人にとっての音楽
”世界の教養” 今回はルネサンス音楽。
ルネサンス音楽は、宗教改革とリンクしているからなのか、それ以前の音楽とは異なる目的を持つという意気込みがあったらしい。
そして、ミサ曲と世俗曲という区別があるのもおもしろい。
宗教に用いられてきた音楽が、その改革の余波を受けて、音楽自体も変わっていく。
宗教に用いられる存在ではあるけれど、発展していく。
他方で、宗教から離れて、音楽独自の開拓もしていく。
今の音楽もこの2種類はあるのかもしれない。
イントロの在り方とか、曲調とか、時代によって流行があり、波のように先端の音楽はどんどん進化していく。CDからネット配信などへの媒体の変化も関係したりして、いろんなミュージシャンが独自に模索しながら、でも個人だけれはなく大きな流れができている。
他方で、人の宗教的な回帰の場所としての音楽も変わらずあるような気がする。民族音楽など、その土地に土着している音楽や、子どもの頃から聴いている懐かしさを感じる音楽。
この世界には、いろんな音がある。
風の音、川の音、木々の音、海の音、地鳴りの音。
でもこれらと区別される、人が作り出す音があり、音楽がそれだ。自然の音を取り入れたとしても、人が作り出す音の流れは、やっぱりそれは独自の音楽だ。
人は、自然の音だけではきっと物足りないのだろう。
自然の音を聴きながらも、自分の中から湧き上がる気持ちが音楽に乗せられる。誰かの作った音楽が自分の気持ちを代弁してくれる。
それは自分が落ち着く場所になるものもあれば、自分が進化していく先になるものもある。
人にとっての音楽が、音楽それ自体の意義が意識され始めたのが、ルネサンス音楽だったのかもしれない。
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