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スウェーデンのトイレから

今日も朝、日本にいるアイセックメンバーのみんなと電話をつないでもらいました。昨日と今日みんなは旅行に行っているみたいで、本当に楽しそうでした。スウェーデンに来たことを後悔するとすれば、これが1番に挙がりそうです。

スウェーデンでは、電車やバスの中で電話をすることは普通です。かなり堂々と話すし、イヤホンをつけて独り言のように話し出すこともあるので、最初は話しかけられているのかと思ってすごくびっくりしていました。

今日はまだバスが来ていなかったので、少しベンチに座って待っていました。この駅は多くの人が利用するバスターミナルとつながっています。

スウェーデンのベンチに座って思うのは、日本より少し高さが高いこと。スウェーデンの人は平均的に身長が高いからだと思います。私は身長が高いので、スウェーデンのベンチが自分にすごく合っています(笑)

Feb. 27

私は8時に出勤しているのですが、いつも学校に着くとある男の先生がいます。(名前思い出せない、、)彼に、いつも何時に学校へ来ているのか聞いてみると、朝の6時半に学校を開放すると言っていました。早い。そのまま朝ごはんは学校のキッチンで食べるみたいです。

今日も最初はお絵描きをして遊んでいました。子どもたちに何味のドーナツが好きかを聞きながら描いていました。他の遊びももちろん楽しいけど、私はお絵描きの時間が1番好きです。

私が楽しそうにしていると、子どもたちも真似をし始めます。自分の好きなことをしながら、かつ子どもたちもそれを一緒に楽しんでくれるので、本当に嬉しいです。みんなドーナツを描いていました。

そのあと少しみんなでソファに集まって、出席確認が終わった後、色鉛筆を色別に整理することになりました。それにしても色鉛筆多いなあ。

学校には、女子トイレも男子トイレもありません。あるのはトイレだけです。この紫のタイルと、水色のドアの色合いがかわいいので写真を撮りました。

みとちゃんと以前話したのですが、スウェーデンでは、必要以上に男女の区別を感じる機会が少ないことに気がつきました。日本だと、トイレ以外にも制服を着ることで男子はズボン、女子はスカートという区別が無意識にすりこまれます。

それもあって、子どもたちのなかに、私はまだ性別を正確にはわかっていない子が何人かいます。まだ小さいので声変わりをしていないし、服装も特徴的なものがないからです。でも、生物学的に性別を認識する必要があるとき以外は知る必要ないか、と気づきました。HeやSheをつかわなくても、みんなに名前はついています。

今日は私もゴーストというゲームに参加しました。ボールが3つもあるとこんなに忙しくて、全身つかって遊ぶことができるのか、と身をもって知りました。

先生の一人に体の大きな男の先生がいます。アレックスというのですが、子ども相手だからといって容赦しません。私に対してももちろん、思いっきりボールを投げてきます。しかも普通に本気で狙ってくる(笑)

でも、大人だから、子どもだからって力を加減するのは逆によくないな、と気づきました。アレックスに勝ったとき、子どもたちは本当に喜んでいました。もしアレックスが手をぬいていると知ったなら、子どもたちはあんなに喜ばないと思います。

それで私も全力で楽しんでいたのですが、ゴーストはドッチボールではありません。キャッチするといけないそうです。ボールがきたら、手ではじいて、そのボールを拾うことで投げることができます。だからゴーストなのか!

ある程度ゴーストを楽しんだら、今度はフットボールにうつりました。ベラは、こうして遊びを変えていくことで、子どもたちを飽きさせないようにしていると言っていました。

外で遊ぶときも、必ず音楽がかかっています。アレックスが私に曲を選んでいいと言ってくれたので、アイセックのロールコールダンスのBGMを選曲しました。あと、せっかくだから日本の選んだほうが面白いかなと思って、とりあえずあいみょんを選びました。あいみょん、スウェーデン進出。

メガホンもあります。ベラはよくこれで応援をしています。もちろんほとんどは子どもたちに指示を出すためのものだけど。

今日のお昼も相変わらず美味しい。昨日もそうだけど、お米があるんです。日本のものではなく、聞くとインドのお米みたいです。長くてパラパラしています。

私は子どもたちに、プレートをカラフルにしてみて、と声をかけました。すると赤と黄色と緑と白と、いろんな具材を乗せようとしてくれました。食育に関するゲーム、ちゃんと授業がある来週にしようと思っているのですが、今からすごく楽しみです。

急にみんなが立ち上がって歌を歌いだしました。ある男の子の誕生日みたいです。こうやってみんなが食堂に集まっているときに祝うのは素敵だなと思いました。

そういえば、小学校のイスはどれもこうやって机に引っかけられるようになっています。先生に、このイスが素敵だと伝えたことがあるのですが、こうすることで掃除もしやすいとのこと。

今日も午後は出かけました。先生たちはこれをもっていきます。もちろん、音楽をかけるためのスピーカーも一緒です。

昨日とは違う駅で乗り換えて、到着したのがここです。なんの施設だろう。

入ると、体育館のようになっていました。これまた広い!

何をするのかな、とみていると、すでに体育館にいた何人かの中学生から大学生までの人たちが、子どもたちにハンドボールを教えていました。

教えてくれていた学生に聞いてみると、ハンドボールチームの方で、不定期で子どもにハンドボールを教えているみたいです。こうして教えながら、上手な子はチームに入らないか誘ったりもしているのだとか。

その学生と少し話してから、私は子どもたちの様子を見つつ、基本的には先生たちと話していました。施設の方がコーヒーをもってきてくれました。スウェーデンの人はよくコーヒーを飲むのかな。少し酸っぱいコーヒーです。

この施設でもトイレに男女の区別はありません。それを先生に話すと、確かにそうだけどレストランやお店には別になっているトイレもあるよ、と教えてくれました。

そこから制服の話もしました。アレックスはタイに行っていたことがあるみたいで、制服がどんなものかイメージがつくと言っていました。先生たちは、子どもたちが自由に服を着れるほうがいいと思っているみたいです。

ハンドボールに疲れて私のところに来たキャンメラに、制服を着たいか、それともいつものように自由に自分の服を着たいかを聞いてみました。キャンメラは、制服を着てみないとわからない、と言います。それはそうか。

キャンメラと話しつつ、子どもたちを見ながら、私はあることに気が付きました。ゴーストをしていたとき、ドッチボールみたいにキャッチしないといけないほうが絶対に球技はうまくなりそう、と思っていたのですが、ゴーストで培ったボールをはじく動きはキーパーに活かされていました。

トレーナーとして子どもたちに教えていたチームの中には小さな子もいました。12歳の彼は、そのチームのユニフォームを着ていました。アンドグラスという名前で、ハンドボールは楽しいスポーツだと教えてくれました。

それからは、施設から公園へ移動しました。この公園には、船や小さな家がつくられていて、子どもたちの秘密基地のようになっていました。誰がこんなこと考えたんだろう、素敵すぎる。

子どもたちは、自分の家のように私を案内してくれました。中もちゃんと工夫されていて、本当にかわいかったです。

私は背中を丸め、やっとのことで移動ができます。まるで不思議の国のアリスのように、自分の体が大きくなったかのような感覚におちいりました。

ちゃんと今日もおやつが用意されています。子どもたちは夢中になって食べていました。

みんな早く遊びたいため、急いで飲んでは、紙パックをそのままの状態でゴミ箱に入れていました。私は最後まで一緒にいたディワに、紙パックを折りたたむよう教えました。こうすることでゴミの体積は小さくなります。他の子たちにも今度教えてあげて、とディワに伝えました。

先生たちは、公園の端で音楽を聴きながらゆっくりしていました。ベラはたまに音楽に合わせて踊りだします。

先生に、私が絵本に興味を持ち始めたことを話すと、ジーンがアートの大学施設と現代アートで有名な美術館を教えてくれました。良い先生たちばかりです。そのあとジーンは子どもたちと私の写真も撮ってくれました。

たくさん遊んだ後は、駅まで歩きます。この写真の後ろにあるのは、浄水場だと先生が教えてくれました。ここのおかげで、スウェーデンの人は、蛇口から出た水を飲むことができます。

帰りのバスで気づいたのは、バスの中にゴミ箱があること。これは驚きました。街中、やたらとゴミ箱があるように感じます。ゴミ箱が多いと回収は大変ですが、自然とポイ捨ては減ると思いました。

いつか香港のアイセックメンバーが神戸に来てくれたとき、日本にはゴミ箱が少なくて、自分で持って帰らないといけなくなると嘆いていたことを思い出しました。

学校に帰ってもなお、ドーナツを必死に描いている子どもたちを見つけたときは、本当にいとおしくてなぜか感動してしまいました。明日も何か描こう。

みんなにまた明日と言って、何人かの子とハグをして学校を出ました。

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帰りのバス、私の目の前に座ったおっちゃんとなぜか意気投合して、下りる駅までずっと話していました。アンドリューといって、出身はタンザニア。身長は194cmあるそうです。私はちょうどそのとき小さな鶴を折っていたので、彼に渡すとすごく喜んでいました。

なぜスウェーデンにいるのか聞いてみたところ、人生何が起こるかは誰にも分からないよ、と理由はごまかされました。予想通り、バスケットボールをしていたみたいで、その点でも小中高とバスケ部に所属していた私と話が合いました。私と同じ年の娘がタンザニアにいるらしく、もうすぐ会いに帰るそうです。彼は歯医者だとも言っていました。

別れるとき、次はいつ会える?と言ってくれるほど仲良くなりました。アンドリューは携帯をもっていないみたいなので、アンドリューは家の電話番号を教えてくれました。あと写真も撮って。また偶然どこかで会いたいので、電話はしばらくかけないと思います。

スウェーデンに渡航するにあたって、私は偶然の出会いが好きなこと、少し年の離れた(私が年下の)初対面の人と仲良くなりやすいことに気が付きました。

別れる前、私が本屋か図書館がこの駅の近くにないかアンドリューに聞いたところ、ここへ案内してくれました。私はそんなに読書をする人間ではないけれど、本屋さんが好きです。

やっぱり気になるのは絵本のコーナーで、店員さんにおすすめを聞きながら、これを買うことにしました!大人っぽい色使いと不思議な世界観がかわいい。

この絵本は、スウェーデンで最も権威のある文学賞である、アウグスト賞において、2018年の8月に賞が与えられたものみたいです。他のノミネートされていた絵本もなかなか可愛くて迷いました。スウェーデン語を少しずつ訳しながら、じっくり読みたいと思います。

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今日は、マイケルがパンケーキを少し分けてくれました。マイケルはパンケーキと言っていたけれど、どうみてもクレープです(笑)

明日はみとちゃんも一緒に私の小学校へ行きます。そして金曜日は私がみとちゃんの小学校へ行く予定です。そのときにする予定の、日本文化に関するワークショップを2人で考えながらご飯を食べて、もう今から楽しみです。

発見の多い毎日。いつも、今日はどんな気づきがあるんだろう、とわくわくしながら家を出ます。

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