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アラビア語講座メモ➁

 アラビア語のレクチャー2回目がありました。そこでの取り扱い事項を備忘録として残す記事です。

 講読を行った記事は前回と同じです。

 今回は事前の予習を前提としましたので、前回よりはハイスピードで進行しました。おかげでやく90分で最後まで読み切ることができました


وَيَخْتَصُّ كُلُّ بائِعٍ فِي هَذَا السُّوقِ بِبَيْعِ أَصْنافٍ مُعَيَّنَةٍ مِنَ الكُتُبِ، فَبَعْضُهُمْ يَبِيعُ الكُتُبَ القَدِيمَةَ وَالْمُسْتَعْمَلَةَ، وَبَعْضُهُمْ يَبِيعُ الكُتُبَ المَدْرَسيَّةَ والْمُقَرَّراتِ الجامِعيَّةَ، وَآخَرُونَ يَعْرِضُونَ الكُتُبَ الحَديثَةَ


 ここでكلの用法をまとめました(cf. 新妻『アラビア語ハンドブック』p.144 - 147)。このあたりは竹田『とこトレ』でカバーされていない部分です。分量や程度を表す表現は対象となる名詞とイダーファの関係を作ることで表せます。

①كل+限定複数名詞属格→すべてのN(英語でいうAllに相当)
➁كل+非限定単数名詞属格→各/それぞれのN(英語でいうEachに相当)
➂(応用)كل+限定単数名詞属格→そのものすべて、全体

※➁と➂を比べると
➁ كل سنة 毎年
➂ كل السنة 一年中(一年すべて・全体)

➁ كل يوم 毎日
➂ كل. اليوم 一日中(一日すべて・全体)

他にも、名詞とイダーファ関係を結ぶ表現には以下のものがあります。
جميع すべて
معظم 大部分
بعض いくつか/若干


الكُتُبِيُّ نُورُ الدِّينِ الحَسَنِيّ يَبِيعُ الكُتُبَ الجَديدَةَ، وَقَدْ بَدَأَ مُمارَسَةَ مِهْنَةِ الكُتُبِيِّ مُنْذُ أَنْ كَانَ صَغِيرًا. يَقُولُ نُورُ الدّينِ: إِنَّ زَبائِنَ السُّوقِ مِنْ فِئاتٍ مُتَنَوِّعَةٍ، فَمِنْهُمْ الشَّبابُ، والطَّلَبَةُ البَاحِثُونَ، وَالأَسَاتِذَةُ، وَالمُسِنُّونَ مِنْ مُحِبِّي الكُتُبِ القَديمَةِ.


 ふつうأنの後ろは未完了形接続法だが、場合によって完了形の用法がくることがあります。このمنذ أن(~して以来)もそのうちのひとつ。その他の用法については依田『アラビア語』p.165を参照してください。
 أنの基本的な考え方については、依田による解説が参考になります。

「アン(أن)節」は基本的に「何らかの行為がありうるだろうというイメージ」を表すもので、多くの場合、可能(~できる)、義務(~しなければならない)、欲求(~したい)、要求・命令(~するように頼む・命じる)などを表す主動詞と共に用いられる。この場合「アン(أن)節」は名詞句としてこれらの動詞の主語や目的語として機能する

依田『アラビア語』p.162

 ちなみに、忘れがちな文法規則がمُحِبِّي الكُتُبِに表れています。それは、双数形と規則男性複数形の語尾نは、他の属格名詞とともにイダーファ関係を結んだとき省略されるということです。いくつか実例を見てみましょう。

(双数形)
主格    معلمَا المدرسة
属格・対格 معلمَيِ المدرسة
※双数形の属格対格でنを省略すると、يとلでスクーンが連続してしまう。スクーンの連続を避けるために、يにカスラが付いてيِとなる。

(規則男性複数形)
主格    معلمُو المدرسة
属格・対格 معلمِي المدرسة

 なお、人称代名詞接尾形が付く時も同様の挙動をするので、確認しておきたいところです(cf. 新妻『アラビア語ハンドブック』p.31 - 33、依田『アラビア語』p.77, p.139)


أَمَّا الكُتُبِيُّ حَسَنُ اقْرِيبِع، فَيَقُولُ: إِنَّ عَدَدَ زَبائِنِ السُّوقِ قَلَّ بِالْمُقَارَنَةِ مَعَ السَّنَوَاتِ الأُولَى لِإِنْشائِهِ؛ وَذَلِكَ بِسَبَبِ الإِنْتَرْنِتِ وَالتِّكْنُولُوجْيَا الحَديثَةِ.
وَلَيْسَ بَيْعُ الكُتُبِ هُوَ الخِدْمَةَ الوَحيدَةَ الَّتِي يُقَدِّمُها سُوقُ اللِّيدُو لِزَبائِنِهِ، بَلْ إنّهُ يُتِيحُ لَهُمْ أَيْضًا تَبادُلَ الكُتُبِ مَعَ الباعَةِ.
يَشْرَحُ حَسَنُ اقْرِيبِع هَذِهِ الخِدْمَةَ فَيَقُولُ: يُحْضِرُ الزَّبُونُ كِتابًا أَوْ رِوايَةً لِلْبَائِعِ، وَيَأْخُذُ مُقابِلَ ذَلِكَ كِتَابًا آخَرَ مَعَ إِضافَةِ مَبْلَغٍ رَمْزِيٍّ يَتَرَاوَحُ بَيْنَ خَمْسَةِ وَعَشْرَةِ دَراهِمَ.


 最終パラグラフでは覚えておきたい、熟語が二つあります。前者ぜひ作文でも使えるようにしておきたいところです。
بِالْمُقَارَنَةِ مَعَ ~と比較して
يَتَرَاوَحُ بَيْنَAوَB AとBの範囲で

 特に取り扱ったのは接続詞بَلْです。いろいろ用法はあるのですが、特に否定文とセットで用いられる用法を学びました。英語でいう「not A but Bやnot only A but also B」にあたる表現をアラビア語で表せます。

(not A but B)
لست فلسطينيا، بل أنا عراقيا
私はパレスチナ人ではなくイラク人です。

(not only A but also B)
ليس مهندسا فقط، بل هو معلم أيضاً 
かれは技師であるだけでなく、教師でもあります。

 より詳しい解説は依田『アラビア語』p.370や、新妻『アラビア語ハンドブック』p.334にあります。洋書であれば、Ron BuckleyのModern Literary Arabic, p.710, p.711, p.763, p.793をご覧ください。

(pdf.が落ちているとか・・・)

今回は以上です。それでは。


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