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Grattis!

今日は早く起きるつもりが起きれなくて、朝やりたかったことが出来ませんでした。それで朝から少し落ち込んでいたけど、同居人のエリサが、いらないからってセムラを分けてくれました。

エリサはフィリピン人で、友だちにセムラを薦められて食べてみたものの、口に合わなかったそう。彼女は私がみとちゃんと先日訪れた国立美術館の、キッチンで働いているほど料理が上手です。味には厳しいのか、ハズレのセムラを買ってしまったか。

みとちゃんと半分にして美味しく頂きました。

Mar. 8

今日は1時間目に、以前考えて提案した食育×美術の授業を行う予定でした。私は、美術を担当するジーンが賛成してくれたので、てっきりその授業をすることができると思っていたのですが、ルーラにこのことを説明すると、こうした授業はもうすでにやったことがあるから、子どもたちはつまらないだろう、と言われました。

私は、でも子どもたちのお昼の様子をみると、食事のバランスを理解し定着させることができていないのでは、と聞いてみました。するとルーラは、いつも子どもたちに言ってるけど、なかなかねえ、授業はあなたの考えたものとほぼ同じことをやったのよ、と言っていました。

たしかに、この授業がもうすでに実施されているのならば、もう一度私が同じことをしても、子どもたちにとってつまらないだけでなく、効果の薄いものを繰り返すだけになってしまう、と思い、私も授業はやめたほうがいいな、と賛成しました。ちょっと残念ではあったけど。

せっかく日本人のあなたがする授業なんだから、日本に関係あることをしたほうが子どもたちも喜ぶと思う、といったルーラの提案から、ジーンと来週火曜日の美術の授業の時間を一緒に考えることにしました。

美術なので、ここは折り紙かなと。鶴や手裏剣は、子どもたちにとって難しいうえ、時間もかかることが分かったので、紙飛行機にしようと決めました。せっかくなので、いろいろある折り方のうち、ギネス世界記録を誇る紙飛行機の折り方を教えることにしました。

それから、つくった紙飛行機を自分でデザインし、オリジナルエアラインを作成することになりました。学校には、スパンコールやペンなど、デコレーションするためのグッズがたくさんそろっています。

これは楽しくなりそう!子どもたちが自分の飛行機をどんなふうにデザインするのか、とても楽しみです。ただ、せっかくよく飛ぶ紙飛行機をつくったものの、デコレーションの重みであんまり飛ばなくなってしまいました。まあでも、飛ばすことだけが目的じゃないので、まあよしとします。(笑)

こうして考えてみると、折り紙って奥が深いなあ、と思います。折る前はただの1枚の紙でしかないけれど、折り目をつけて、広げて、を繰り返すことで作品になります。一見何の変哲もないものが、ちょっとした工夫を重ねることで、何かしらのかたちになる、みたいな。

私がジーンと火曜日の授業を考えていたとき、子どもたちは算数のワークに取り組んでいました。

紙飛行機をデコレーションしながら、ジーンのことを以前より興味深い人だなあ、と思うようになりました。ジーンは今、美術の授業を担当しながらFritidsの時間をみているけれど、本当は音楽の先生になりたかったみたいです。

また、高校を卒業してすぐに大学で先生になるために学んだり、トルコへ教育視察をしに行ったりした経験があるそう。ジーンは24歳で、私はまだまだ若いんだから、何でもできる、と言っていました。私も19歳!まだまだ!

そうやってジーンと話していると、ジャスミンが鳥を描いて持ってきたので、名前を聞きました。名前をつけてあげて、と言われたので、咄嗟に頭に浮かんだマイケルという名前をつけました。

午前中の外で遊ぶ時間は小雨が降っていたので、私が屋根のあるところでみんなの様子を見ていると、優しいオーマンは、フードをかぶれば雨に濡れなくて済むよ、と私に話しかけてくれました。

それから、彼は自分の家族について私に教えてくれました。オーマンの両親は離婚していて、別の家に住んでいるため、オーマンは週ごとに双方の家を行ったり来たりするそうです。

オーマンはお父さんもお母さんも大好きで、どちらの家にも行きたいんだと言っていました。ドアの前でそう話しながら、人が来たらドアを開けられるようによけてはまた話す。オーマンが優しいのはいろんな気持ちを人以上に経験してるからなのかな、と思いました。今日はこの手紙をお兄ちゃんに渡すんだと言っていました。

私の通う学校は、最近食堂をリニューアルし、1月には新しいシェフを迎えたそうで、今日のお昼はそのお祝いをすることになっていました。

子どもたちも飲めるように、ノンアルコールのシャンパンも用意されていました。学校でシャンパンを飲む日がくるなんて。(笑)

ちなみにスウェーデンでは、18歳以上の人がお酒を合法的に飲むことができます。しかし少し複雑なのは、18.19歳の人は自分でお酒を買うことはできないということ。20歳になると、お酒を自由に買って自由に飲むことができるそうです。

新しく設置されたテレビも存在感を放っていて、テーブルの上にはナプキンまでおかれていました。

料理の種類もびっくりするくらい豪華で、盛り付けると、ここは高級レストランなのかと思うくらいにプレートが完成しました。本当に美味しかったです。

ご飯をみんなが食べ終わると、デザートまで出てきました。チョコレートのムースにイチゴが乗っていました。これも本当に美味しい。子どもたちもすごく喜んでいました。

ご飯を食べ終えたら、外で思いっきり遊ぶ。この流れが子どもたちの体をつくっているんだろうな。

そのあとは体育の授業。先生はまた新しいゲームを考えていました。いつも新しいゲームを考えていてすごい、と伝えると、子どもたちに体を動かすことを楽しんでほしいから、飽きないようにしたい、と言っていました。

この体育の先生は、昔は郵便局やガーデニング、機会を扱う仕事など、いろんなものに手を出していたそうで、31歳の今、先生4年目だそう。今の仕事が好きだと言っていました。

今日のおやつはフルーツ!メロンやぶどうまであって、美味しかった!

シェフがiPadで何やら作成していたので、何を作っているのかを聞いてみると、テレビに投影するための、来週のメニュー表を作成していました。

それから、実際にテレビに投影した様子も見せてくれました。来週、どんな感じでみんながこのテレビ画面を見るのかが楽しみです。

おやつを食べたあとは、教室に戻ってFritidsの時間になります。今日はグループに分かれてお話をつくるみたいです。

各グループには、嫉妬、けんか、友情などといったお題が与えられていました。以前子どもたちと絵本をつくったときに、どうしてこんなにお話をつくるのが上手なんだろう、と思っていたら、普段からこういうことをしていたからなのか、と気づきました。

子どもたちは夢中でお話を考えていて、私がのぞこうとすると、まだ完成してないからあっちに行って!と隠します。(笑)私はざっくりどんな内容なのかを聞いて、それを絵にかきながらみんなを見ていました。

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学校での勤務が終わって、この日はガムラスタンにあるノーベルミュージアムに行ってきました。というのは、9月から5月の間は、金曜日の17時以降無料で中に入ることができるからです。

中にはこれまでの受賞者のことが詳しく説明されていたり、発明品が展示されていたり、ノーベル賞の発祥からその歴史に関するビデオが投影されていたり、いろいろとつくりこまれていました。

昨日、ミュージカルを観に行ったときのステージがうつされていて、ちょうど昨日のことを思い出しながらこの写真を見ることができたのがラッキーでした。にしても、これまでテレビや教科書を通してしか知らなかった偉大な人たちってほんとに存在していたんだな、と思いながら、表彰の様子や功績に関するものを見ていました。

私はこのミュージアムを訪れるまで、アルフレッド・ノーベルについて、ダイナマイトの発明以外は全く知りませんでした。彼はその偉大な功績の他にも、詩などの文章を綴っていたり、世界中を旅していたり、さまざまなことを果たしています。

多くの人を殺したダイナマイト、という自分の発明によって富を築いたノーベルは、死ぬ前に、「基金を設立し、人類にとって最大の貢献をした人物たちに賞として分配してほしい」という遺言を残し、ノーベル賞が始まったそうです。

後で調べると、アルフレッド・ノーベルはたくさんの名言を残していることがわかりました。でも、私が特に印象に残ったのは、"You say I am a riddle"という言葉で、これはインターネット上にはあまり掲載されていないものでした。

これの真意はわからないけど、他の人はばかげている、と思うかもしれないことをどれだけ本気でやれるか、というふうに私は捉えました。

お土産が買えるスペースもあって、いろんなものが販売されていました。かわいい化学の教科書があって、私もこういう視覚的に楽しい教科書で勉強したかったな、と思いました。こういうの、つくりたい。

そのあとは、ノーベル賞授賞式の晩餐会で出されるデザートを食べました。少し高かったけど、ノーベル賞型のチョコレートまでついていて、味も格別でした。ずっと食べたいと思っていたので、ほんとに満足!!

カフェにあった椅子は、すべて歴代の受賞者が座って、受賞後にサインをしたものになっています。お客さんのなかには、ある受賞者のサインがかかれた椅子を探し回っているもいました。

月並みな感想になってしまうけど、ノーベル賞って素敵だなと思いました。これまであまりノーベル賞の発表に敏感ではなかったけれど、今回を通してすごく興味が湧いたので、これからはチェックしていきたいな、と思います。

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そういえば、3月8日は国際女性デーです。Googleの表示はいつもすごい。こういう遊び心あるものがすごく好きです。

学校では女性の先生同士が"Grattis!"と言っていました。おめでとう!という意味です。私の友達が渡航しているウガンダでは、この日は国民の祝日になっているそうで、国によって重要性が異なっているのもまた興味深いなと思いました。

学校での研修に関していうと、この日を終えて半分が終わりました。本当にあっという間で、焦りはあるけれど、ここまで頑張ってきた日々を祝いたいなとも思います。☺

Grattis!

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