。

・PCが男性教師としてシナリオに登場することによる違和感を払拭することの失敗。

・プレイヤーがやるべきことに区切りがつけにくく、最終的にいかに効率的に戦力をあげるのかに終始するのでユーザーの行動が実質限られてくる。

では、1つずつ解説していきたいと思います。

まず1つ目に関してですが、それこそこのゲームについて取り上げる人は大体言及していますが、2022/1/10の現時点でこのゲームそのものの認知度が驚くほど低いです。

これは決してコンテンツそのものに魅力がないわけではありません。

現代社会は良くも悪くも娯楽に満ちあふれており、少しスマホで検索すれば自分に合った面白いコンテンツに触ることが可能なので、普通の人はわざわざ新しいコンテンツを探して取り入れる必要性があまりないんです。それこそ同じ美少女キャラを取り扱うスマホゲームといえば昨年大きな話題となったウマ娘などもあるわけですし、同じアイドルゲームならそれこそ「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」や「アイドルマスターシンデレラガールズ」もありますし。

だからこそ、重要になるのはイノベーター理論におけるアーリーアダプター層(初期採用層。流行に敏感で、自ら情報収集を行い判断する層)にいかに働きかけるかということになるわけです。

例えば、リリースまであと○○日。抽選で100名にAppleStoreギフトカードがもらえるリツートキャンペーンを実施する、有名絵師にキャライラストの作成を依頼し、リリース前のカウントダウン形式で毎日投稿する。キャラや世界観設定に興味を持っていただくために公式で4コマ漫画を作成し、発信するなど。

私が軽く思いつくだけでもこれだけあります。こういったことをすれば、アーリーアダプター層が食いつく材料になったと思うんですけどね・・・。(ちなみに有名絵師のキャライラストについてはなぜかリリース後に公式でやってました。いろいろタイミング遅いよなぁと思いながら見てましたが。)

一応、アプリのリリース配信記念にアニメを期間限定無料視聴できるようにしたり、ゲームのキャラが公式でVtuberになるコンテンツを配信するなど公式もまったく何もしていないわけではありませんが、何というか全体的に、広く一般層を取り込むため、ではなく、元からコンテンツをある程度好きな人の満足度を上げることが目的になってる感があってちょっともったいないんですよね・・・。

次に2点目ですが、PCが男性教師固定となっていた件についてですが、これについてはSNSやブログなどでリリース直後に女性を選択できないことについて取り上げられており軽く炎上していました。

これに関しては実は私もちょっと思うところがあります。

ただし、ポイントは「男性」の部分ではなく、「教師」というところです。このゲームのシナリオやコミュニケーション内容ならPCを「学生」にした方が活きるのにな、という感じです。

このゲーム、女性キャラ(学生)から主人公(男性教師)への好感度が最初から異様に高いなというのもすごく感じるんですが、あからさまに恋愛感情向けているキャラが相当数いるんですよね。

恋愛って対等な立場にいる者同士でなりたってこそ初めて意味をなすものだと私は思っていて、教師と生徒のような関係って上下関係にあるし、純粋に男目線で楽しむにしても「目上の人に対する尊敬の念」と「異性に対する恋愛感情」の区別がつけにくいですし、何だかなーって思うんですよね。

そのあたりはテキストの問題かもしれないですが、主人公を学生にして主人公への呼び名を調整するだけでも炎上とかも防げたような気がします。

そして、最後に3点目ですが、この内容だけ見るとゲームとして致命的で面白くないのではないかと思われるかもしれませんが、ゲーム性は高く非常に楽しめるのであえてここで強調しておきます。

そのうえでですが、このゲームはストーリーだったり、コンテンツだったりを解放するためには味方キャラのレベルを上げて設けられているステージをクリアして、ストーリーを進めていく必要があります。このために結構労力が必要になるわけでして・・・。

そのためには強いとされる高レアリティのキャラを揃えて、そのキャラクターの武器育成やユニットの能力解放を行ないつつ、総合魔女力の高いフレンドの力を借りながら進めることになりますが、一体あたりの育成に先が見えず、結構きついです。

リリース時点でストーリーがかなり先まで用意されているのは良い点でもあるとは思いますが、後半になるにしたがってゲームバランスがかなり厳しくなってくるので、愛着のあるキャラかどうかはおいておいて、そのためだけにひたすら攻略に役立つキャラの育成だけ進めるのはただの作業が必要になり、正直精神的にきついです。

もともとかなり歯ごたえのあるゲーム性ということもあり、後半になるにしたがって1ステージをクリアするために10~15分かかることもざらにありますし、俗にいうライト層には継続しにくいだろうなと言う気がします。

新年明けにアンケートにも回答はしているのですが、もうちょい全体的に戦闘難易度を全体的に下げて良いかなと心から思います。

それこそ、本ゲームが参考にしているであろう「プリンセスコネクト!Re:Dive」は難易度をあえて下げて、リリース直後数か月くらいは少しレベルをあげれば、コンテンツ解放やストーリーは全部確認できるようにしていたと記憶しています。

エンドコンテンツの1つにユニットクエストによる祝紋マラソンもあるので、高難易度ステージはそこに限定させておいた方が良かっただろうになというのが私の率直な感想です。

最後に

私はこのゲームというか、ラピスリライツというコンテンツを結構気に入っていて、長く大事に楽しんでいきたいなと思ってます。

それこそリリース後の期間あたりの課金額だけでいえばあの「ウマ娘」も超えています。

ただ、現状の売り上げや話題性のなさ、そういった事情を考えると正直、今年いっぱいサービス継続できるかが怪しいと思ってます。

12月時点では日本市場がいまいちでも、中国市場で当たればワンチャンスあるという話もありますが、以下の記事にあるようにゲームへの締め付けが厳しい中国で開発費を回収できるかとなると相当厳しいでしょう。

あと、このラピスリライツってKADOKAWAも絡んでるじゃないですか。

直近の話ではないにしろ、そのKADOKAWAが開発したブラウザゲームで「エンゲージプリンセス」あるんです・・・。約半年でサービス終了した、あのある意味有名な。私、何かすごく既視感があるんですよ。悲しいことに。

出来ることなら、長く楽しみたいコンテンツですし、実際知ってもらって遊んでもらえれば「結構、面白いじゃん」ってなる人出てくると思うんですよね。それだけのポテンシャルは間違いなくあります。

私がここで記事にしたところであんま影響力はないですが、出来の良いゲームなのでちょっとでも気になった方がいれば「課金してほしい」とはいわないので少しでも遊んでいただけると嬉しいです。


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