見出し画像

アグアチレとセビーチェの違いとは?メキシコ料理を大解剖【前田家の世界一周】

世界一周に出て3ヶ月が経ちました。3ヶ月経ちましたが、3ヶ国目です。そう。私たちはまだメキシコにおります。最近は死者の日というメキシコの中で大切にされている祝日があり、国全体が盛り上がっています。私たちは死者の日をグアナファトと呼ばれる街で過ごしたのですが(これについては追って書きます)、その前にグアダラハラの観光をしました。その中で出会ったシーフード料理のお店「Mariscos de Reyes」をきっかけに、学んだことについてのお話です。

Aguachile(アグアチレ)とは

まず、Aguachileという名前を見てみましょう。"Agua"は水を意味し、"Chile"は唐辛子を意味します。したがって、Aguachileは「唐辛子の水」という意味です。

Aguachileは、新鮮な魚(通常はエビ)を主に唐辛子を使った酸味のある液体= Aguachileで漬け込む料理です。一般的なAguachileのレシピでは、ライムジュース、唐辛子、塩、シナモン、オニオン、コリアンダーなどを使用して、ピクルスのような漬け汁を作ります。魚をこれに漬けて食べるのが、Aguachileです。

ただ、私、思ったんです。Ceviche(セビーチェ)と何が違うねん。Cevicheも魚を酸味のある液体で漬けて、ほぼ生で食べます。

Cevicheとの違い

AguachileとCevicheの違いは主に3つあります。

  1. 酸味の液体:Cevicheでは、一般的にレモンやライムのジュースが酸味の液体として使用されます。一方、Aguachileでは、唐辛子やライムのジュースを主成分としたピクルスのような液体が使用されます。つまり、Aguachileの方が(とても)辛いです。

  2. 漬け込む時間:Cevicheは通常、魚介類を液体に浸して数時間から数日間漬け込みます。一方、Aguachileは比較的短時間で調理され、漬け込む時間は数分から数十分程度です。これにより、Aguachileはより生の風味を残し、魚介類がより生々しく感じられます。

  3. トッピング:Cevicheは通常、トマト、オニオン、コリアンダー、アボカドなどの野菜やハーブがトッピングとして追加されます。色がより鮮やかな食べ物です。一方、Aguachileは主に漬け汁と魚介類が主役であり、トッピングはあまり使用されず、魚を食らう料理といった形です。

あれ、結構違う。特に漬け込む時間は興味深いポイントでした。日本以外の海外で生魚を食べると危険!と思っているふしがあります。メキシコにいながら自分でCevicheを作った際にも、魚を一回冷凍して殺菌してから、レモン汁に数時間浸し、リスクを背負ったつもりで食べたくらいでした(結果、全く腹痛にならなかったので大丈夫なのかもしれない)。Aguachileは数分の調理工程です。短すぎんか?とドキドキしてしまいます。

ただ、私は生魚が大好きです。刺身バンザイ。Aguachileを試したくてウズウズし出しました。

Mariscos de Reyesにて

スペイン語で "Mariscos" は魚介類という意味ですが、レストラン名に入っているとシーフード料理店といった意味にもなります。グアダラハラの中でやたら評価が高いMariscosを見つけたので、ランチで行ってみることにしました。

Mariscos Reyesは、トラケパケと呼ばれるグアダラハラの中にある観光地区から徒歩10分くらいの場所にあるお店です。ローカル感抜群な街並みにあり、観光客はゼロです。レストランの中で食事もできますが、多くの市民は外のカートでテイクアウトを頼んでいました。

店内はわずか4席のみです。各テーブルには、3種類のペッパー(普通、辛い、超辛い)などの調味料と、トスターダが置かれています。メニューは壁を見るスタイル。

右側のメニューにあるものを、我ら含め多くのお客さんが頼んでいました。Aguachileが美味しいと評判だったので、もちろんAguachile(ハーフサイズ)を頼みます。

その他、Coctel Combinado (色んな海鮮が入ったカクテル、といってもお酒ではない、ミックスシーフード汁みたいな感じ)のMedio(中)サイズ。

そして、蛸のトスターダです。

まあ、頼み過ぎたのですが。

Aguachileの感想と学び

うまい!!!普通に茹でたエビよりもプリッとむちっとした食感でした。そして辛い。めちゃめちゃ辛い。上の写真を見ると、浸っている汁が青いのがわかるかと思います。多分これは、ハラペーニョ系の緑色の唐辛子を擦った8つです。最初の5口くらいは、ただただ美味しいんです。その後、口の中が炎に包まれた感覚になり、ピリピリし出します。でも、美味しいから食べるけど、口が焼けた感覚になる。魔のループが始まります。

以前食べたCevicheはもう少しマイルドですし、他の具材で辛味も調和されている気がします。そして魚介の食感も、ここまでぱつっ!ぷりっ!としていなかったです。やはり、CevicheとAguachileは全くの別物なのか、と身をもって理解できました。しかし辛い。

ちなみに、Aguachileを食べてもお腹は痛くなりませんでした。ほぼ生で食べても平気なのかと不思議な気持ちです。

私は辛党ではないし、辛さに特段強いわけでもないですが、辛いのがある程度大丈夫な場合は、Aguachileをおすすめしたいです!

番外編:ペルー人のCevicheはAguachileだったのでは?

フロリダのオーランドに滞在していた際のAirBnBのオーナーが、ペルー人の方でした。その方が、「Cevicheを作りすぎたから食べる?」と譲ってくださいました。

Cevicheなので、上記の説によると辛くないはずです。ただ、これ、辛かったです。Mariscos Reyes並の辛さでした。今思うと、あれはAguachileで、私たちにわかりやすく伝えるためにCevicheと言ったのでは?すら思っています。

地域ごとによってもスタイルが違うのだろうか。謎です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?