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自治体DXの肝は固定観念の見直しか

1,DXは魔法?

DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が、広く社会で使われ
るようになりました
区役所でも、いろんな文書にDXの文字が踊ります

中には、誰かが 「DX!」と呪文を唱えると、魔法のように便利な何かが目の前に現れる、と思ってらっしゃる方もいるかもしれません

松村はDX(デジタル変革)を「デジタル技術を使って人々の生活を豊か(幸せ)にすること」と捉え、世田谷区役所内ではDXを以下のように説明しています

「区役所のミッション*の効率達成のため、環境変化、技術進化に応じて、
業務プロセスツール体制を見直し続けること」
*区役所のミッションとは、「現在および将来の在住、在勤、在学者の幸せを極大化すること」

松村は魔法使いではないので(昔は超能力者になりたかったですが)、
「まずは自分たちの今の仕事を、3レス(ペーパーレス、FAXレス、ハンコレス)していきましょう」と職員の皆さんにお願いしております

2,「〇〇すべき」との闘い

最近、もどかしく感じているのは、松村は言えるけど、現場を持っていないので実行できないこと

3レスに加え、非効率な業務を見直してくださいともお願いしているのですが、我が身を振り返っても、これが難しい
「今までのやり方が当たり前(最良)で、変えるなんて自分が否定されたよう感じる」という気持ち、よくわかります

つらつらと考えるに、仮に新しいツールを導入しても、今までの(やり方の)固定観念を手放して、改めて業務の目的を考えないとDXを推進できないのではということ

例えば、
9月世田谷区DXのツイッターアカウント(@setagaya_DX)が爆誕しました
*コンセプトは「世田谷区のDXに関心ある人に“楽しそう” ”共感するわ”と言ってもらう」

これは、楽しみが止まらないと注目していたら、なぜだか硬い
調べてみると、役所内ガイドラインに「双方向での運用は行わない」とあり、情報の発信のみなんだそうです

区公式ツイッターは、従来の広報紙やHPと同じく情報発信機能との位置付けで、一方通行なのであるべきという固定観念があるように感じました
おそらく他の自治体も似たような状況ではないでしょうか

以前は技術的に広報紙など一方通行でしか情報を伝えられませんでしたが、今はデジタルツールを使って双方向のやり取りもできるし、それを公開の場で見せることで、更に広い範囲に伝えることもできるようになりました
うまく使うことで、伝えたい情報を伝えたい人たち・必要な人たちに、より正しく届けることができると思います

世田谷区が考えるDXの参考となる他のツイート(例えば、宮坂副知事)をリツイートすることも想定外のようです

今後、区のミッション達成のための「広報」について、関係者と一緒に考えてみたいと思います

また、別の例としては
情報共有ツールがないことから、一部職員で、マイクロソフト社のteamsというチャットツールを先行して使い始めたところ、
チームやチャットが雨後のタケノコのように多く発生し、逆に使いにくくなりました

どうやら「連絡は直接関係する必要最小限の人に、表題を付けて送るべき」という固定観念から、あて先が少しでも異なると、新たなチームやチャットを作ってしまうし、新たな用件ができるとメールを送るがごとく、チームやチャットを作ってしまったようです
チームでゆるく情報共有するというteamsの機能をうまく使えてません

3,安全安心な場と成功体験

では、どうすれば、自分の固定観念を変えていけるのでしょうか
職員の皆さんは、まじめで優秀で守備力が高い方ばかりです

まずは、役所内に、守備力を下げて素を出せる安全安心な場をつくること
そこでは攻撃されない、存在を受け入れられることも大事です
“人間は誰もが、不完全でミスするもの“を前提に、攻撃したり、存在を否定することがないようにしたいものです(もちろんミスの原因を考え、再発防止策はできるだけする)

EMSで学んだ「肯定ファースト」を活かす時がきました
その上で、何が区役所のミッション達成につながるのか、業務の本質的な目的は何なのか話し合うことかと

安全安心な場ができたら、固定観念を半歩だけ広げてみるのはどうでしょう
例えば、上記のツイッターも、フォローやいいねをしてみたり
そうすると、これまでにない成功体験を味わえるかもしれません
小さな成功体験の積み重ねが、組織風土を変えていくのではないかと期待してます

~おまけ

区内で防災活動もしている一般社団法人イヴの木のyoutubeチャンネル「グリーンインフラと防災を学ぶ、リアルサイト探訪③ ~新しい防災、減災③~」にゲスト出演しました

世田谷みどり33協働会議の大坪さんから、街中にある防災に関する工夫をいろいろ伺いました
こういった工夫は、一般の人たちが知らないので、公開すると、さらによい取り組みにもつながるだろうし、見に来てくれる人がいれば、工夫した人、メンテナンスする人のやる気は高まると思いました
デジタル技術の出番です

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