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恋愛経済学(1) サンクコスト (sunk cost)

いかなる努力をしようとも回収不能なコストをサンクコスト (sunk cost) と言います。

経営学(ファイナンス)の教科書によれば、将来の利益を最大化するためには、過去に出費したサンクコストに拘泥することは誤りで、現状と未来予測をもとに行動すべき、とされます。

例えば、

「今までに○○億円も投資して研究をしてきたが、良い成果が生まれてこない。今、あきらめてしまえば、その○○億円を捨てることになる。あと、△億円追加投資すれば、成果が出るに違いない。なにしろこれまでがんばってきたんだから・・・」

という発想は、間違いだということになります。


これを実人生に適用すると、どうなるでしょうか。

「今までA子に貢ぎ続けて来た結果、貢いだ合計金額が○○円になっている。一方で、いい思いをしたのは▲回だけだ。一回あたりのコストは、なんと○○/▲(円/回)だ。おいおい、一回当たりの費用が高すぎるよ。もっと貢ぎ続けて、いい思いをする頻度を高めていこう。そうすれば、一回あたりのコストが下がるから、お得な関係になるぞ」

などという発想は、倫理的にはともかく、経営学的には間違いだということになります。


経営学の知見を活かすなら、一定の人間関係ができているA子に、今後ある金額を貢ぐことによって得られると想定される便益と、例えばこれから人間関係を樹立しようとしている別のB子に同額をつぎ込んで得られると想定される便益とを比較して、便益の大きいほうを選択すべし、という示唆を得ることができます。


えっ?何かまちがってる?

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