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小6夏期算数『売買損益』

売買損益のアプローチ

売買損益が「苦手だな」「どう解いたらいいかわからないな」という方も多いと思います。この原因は決まった解法が無いこと、問題文が長く(速さも一緒ですが…)条件を整理しにくいこと、にあると思っています。

結論【じっくり読んで、わかることを整理する】

これが全てになります。とはいえ、問題の見方や整理するコツのようなものはありますので、いくつかのアプローチ方法をまとめていきます。ただ、くれぐれも注意したいのは「全部をパターンで捉えない」ということです。算数で大切なのは

ポイント【最初の一歩の踏み出し方を知る】

です。問題の解法全部を丸暗記することは不可能ですが、どんなふうに整理しようか…と考えることができると思います。問題の種類ごとにまとめます。

なお、ここで扱っている問題は全て、四谷大塚教材『四科のまとめ』の13ページを参考にして紹介しています。

単品の問題 その1

ある商品に仕入れ値の3割の利益を見込んで定価をつけましたが、売れなかったので定価の2割引きで売ったところ、96円の利益がありました。この商品の仕入れ値は何円だったか求めましょう。

仕入れ値(原価)、定価、売値(それと利益・損失)の言葉の意味と関係がわかっていない場合は、まずはその知識を整理してから取り組みましょう。
この問題の解説は下のような感じになります。仕入れ値を100としていますが、1でも5でも99でも(笑)、いくつで設定しても問題は解けます。売買損益の問題では100としておくと計算が楽になることが多いです。

売買損益01

仕入れ値→定価→売値の順に条件を整理して、比(〇で囲んだ数字)のいくつ分が何円なのか、の関係を見つければ答えにたどり着けると思います。

※繰り返しになりますが、私が担当するクラスのメンバーには『比はいくつで置いたってかまわないので自分の好きなように設定していいよ』と伝えています。みんな好き勝手にやっていますが、この一言によって「どうすれば解きやすいか?」を考えられるようになっていきます。

単品の問題 その2

つづいて1つの商品を扱う問題のうち、定価を100として解く問題の考え方を見ていきます。

ある商品があります。この商品を定価の1割引きで売ると400円の利益があり、2割5分引きで売ると50円の損失になります。この商品の仕入れ値は何円か求めましょう。

これも非常によく出てくる問題です。次のように解説していきます。

売買損益02

元気よく「3000円!」と答えてくれる子が多い問題です。子どもたちを見ていると「できた!!」と思った瞬間に最も注意力が低下するようです。「できた!!」と思ったその瞬間こそ、何を求めるのか確認する習慣をつけましょう。

複数商品の問題 その1(売れ残りなし)

売った個数の条件が入ると複雑に見えるのが売買損益の特徴です。「ちゃんと読んで、条件を整理する」のが大切です。

仕入れ値が200円の品物を100個仕入れて、3割の利益を見込んで定価をつけて売り始めました。ところが、売れ残りが出たので、残りを定価の1割引きにしたところ全部売れて、全体の利益が4960円になりました。定価で売れた個数は何個か求めましょう。

売買損益03

売買損益は「つるかめ算」を活用する問題が非常に多いです。「つるかめ算」は他の問題を解くときの道具になるので、しっかり処理できるようになっておきましょう。

ところで…
上の解説の中の【別解】は利益だけで計算をするので、登場する数字が小さく、計算も楽になります。ただ、利益だけで計算をしようとするとうまくいかない問題もあります…それが、次のような(売れ残りありの)問題。

複数商品の問題 その2(売れ残りあり)

みかんを1個48円で何個か仕入れました。くさっていた20個は捨て、残りを1個80円で売ったところ、全体の利益が3200円になりました。仕入れたみかんの個数は何個ですか。

売れ残りがある場合は特に注意が必要です。よーく考えないと、早とちりしてしまいます。

解説はこちら。

売買損益04

左側の部分、数字のスッキリさにも惹かれ3200÷32=100とやってしまいそうです。

利益=総売上ー仕入れ値合計

であることに注意をすると、単純にはできないことがわかります。(図を参照してください)

売れ残りがあるときには「総売り上げ」に注目して解く、と考えておきましょう。

売買損益で基本となる型は、このブログで紹介したものでほぼ全てだと思います。あとは長文に屈することなく、丁寧に条件を整理していって欲しいと思います。

しっかり復習して、定着度を上げていきましょう。


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