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インナーマッスルな言葉

”世界の教養” 今回はホメロスの叙事詩。
受験で「イリアストオデュッセイア」を呪文のように覚えていたけど、少し内容がわかった。しかも、「アキレス腱」がここからきているとは!

ストーリーもさることながら、何百年、何千年も受け継がれていく表現ってすごいと思った。しかも口承で始まったというのだから、かなり人を引き付ける表現だったといえる。耳で聞いて、目の前に舞台が広がり、波風も立って動き出す。
そんな想像の世界を広げる言葉ってすごい。

翻って自分の言葉について考えると、私は、ぼやっとしたものをはっきりさせることに言葉を用いることが多い。あふれる気持ちを伝える、モヤモヤしている問題を解きほぐして整理していく、とか。

私が書くものは文学とは真逆なものだけれど、言葉を豊かに、的確に使えたときに表現できる文章は、ホメロスのイリアス並みに、他人に正確に気持ちを伝えられたと言ってもいいかもしれない。その意味で、言葉の持つ力は共通する。

いっぱい勉強して語彙を増やしても、それだけで伝えることができるのは、その言葉の持つそのものの意味に限られる。
言葉の数を増やすのと並行して、いろんな人の気持ちを知り、様々な風景を見て、深く思考する、そんなたくさんの経験もあった方が、言葉を効果的に使えるようになるのかもしれない。
語彙を増やすことが表層筋を鍛えることだとしたら、インナーマッスルも鍛えて、より深いところでうまく言葉を使えるようになれば、他人により立体的にメッセージを伝えられるようになるのだろう。

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