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2023年 アニメベスト10

絶対運命備忘録。

年は明けたし、なんなら正月休みも終わるけど、ゆるっと発表するよ〜。一部微妙な区分けでランクインしてるけど、多めにみてね☆


10.『TRIGUN STANPEDE』

原作漫画も過去アニメも未チェックだから、解釈違いとかなく、むちゃくちゃドキドキしながら彼等の旅路を見守るしかなかった。なかったんだ…。退廃的なのにワクワクしそうな要素が散りばめられた世界観で、ピアノの旋律が導く戦慄。なによりウルフウッドが登場してから加速度的に面白くなるし、加速度的に鬱! ひぇ! 孤児で関西弁な葬儀屋ウルフウッド、綾野剛を感じて超格好よい…。どんなにしんどい十字架を背負ってても、食べていいし、笑っていいってめっちゃいい言葉だよなァ。食えと煽る食えない男にもう釘付け。だけどこれウルフウッドの出自を考えると、本当は長く生きながら20年前と見た目が変わらず子供みたいに純粋で理想や信念を持つヴァッシュと、本当は子供なのに身体と共に急いで大人になるしかなかったウルフウッドのバディ…ってコト!? あつすぎるだろ、やめてくれ、どちらも幸せになってくれよ…。贖罪の旅、兄弟の因果、忘れられない親子。違う種族だとしても家族になれるし、過去だとしても家族からは逃れられないという事実が重過ぎる…。それぞれの正義がすれ違う、悲しき兄弟喧嘩の壮大な結末。人間を憎む彼が誰よりも人間らしい皮肉と、本領発揮の遥か上を突き進む流麗迫力怒涛のアクションがやばいです。完結編、楽しみに待っております…!

マジ綾野剛


9.『アンデッドガール・マーダーファルス』

鬼殺し芸人meets生首ともよ! 青崎有吾の同名小説のアニメ化は、お洒落と厨二の境界線をギリギリで攻める、それは2023年の化物語。半鬼、不死身、人狼に、ホームズ、ルパン、オペラ座の怪人って、なんかもうやりたい放題なキャラクターたちと、オカルト要素を交えたミステリー&重い過去や難事件を軽口で彩る舞台みたいな会話劇。それをゴリゴリの演出と鮮やかな色味で賑やかすからそりゃ惹き込まれます。しかし多少無茶なトリックがあっても、まあこいつら人間じゃないしなでなんとなく片付くのわりとミステリーとしてうまいしズルいな? ただそれが不満かと言われれば、そんなことは全くなくて、謎解き自体も丁寧だし、作りがしっかりしたまま、飄々と最後まで洒脱な空気を纏って駆け抜けてずっと面白かったからヨシ! まあ正直なところ、難事件や怪人たちのアクションよりも、鴉夜様as黒沢ともよのお喋りパートが好きだったかな。ずっと見ていたくなる掛け合い。というか、そんなところもやっぱり化物語かもしれないわね。


8.『好きな子がめがねを忘れた』

そんなに眼鏡って忘れるものなのか…? というのは野暮。視力が低いのにめがねを忘れるという結構無茶なシチュエーションを作り続けるパワープレー導入だけど、教室の後ろのほうで隣同士という、まあよくある構図で話は安定してるし、主人公の小村くんがちゃんと最初からヒロイン三重さんのことが好きで、まあまあ気持ち悪いというのが本作のいいところ。思春期らしい笑える(気持ち悪い)モノローグに、等身大で相手を大切に想う気持ち。そしてそんな真摯な気持ちの隙間から、溢れそうな恋するエゴが見え隠れするのが絶妙。正直最初はほんわかした空気と、変態滑らかCGと独特演出なのに面食らったけど、不思議と空気感が原作そのままで、回を重ねるごとに最高になった。最高になったな! めがねを忘れたときに話せる三重さんが、いつかめがねを忘れなくなったとき、僕は忘れられてしまうのかな。過ごした日々を、近づいた距離を、溢れた気持ちを、三重さんを想い出にしないように、約束をしよう。会う理由が、話す理由が、少しずつ変わっていくのが日々を重ねる青春モノの醍醐味。見えなくてもわかるよ、ずっと見てきたからわかるよ!

↑こちらもオススメ!


7.『薬屋のひとりごと』

薬屋のひとりごと、それは悠木碧のひとりごと。ずっと喋っていてくれ悠木碧。かわいいな悠木碧! 猫猫がこんなに魅力的に見えるのも、悠木碧の実力か、はたまた私たちが実質壬氏様かのどちらかですね? 面白かったし、語りも掛け合いも語りが心地よかったです。毒と薬は紙一重。元薬屋、今は侍女の猫猫は、無能を装いながら病気の原因を見抜き、それをバレないように進言する…けど、それがバレてしまうのがコナンくんとは違うところ。やはり大切なのは蝶ネクタイと麻酔銃。能ある鷹は爪を隠す的な始まりから無双するのは、たしかに流行りの型であるけど、隠さなきゃいけない理由に仄暗い理由が匂わされてるので、独特で毒毒な空気になっているのが良いですね。これは美しさや能力を隠すことで生き延びてきた猫猫に、美しさと愛想を武器にして振る舞うことで生き残ってきた壬氏が出会ってしまった物語…。壬氏様は蜂蜜変態プレイをはじめ愛がダダ漏れなんだけど、猫猫といえば、ここにやってきた経緯や、花魁での男と女の関係に醒めている感もあるし、近づいたら距離をとられるのは猫猫の名の通り猫のよう。でもそれは、身分とどうにもならない社会をシビアに捉えているからなのだ。とはいえ、そんな渦巻く感情はぶつける程度には壬氏様を信頼してるっぽい距離感、たまんねぇ…。あと中華風の帝国の王宮という雰囲気がいいし、どことなく『チャングムの誓い』を思いだしたりします。


6.『呪術廻戦 懐玉・玉折』

今でも青が棲んでいる〜! 今でも青が澄んでいる…。懐玉・玉折、めちゃめちゃよかったよね! 俺は青春モノ大好きおじさんだから、この日々がずっと続けばいいのにって思ってた。時間が止まればいいのになって思うよ。五条悟たちが89年生まれということは学年でひとつ上だから、ケータイもグレイモンも井上和香もわかる同年代感あります。ちなみに当時の僕は若槻千夏と岩佐真悠子が好きでしたね。なんかすげーギャル好きじゃんって? そうか? そうだな、そーかもなぁ! しかし思春期年代におけるちょっとギャルっぽい先輩の眩さは異常なので、今作の高専時代の家入硝子は本当大好きです。ひとつ上の先輩にあの感じの家入硝子がいるのはマジやばい。ずっと心がひゅーひょいでした。わかんない? センスねー。しかし名言でいえば、いちばんハマったのは「はいお疲れ解散解散」なんだよな。飲み会のあととかうっかり日常使いしそうになってしまうくらい台詞が馴染んでるし、こんなに伏黒パパが好きになるとは思わなかった。というか伏黒パパって、怠惰に日々を過ごしてるけど、呪力が物を言う世界で呪力はなくても渡り合える実力があって、出自は名家で生き別れた子供がいるという境遇だけ見ると完全に主人公だよな? そしてもうひとりの実質主人公こと、夏油傑は本当にさァ…。夏油傑の真っすぐさ、人間臭さ、優しさをこれでもかと浴びせられたあとだと、結果的にああなってしまったのも、真っ直ぐだから曲がれず折れてしまったからで、誰よりも人間らしかったからで、世界が優しくなかったからなんだろうなという気持ちになりますね……。反転術式では取り戻せない、確かに笑い合っていたあの夏の日々。思い出した空も、最強の俺たちも、眩いくらいに青かった…。ちなみに、僕と夏油傑は同じ誕生日です。

ギャルの先輩かわいすぎるだろ…


5.『ミギとダリ』

こんなに面白いとか聞いてないぞ、ミギ。こんなに泣けるとも聞いてなかったぞ、ダリ。『坂本ですが?』佐野菜見原作だからと油断していた。いやシュールな笑いは期待通りに本当面白かったし、序盤の双子スタイリッシュ隠蔽ムーヴとかは、たしかに坂本だった。だけど、親の死の真相を探り復讐するという不穏な要素がひとつはいるだけで、なんか変な動きをしてる登場人物が、何か裏があるのか、単に変なやつなのか惑わしてくるサスペンス。基本はクセ強なんだけど、スリリングな展開とギャグに手に汗握って笑って、チェリーパイに泣く。涙、涙のチェリーパイやで。奇を衒っているような作風なのに、終盤はヒューマンドラマな愛と信頼を真っ当に描いてくるからずるい。あんなに悪ふざけみたいなことしてたのに、こんなに綺麗に着地するからすごい。運命に翻弄され、それでも運命を掴み取る双子の兄弟。血が繋がらなくても、離れていても、帰る場所がある。似てても違う、違っていても共に。ふたりはひとりから、ふたりでふたりへ。未来に幸あれGood boyたち!

基本的にはシュールです


4.『山田くんとLv999の恋をする』

予想以上にめちゃめちゃ楽しかった。1クールで綺麗に結ばれる恋愛もの、好きです! あらすじだけ追うと、恋した相手がたまたま出会ったスーパーイケメンプロゲーマー高校生(無口)という、出会いからしてそんなことあるかァ? な突拍子ない王道なラブコメだけど、 丁寧な演出とゴリゴリの劇伴で彩るアニメ力がすごい。絵柄も雰囲気もポップで軽い感じなのに、なんか全編通してキレがあるんだよな。そして、そうそうこれこれみたいな眩い少女漫画キラキラ感も兼ね備えてるのも最高。OPのウキウキな感じもいいし、清竜人のED曲はおしゃれすぎるやろ…。あの日、靴が脱げて、酔っ払った君に出会った。嘘から始まる恋だった。アバターしか見てないけど、内面の君をいいなって思った。自分ではそう思ってなかったすれ違いの魅力が、互いに通じ合って、ふたりで並んで歩けば、どこにだって自分らしくいられる気がしたんだ。友情と恋の境界が曖昧に溶け合うように、いつから好きになったかなんてわからない。だって恋はぐらでーしょん。だんだん君を知って、だんだん君を好きになった。大好きだったよ。仕草も表情も、甘くて切なくて眩しくて。だけど想いを閉じ込めてたら、きっと何も進まないから。結ばれても、結ばれなくても、素直な想いを伝えたから今がある。だはーーーーッ! ずっと後半はずっとニヤニヤしてたぞ。格好よすぎるだろ山田、どんな顔してなんだ山田ァ! 幸せになれ! ところで俺が好きなエピソードはもちろん椿ちゃんです。大好き、当て馬!


3.『うる星やつら』

第2クールの12話からが23年1月から放送ということで、2023年のアニメです。好きだから仕方ないっちゃ! 正直こんなにハマるとは思わなかったし、めちゃくちゃ好きになった。いやこの時代に少し古い感じのノリが無理という話も大いにわかるので万人にオススメはしないけど、好きになってしまったものは仕方ない。というか慣れてくるとマジで面白いし、よく考えてもなんで面白いかわかんないくらいしょーもないのに面白いんだよな…。毎回30分があっという間だったし、聞けば聞くほどOPもEDも超いい曲。ただやっぱりキャラが増えてラムちゃんの話から"うるせいやつら"な面々が揃ってきてからが本番だった気がするので、この1〜3月期間は本当面白かったです。ただ、ふざけ倒してるだけかと思いきや、いたって真面目にバカをやってるし、クラスメイトみんながそれぞれ距離が縮まってるぽかったり、急に信頼を感じる話を投げ込んでくるからもう鷲掴みよ。キャラが渋滞しそうなほどたくさんいるのに、霞んでるひとが全然いない。そんな奇跡を成り立たせる実力of高橋留美子と実力of豪華声優陣。見れば見るほどみんなに愛着が湧いてくるし、魅力的なひとばかりで心のヒロインが決められない! みんな好きだー! となりながら、あたるじゃないけど最終的にラムちゃんが笑えばそれがハッピーみたいになるから強すぎるんだよな。2期はやくきてくれ!

このノリが好きすぎる


2.『スキップとローファー』


本当に本当に大好きなアニメになった。よかった! いいところしかない! もともと原作の漫画が大好きで、主人公のみつみ役が黒沢ともよの時点で勝利確定ではあったが、それにしたって大勝利すぎて最高だった。というか、もうOPの時点で優勝だった。あんなふたりだけの世界で踊ってたら、ただ俺たちは彼らの日々を見守るしかないし、須田景凪『メロウ』の歌詞がマジで志摩。もはやあれは志摩くんが歌っています。OPでいえば、最初の傘や最後の花冠から、もうグッとくるんだよな。全編に原作リスペクトの要素が散りばめられて、話の展開も丁寧に原作準拠なんだけど、数少ないオリジナル要素が本当に最高だし、解釈と解像度がすごい。アニメだから表現しやすい光と影の演出や、声が吹き込まれることで現実味が増すというか、掴みどころのない志摩くんとか特に志摩がダダ漏れでした。優しくて穏やかで繊細で壊れそうな情緒がズバズバきてクソデカ感情になってしまう…。石川県から都内の進学校に上京してきた真面目な主人公みつみは学年一のスマートで素敵な男子である志摩くんに出会う、という話だけど、最近はむしろ志摩くんがみつみに出会う話だったのではと思います。というか、ひとは絶対に誰かに出会わずにはいられなくて、そのなかで何かを知って、気づいて、救われて、誰かを救ってるかもしれないことが、共同体で生きることなのかもしれませんね。真面目とかスマートみたいな分かりやすい"キャラ"だけでなく、皆それぞれ良いところも悩みもある。そんな一筋縄ではいかない関係性、自分と他人は違うものだし、考えがわからないことだってある、価値観が合わないことだってある。そういう多様な社会のなかで、どうコミュニケーションをとるのか、どう心を通わせるのかみたいな話を、すごいふっと軽やかに描いてるんですよね。だから、みつみと志摩くんのガールミーツボーイ、ボーイミーツガールだけでなく、それぞれにそれぞれの想いがあるんだという群像劇としての強度がすごい。ほんとクラスメイトも生徒会もみんな最高だけど、俺たちは江頭ミカが大好きなんだ。そうだろ? 川嶋亜美が好きなひとはみんな江頭ミカも大好きだと思うんだよなァ。悪いひとはいないけど、負の側面や影や傷は誰しも抱えている。でもそんな抱いた弱さも、気づいた変化も、自分の一部だと認められたら。それぞれのいろんな想いが、きっと青春の1ページになる。大切なひとと過ごした、大切な場所になる。痛みも眩しさも全部優しくて最高のアニメでした! あと最後に。軽々しいことは言えないけれど、みつみちゃんの出身地でもある石川県には、できる範囲で何か応援ができればと思っています。

昨年夏、珠州市の「道の駅 すずなり」にて。
シマスケと兼近先輩(?)


1.『機動戦士ガンダム 水星の魔女』

僕にとっては初めてのガンダムシリーズだったけど、いやーーー! 面白かった! 初めてガンプラもお疲れ様本も買ったし、声優さんのイベントにも行った。生活に影響を与えたという点も含めて、間違いなく今年の優勝でした。ひとは初めて観たガンダムを親だと思う習性があるので、僕は水星の魔女のことをきっと忘れない。学園、決闘、花嫁…これはウテナと聞いて飛び乗ってよかった。ただ、ウテナを入口にして、出口はピングドラムだったような気もしています。俺は何かと理由をつけてピンドラを思い出したい男…。親世代の呪いに、子供が向き合う物語。この呪いも厄介なもので、相手を想っていても呪いになることはあるし、呪いだったとしてもそこに想いはあるんですよね。愛ほど歪んだ呪いはないよ? そして、そんな想いだけではどうにもならない現実もあるし、現状を動かす最初の一歩は想いであるのも事実なわけで。たぶん意図的にわかりやすい立ち位置に配置された人物たちが、テンプレ的流れも汲みながら、ものすごい推進力で物語を進めていく。お約束ベースで展開するから、視聴者サイドが過去の経験から勝手にヒヤヒヤしてワクワクする剛腕采配。水星から編入してきたお母さんが大好きな主人公スレッタも、その高潔な意志で道を心を切り拓くミオリネも、道明寺かと思いきや完全に愛されキャラになったグエル先輩も、こんな役に花江夏樹?いやこれは完全に花江夏樹ィ!になったエランくんも、大人になるしかなくて愛が重いシャディクも、地球寮も懺悔室も、宇宙に生きるみんなみんな大好きになったし、大好きになれなくても憎めねぇなとは思える。そんなどの人物にも、わかる部分、わからない部分、わかっちゃうな…な部分があって、子供も大人も、それぞれの立場や状況のなかで正しくあれたり、間違えたりする。自分が起こした行動の結末は、良いものも悪いものも、無意識だとしても、他者の影響があったとしても、自分で決めたものは取り戻せない。今、すべきことがわかっても、過去の傷や痛みがそれを許さない世界で、ひとは何をすべきなのか。その問いかけを胸に、学園や親という箱庭から飛び出した彼女たちが、自らに向き合い、何かを得るために、何も得られないかもしれないとしても出来ることをするべく踏み出していく。モラトリアムの終焉、そして自立という意味で、真っ直ぐに青春モノだった。諸々の問題は解決していない部分はあるし、今後に暗い影を落としている描写もある。だけど、現実と地続きで未だに蔓延る問題を描いている以上、安易な解決を提示するほうが不誠実な気もする。そして問題に向き合い、対話を止めないことが、きっといつか世界を変える一歩になるのだ。それが、ポスタービジュアル含め、誰かに手を伸ばし続ける姿を描き続けた作品からのアンサーだと思う。その手がきっと未来を変えていくし、伸ばし続けることをやめてはいけないんだ。違う僕たちが、同じこの星で生まれ、この世界で生き続けるために、その全てに愛してると言えるように……って、愛してるじゃやっぱりピンドラじゃねぇか! 今作で最後に送るべき言葉はひとつ。消えない過去と、踏み出した今と、手を伸ばした未来へ愛を込めて、「目一杯の祝福を君に」

水星の魔女 全校集会にて。いいイベントでした!



はいお疲れ、解散解散!

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