コロナ禍で唯一良かったことが終わったこと

コロナ禍で近所の居酒屋さんがお弁当をはじめた。
3月くらいだったか、商店街がお弁当の叩き売り会場みたいになってて、祭り気分でいろんな店を食べ歩きその中で、出会ったその店は安くて美味しくて満足いく量ですぐリピーターになった。

周りの店が少しずつお弁当辞めてく中、その店はずっと続けてくれて、常連が列を成す店になり、また売り子のお姉さんの人柄も素敵で、近所にできた購買部のようなポジションで、正直12時すぎると人気メニューは全滅となり、その弁当欲しさに11時半には買いに行くようになってた。

しかしその店もある時から火木金の三日間だけの営業になり、とうとう今日弁当営業最終日になってしまった。

安くて美味しくて、量も多いその弁当はやはり利益率低かったのだろうか。
お姉さんの産休に合わせる形で撤退することになったそうだ。

で、今日、ラスト弁当を買いに行く途中で、名前も知らないそのお姉さんに感謝を伝えたいなーって思って、花屋さんで小さなブーケを買った。

時計を見ると12時。「あ、これ弁当残ってないかも」と思った。

花だけでも渡そうと向かって、お姉さんに「まだあります?」と聞くと、「いつものとっておきました!」とラストの弁当を確保してくれてた。

「いらっしゃるかなと思ってたんで」と言って裏から持ってきてくれた弁当を受け取って、お代払って、帰り際に「今までありがとうございました」とお花を渡したらすごく喜んでくれた。

飾ります!って何度も言ってくれた。

ああ、お花買って良かったなーと思って帰宅して、弁当食べようとしたら、メッセージカードがついてて、今までのお礼と飴玉ひとつつけてくれてました。

弁当屋さんに引退のお花渡したことなんて今まで一度も無かったし、お弁当屋さんからメッセージカードもらったこともなかったです。

コロナ禍で唯一あった、良かったこと。
お弁当屋さんの常連になったこと。
それが今日終わったよというただ、それだけのお話。なんだか不思議な気持ちになった一件。

元気なお子さん産んでくださいね。

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