自分の感覚を感じる事と、子供の成長の関係性


この世の中は自分からしか物事を知覚する事が出来ません。

相手が、痛い、苦しい、楽しい、嬉しい、と言っても、それを受信して、そうなのですね、と言う事は出来ますが、実際にそれを体験する事は出来ません。

それが危険であるか、安全であるか、必要であるか、不必要であるか、は最終的には自分で判断するしかないのが生きるという事です。

自分が子供の時に体験した事は大人になった今において多大な影響をもたらしていて、意識、無意識、性格など、基本的な"生きる構え"が子供の時までに出来上がると言われています。

赤ちゃんや子供のまだ幼いうちは甘えるという事が最大の仕事であると私は考えています。
何故なら、その甘えるという行為が自らの感覚に正直になるという事になるからです。

この自分の感覚に正直になるということは、生きる上で最も重要な基礎になります。

まだ幼いうちに甘える事を許されず、自立を促されてしまえば、自分の感覚に従う事は間違った事だと認識してしまい、成長の過程で自分の感覚を素直に感じ取れなくなってしまいます。

感覚を素直に感じ取れなくなり、自分の感覚に従った行動が取れないまま成長してしまうと、人生において、また社会にとっても、大変な問題を招いてしまいます。

感覚的に良いことと悪いことの判断がつけなくなり、全てはルールによって定められていると錯覚します。
本来は人間の感覚に沿ってルールがあるにも関わらず、人間がルールの僕になります。

そして、危険なものや安全なものの判断がつかなくなり、原発や核兵器などを当たり前に受け入れて作り出し、ルールに従えない人間を排除していくようになります。

それほど、自分の感覚に正直になる、ということは重要であり、自分の感覚が分からなくなってしまった人は、世間体や見栄、社会的評価によって自らと他者を評価するようになってしまい、常に不安と隣り合わせです。

子供が幼いうちは甘える事が仕事であり、成長の過程で、自立心が芽生えてきます。
その子供の自立心を大人は尊重して、子供に沿うという事が求められます。

甘える事を続けていては自立しない、のではなく、甘える事が全うされる事で、この世界に自分が存在する事に安心を得ます。
そして、自立心が芽生えます。

自分の感覚を否定されてしまう事は、この世界に自分が存在する事が不安でいっぱいになってしまいます。

子供は自立したい時に自ずから自立していきます。

赤子が自ら物を掴むように、歩くように、話すように、命は自ずから成長していきます。

私たち大人に出来ることは、子供をどうにかする事ではなく、子供の成長に沿う、という事なのだと感じています。

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