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すこしの合い間 @リストラーズ

リストラーズの在宅動画をみていて 当初 不思議に思っていたことがあった。

それは 歌が始まる前からカメラを回し始め また終わったあとに ご自身で
カメラを切るところまで 映っていること。

ほかのかたの動画を見れば ほとんどそういうシーンは出てこず 編集で
カットされている。
が、リストラーズ動画の場合 最新の旧東工大のものも 始まる直前を
カットせず わざわざ入れてある。
 
コアなファンたちにとっては そういうところにこそ 「素顔」のようなものが映りこむ気がして 実はたいへん人気の部分ではある。

ちょうど4年前 2020年5月6日に出された たぶん最初の在宅動画
カッコかわいすぎて こまるー♡ 

 
彼らは 動画活動の最初のころから この方法を活用していらっしゃる。
もしかすると 全く違う意図、企業っぽさだったり、リモート会議のリアルさを出すための演出なのかもしれない。

 
が、筆者には 本の「余白」のように思える。


文字の少ない絵本のようなものでも もし端から端まで ギッシリ文字や絵が
詰めて書いてあれば 読みづらい。
上下、左右、また行間を 適度に空けてくれているからこそ 目が滑らずに
読めるのだ。

そう言えば 辞書のように 文字がギッシリ書かれたものでも やっぱり余白はある。
彼らの 歌の前後に作られた この箇所は 動画の余白と言えないだろうか。

 
この余白は 活動のスタートだった「リサイタル」や「ショー」にもある。


合い間のMCが それにあたる。
交代でおこなわれていたようだが セリフが がっちり決まっているわけではない。だいたい こういう内容を言う場面、ということだけが決められているようだ。
 
歌の紹介での「決めゼリフ」はあるだろうが、そのほかは各自の個性に投げられていて 言葉の選び方も空気の創り方も自由。
だから 観客は 見ていて飽きない。

 
MCで 巧いなーとよく言われてらっしゃるのは
ふだんは無口に見える ベース担当の大西さん。
大西さんのアタマに入っている言葉はとても個性的で 言葉選びがおもしろい。話せることは たくさんあるのだろうが そこをセーブしながらボールを投げる。
たぶん天性のもので ほかの人が真似しようとしてもできないだろう。
概要欄を埋め尽くす言葉数と情熱、だが 素の素直さが出ていて 自然な笑いを引き出せるかただと思う。

 
加藤さんは エンタメな角度での MC。
ショーやライブなど けっこうあれこれご覧になっていたのではないだろうか。エンタメをよく見て 聞いたうえで研究されているように思え  緩急の
付け方が とても 昭和のショーっぽい。
ハジケた感じの喋り方や 観客の煽りかた、声の張り方や 甘い感じへの転換など プロのショーを見て学ばれた感じがする。

草野さんは ステージ回しがとても巧い。
が、MCは 意外に素に近いのかもしれない。その場で思いついたことを投げてみて 誰かが ちゃんと拾ってくれるよな! という 待ちの一面が見える。
ほかのメンバーへの信頼があってこそできることだが メンバーの誰かが
必ず拾ってくれることを深いところで分かっていらっしゃるのだろう。


上村さんは ボイパは職人。
だが しゃべる場面は たぶん ほぼ「素」のように思える。
メンバーの呼び方を ふだん通りに呼んでしまっても そこは全く気にしない。どのメンバーに対しても 愛情深く見てらっしゃる温かさがあって話し方から それが観客にも自然に伝わってくる。


澤田さんのMCは、
MCそのものより カバーのほうがおもしろい。別のメンバーがMCなさっているときに ひょいと拾い上げて返す、名レシ-バーのようだ。
こういうことが出来るひとは なかなかいない。
ダブルMCのような 掛け合いをすると かなり笑わせてくださるのではないだろうか。



野村さんの場合、
話すことをよく練ってきてから その場にいらっしゃるのだろうなと思って
見ている。
セリフというわけではないが 少なくとも アタマのなかでシミュレーションを何回か繰り返しイメージなさっている。
こうしたら こうなる、足りなければ こうしようというプランをハッキリ
持ってらっしゃるのではないだろうか。
工大祭の「練習のなかったコール&レスポンス」も 全員での練習はなかったのだろうが 野村さんのプランのひとつにはあったはず。
何か起こったとき、あるいは 盛り上げきれないときには やれることは全てやるというショーマンの鑑をみるようだ。  


 
MCについて 長く語ってしまったが
要するに 歌の合い間のMCは リストラーズのショーの余白部分。

彼らのステージ作り それに続くその後の動画作りは、20年の間に自然に
身に着けられたことのひとつなのだろう。
これがあってこそ 観客は息をつけるし、次の曲への心の切り替えができる。

 
一般人にとっても この余白は大切で、仕事ばかりバリバリしていては 本人もそうだが 周りも息がつけない。
これは 家庭の中を切り盛りする主婦層にも言えるのではないか。

職場の後輩だけでなく 家庭の中では子供たち、また帰宅してきた家族から
すれば 余白のない状態は 見ていて少し苦しい。
なんとなく追われるような気がしてしまい 見ているだけで責められている
ような気分になるのではないだろうか。
 
もちろん職場では 新人の間は 一生懸命 仕事にガンバる時期は必要だ。
だが 後輩を持つころには、少し余白を考えるのもありなのかなと思った。
 
アマチュアながら 一流のパフォーマンス集団であり、一流の企業人でもあるリストラーズのメンバー。

筆者にとっては あれこれ気付きの宝庫になっている。
 
とは言っても
基本的には、萌え萌えと もだもだ が中心なんですけどね ♡


< 毎日 見ずにはいられない    そのひみつは どこにあるのだろう
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