見出し画像

小6夏期算数『食塩水』

食塩水のアプローチ

夏期講習会くらいの時期は、最上位クラスでも『単純な混ぜ合わせの問題なら解けるけど、ちょっとひねられると解けなくなる…』という状態のお子さんもいらっしゃるかもしれません。

いくつかの代表的な問題について、アプローチ方法を整理しておきたいと思います。

まずは、単純な混ぜ合わせの問題から。

3%の食塩水と8%の食塩水を混ぜて、5%の食塩水を400g作ろうと思います。3%の食塩水は何g混ぜれば良いですか。

こんな感じになると思います。

上の問題が解けることを確認したら、こちらもどうぞ

A,B2種類の食塩水があります。AとBを100gずつ混ぜると8%の濃さになります。さらにBをもう100g混ぜると7%の濃さになりました。Aの濃さは何%ですか。

てんびんを使ってテクニカルに解く子もいると思います。こんな感じになるでしょうか。同じ食塩水の重さを変えて混ぜ合わせるときには、てんびんを縦に並べて書くと、目の付け所がわかりやすくなります。

また、この問題は基本通りに食塩の重さを調べることでも答えは求められます。てんびんでは解けるけれど、こちらの解き方はイマイチわからない…という方は、ぜひこっちも理解できるようになって欲しいと思います。

色々と書いてきましたが、食塩水のアプローチは結局この2つに集約されると思っています。

1.てんびん(や面積図)を使う
2.食塩の重さを調べる

入試や模擬試験で問われるような複雑な問題も条件を整理すれば、上の1と2の内容に持ち込むことができます。

【重要】順番にやりとりをする問題(等量順次交換)

2つの容器A、Bに食塩水が入っています。容器Aの食塩水の濃さは20%です。容器Bの食塩水の重さは300gです。いま、容器Aから100gを容器Bに移して混ぜたら、11%の濃さの食塩水になりました。さらに、Bから100gの食塩水をAに移して混ぜたところ、15%の濃さになりました。最初の容器Aには何gの食塩水が入っていましたか。

やりとりの問題は、やりとりの様子を図に表して「手の付け所」(変な日本語ですが…)を探します。

このようにして条件を整理すると、てんびんを使って単純な混ぜ合わせで処理できる場所が見つかる場合がほとんどです。

【重要】同時に交換する(等量同時交換の)問題
※夏の時点で、この問題がスラスラ解けるようになっていれば立派です。

A、B2つの容器があります。容器Aには5%の濃さの食塩水が150g、容器Bには20%の濃さの食塩水が300g入っています。いま、容器A、Bからそれぞれ同時に同じ重さの食塩水をくみ出し、Aからくみ出したものをBに、Bからくみ出したものをAに移してよくかき混ぜたところ、容器A、Bに入っている食塩水の濃さが等しくなりました。これについて次の問いを考えましょう。
(1)最後、容器AとBに入っている食塩水は何%になりましたか。
(2)容器Aからくみ出した食塩水は何gでしたか。

(1)は考え方に少し工夫が必要ですが、結局全部混ぜたときの濃度を求めればよいことがわかります(図の赤字囲み部分に注目です!)

(2)では、てんびんを使って解いています。ここでも等量順次交換のときと同じように、やりとりの図から必要な部分を取り出しています。

ちょっと難しい問題が多くなってしまいましたが…ほぼ全ての食塩水の問題で、アプローチは2つに集約されるということを頭に入れておいていただければと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?