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なんともいえない味

朝は、昨日家主さんの奥さんがわけてくれたケーキを食べることに。想像以上に甘かったので、パンと一緒に食べることにしました。後で聞いたら少し失敗したのだとか。それでも分けてくれたことが家族の一員になってるみたいで嬉しかったなあ。

今日は気温をみるとついにマイナスに!外に出てみると風が強くて、文字通り一気に体が芯から冷えました。少し小走りで駅に向かいました。

Mar. 5

火曜日の朝は自由時間から始まります。子どもたちは上手な子を筆頭にダンスを教えあっては披露しあっていました。スウェーデンの子どもたちはほんとによく踊る。しかも上手だからなおさらびっくり!

私はそのダンスを横目でみながらエリアナやエミとお絵描きをしていました。これまでは色鉛筆で描いていたけれど、鉛筆で描くほうが好きかもしれない。majaさんおすすめのペンをもったいなくてまだ使っていないので、早くあれも使ってみたいな。

火曜日最初の授業は美術です。先週の続きで、子どもたちは3Dの手形を描きます。

手を描き終えた子たちは、今度は自分の好きな形のものを3Dで描きます。レニーやは私のペンポーチの柄にあるフラミンゴを見ながら一生懸命描いていました。

子どもたちが描いているのを回りながら見ていると、美術の時間を受け持つジーンが、次の美術の時間にすることをまだ決めてないから、もしやりたいことがあればあなたがその時間を使ってもいいよと言ってくれました。

それからすぐにやりたいことを紙に書いてジーンに提案すると、一緒にやろう!ということになりました。勢いで描いてみてよかった。

この授業は一言でいうと「美術×食育」。まずお皿に料理を自分の好きなように描き、そのあと食事のバランスの大切さに関するビデオをみて、改めて自分の描いたものはバランスが整っているかを確かめる、という流れです。子どもたちがどんなお皿にカスタマイズするのか楽しみだな。

最近歯がぬけて大騒ぎしたティンディラが、今日はこれを使ってぴょんぴょん飛び跳ねていました。私も幼稚園でやっていた気がするけど、そんなに長く続くもんなんだと感心しながら見ていました。

そうして子どもたちと遊んでいると、ミーラとディワが泣きながらトイレの中に駆け込んでいきました。心配になって声をかけても、感情的になってスウェーデン語しか話してくれません。するとジャスミンまで泣きながら私のところへ来ました。

様子を見る限り、仲違いのようなものだと把握しました。私はジャスミンの背中をさすりつつ、どうしようもないのでバネッサを呼んで対応してもらうことにしました。

バネッサに詳しい内容を聞くと、3人の間で陰口や隠し事があったみたいで、そこからお互いに傷つき誤解し泣いていたそうです。女の子によくあるものです。3人は授業の間にベラに呼ばれていました。

この学校に来て、いろんなルーツをもちながら、みんな仲良くて元気いっぱいで素敵だなと思っていたけど、みんなまだまだ子どもなんだな、と思いました。今回私は特に何もしてあげられなかったけど、けんかもしながらいろんな気持ちを知って強くなってほしいなと思います。

今日のお昼ご飯!バジルソースであえられているトマトが美味しかったなあ。またこのトマト出してほしい。

お昼ご飯を食べ終わるといつものように外で体を動かす時間になります。私はエアロビクスのようなものをしているグループに交じって、一緒に体を動かしました。

そこにはさっきまで泣きながらけんかしていた3人がいて、もうさっきまでのことが嘘のように仲良くなっていました。子どもっていいな。(笑)

でもそういえば、私は今まで友達と泣きながらけんかしたり、言いたいことを言い合ったり、激しくぶつかったりした経験ってすぐに思い出せないなと気づきました。

別に特別悪いことではないけど、ふりかえっていくと、どこか人と関わるとき、干渉しすぎないよう線をひいたり、弱い自分を隠そうとして良い自分であろうと本音を言わなかったりしていることが、そうした経験を防いでいるんだと思います。何がこわくて、何を守りたいんだろう。

今日はFicaの日じゃないはずなのに、お昼休憩の部屋にいくとセムラがたくさん用意されていました。先生たちに聞くと、今日は伝統としてセムラを食べる日だそうです。

昔、イースターの46日前から断食をしていたそうで、その前にできるだけ栄養を摂取するため、その日だけセムラを食べることが許されたのがはじまり。分かりやすいページがあったのでリンクを貼っておきます。

今はそうした伝統の面影は薄れてしまって、冬になる頃からどこででも手に入るようになったセムラですが、そんな文化があったとは。断食ってイスラム教徒などアジア圏で行うイメージが強かったので、驚きました。

セムラを気軽に食べられることは嬉しいけど、ビジネスに使われたり、伝統が消え去ったりすることは悲しいと、ある先生は言っていました。こういうの、文化や伝統によくある話だなあ。

あと、このとき私はセムラの正しい食べ方を知りました。私はシュークリームのようにかぶりついて食べていくのかと思っていたのですが、上の部分をとってクリームをディップしながら食べたあと、少しずつかぶりついていくみたいです。たしかに、このほうが断然食べやすい。(笑)

それにしても、セムラは甘いけどやっぱり不思議な味で、なんともいえない味がします。でも今日食べたセムラが、スウェーデン来て食べた3つのセムラの中で1番美味しかった!

あと、ある先生に、日本の文化センターがあるはずだけど行ったことがあるかを聞かれました。私が初めて聞いたというと、そこに詳しい知人に連絡までしてくれて、施設の住所を教えてくれました。時間があれば、今度行ってみよう。

教室に戻ると本を読むのと体育館へ行くのと、2つのグループに分かれて授業を受ける時間になっていました。

今日の体育の時間は先週と異なる先生が指導していました。先生がルールを説明して、子どもたちはそれを理解するとすぐにゲームをやりたがります。今回も、広い範囲を見ながら頭をつかって体を動かすものになっていました。

体育の時間を、バッセム校長も見に来ていました。彼は常に校舎内を歩き回っています。日本の校長先生はそんなに歩き回らないことを伝えると、校長室に座っていてもしなければいけないことは見えてこないと言っていました。こうして見回ることで、子どもたちがどのように学校生活を過ごしているか、先生たちがどのように授業を行っているかを自分の目で確かめているそうです。

バッセム校長に先生になった理由を聞くと、子どもたちがそれぞれにもつ個性を大切にしたい、そしてそこが教育の面白いところだと熱心に話してくれました。それが先生になるきっかけだったのか、先生になってみて気づいたことなのか、そこはわからなかったけど、素敵だなと思いました。

またこのとき、スウェーデンの他の学校にも私のような日本人学生の受け入れを勧めることができる、といった話もしてくれました。私自身、もっといろんな人にスウェーデンの教育機関でインターンシップをしてもらいたいと思っていたので、願ったり叶ったりの話でした。

私がどういった目的でスウェーデンの学校に来ているのか、そこで何をして何を学んでいるのかをまとめることになったので、さっそく時間を見つけて作成しようと思います。

体育の時間が終わるとみんなシャワーを浴びます。日本では、体育の後にわざわざシャワーを浴びる習慣がないので、本当にびっくり。そしてカーテンがかわいい。

そのあとはスウェーデン語で文章をかく時間でした。昨日みた交通ルールのビデオにならって、自転車を乗る際ヘルメットをかぶる重要性について自分の意見をiPadで入力していました。先生に聞くと、意見をかくだけでなく、お話をかいたり、学んだことをまとめたり、いろんなことでこの機能をつかっているとのことでした。

今日のおやつはヨーグルト。私はあんまりこれが自分の口に合わなくて、少ししか食べませんでした。

ディワは、このヨーグルトにかけるチョコレートパウダーが好きなようです。話の途中で将来の夢を聞いてみると、ディワは医者になりたいそう。なぜかも聞いてみると、お母さんが人の命を救うお医者さんを尊敬していて、だから自分もなりたいと思ったそう。

ディワにはお姉ちゃんが2人いて、妹と弟2人もいるので6人兄弟。お姉ちゃん2人もそれぞれお医者さんと歯医者さんを目指しているそう。お母さんやお姉ちゃんをみて思っているだけなのか、本当にディワもなりたいと思っているのか少し心配になったけど、素敵な夢なので何も言わないことにしました。

食堂には、なにやら新しいテレビが設置されていて存在感を放っていました。設置していた男の先生に聞いてみると、昔はスクリーンなどもあって毎日のお昼ご飯のメニューが投影されていたそうで、食堂をリニューアルする際に撤去されたらしいです。今週の金曜日からこのテレビが使えそうとのことなので、楽しみです。

おやつを食べたら外で遊ぶ時間になります。ベラは、こうして中と外の時間を設けて子どもたちに体を動かさせることが重要なんだと言っていました。

寒いから中で遊びたいなと思ったとき、私は自分が前ほど子どもたちと遊ぶことに対して積極的でないことに気がついて、少しもやもやしていました。子どもたちはいつも元気で、彼らをみていると、そういった無邪気さが今の自分には少し足りないような。

中で遊ぶときには、とりあえずもう一度神経衰弱をしてみようと何人かを誘いました。でも、メモリーはあまり人気がないようです。(笑)私もなんだか疲れてしまって、何回か遊んでやめました。このカードはとりあえずは子どもたちにあげることにしました。

2週間前にはあんなに人気だったけん玉も、今ではただの置物へと化しています。たまに遊んでくれるのは嬉しいけど、子どもの好奇心、興味の持続性をそんなに期待できるものではないです。そう考えると、私が新しく提案していることは、効果でいうととても一時的です。なんかもっと大きいことがしたい。

***

帰宅して、今日はアイセックで同じチームのメンバーとパレード(ミーティングのことをそう呼んでいます)。日本でみんなが頑張っているので、私も頑張らなきゃなあ。今日も遅くまで起きていてくれた2人に感謝しながら、みとちゃんが乾燥機に入れてくれていた洗濯物をとりに行きました。

キッチンの横にあるダイニングテーブルで仮眠をとることが増えて、マイケルに、机で寝ることは日本の文化なのかを聞かれました。それがおかしくて、ちゃんとベッドに移動して寝ることにしました。



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