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とったどー! 介護職員初任者研修課程

皆さんは、「介護」と訊いて、何を思い浮かべますか?

認知症老人の入浴や食事、排泄の世話する人、お手伝いさん、8050問題etc.
今回は、介護職員初任者研修を受けて、介護のイメージが90度変わったお話です
ちなみに、介護職員初任者研修(以下、研修)とは、厚生労働省の定めにより2013年スタートした介護資格で、その名の通り介護職の初任者向け資格で、合格率は高いようです
*なぜこの研修を受けたのかはこちらから

1,介護のイメージ

研修前の私のイメージは、まさに家族の代わりに認知症老人の入浴や食事、排泄の世話をする人でした

実際に受けてみると「それだけじゃないな、本質的には、本人が自分らしく生きるための伴走者なんじゃないか」と感じました
これは「幸せに生きる力を与え、関わる専門家集団だ」

例えば、
認知症の人がひとりでいると、朝起きて、寝巻のまま、ぼーっとベットに寝ながらテレビをみて、誰とも話さず、そのままうつらうつらして、夜に寝て、という状況になってしまいがちです
そして脳だけでなく、体が不活性化して、死に至る
(認知症になった自分のその姿は容易に想像できる)

ところが、朝、訪問介護の方が来てくれて「着替えますか?どちらの服にしましょうか?」と言われれば、着替えるし、
「今日は天気が良いお散歩日和ですよ」と言われれば、ちょっと外に出てみようか、と思うし、
鏡を持ってもらって「気分転換におしゃれしてみますか?」と言われれば、自分の顔を認識する機会になるし(症状が進むと自分の顔も認知できなくなるらしい)、髪もとかすし、女性の場合はお化粧もしたり

他人が関わることで、自分の状態を知り、会話することで、脳が活性化し、何らかの意欲がでてくる、自分の嗜好やこだわりをベースに選択する生活を維持することで幸せな日常生活を過ごすことができる

介護職のスキルとこれらの効果を、家族も知ることで、認知症の老人を邪険に扱うのではなく、双方が幸せに生活できるのではないでしょうか

介護職って、そう考えると、食事や入浴介助などの専門知識と知見に基づいた技術もあり、加えて、その人に関わることそのものの価値(声掛け、自分を気付かせる、頑張ろうと思う、生きようと思う)ことが大事なのでは

まさに「高齢化時代の生きる力」です

これは、高齢者介護だけでなく、障害者など生き辛さを抱える人たちの支援者にも言えることだと思います

2,理想と現実のはざまで

サイボウズの問題解決メソッドでは「理想と現実の差」を問題と定義します

残念ながら、今の介護制度では、1.のような声掛け部分だけに介護報酬の点数がつくことは無いようです
(まとまって相談を受ける時間にはつく、と言われた)
虐待は論外としても、否定する声掛け、本人の意向無視でも、同じ介護報酬になるそうです、なにかモヤモヤ

さらには、大手の介護事業所の職員に直接聞いたのですが
弄便(ろうべん)する人には拘束衣を使う。身体拘束が緊急やむを得ない場合の3要件(切迫性・非代替性・一時性、すべてに該当が必要)は理解しているが、その内の一つに該当しているのだからやむを得ないと実際の現場は判断している」と言ってました

まさに理想と現実の差(問題)が大きい業界だと思います
行政監査などいろいろ制度上の工夫はされていると思いますが、
歴史的な経緯や風土、いかんともしがたい現場の事情があってなかなか解決に至らないように感じます
まずは、問題を認めて、伴走しながら問題を解決(差を埋めていく)していく動きが、業界内外で出てきてほしい
自分も何かの役に立ちたいと思います

~おまけ

先日、福岡市にある障害者支援事業所の工房まるの吉田施設長と話をし、共生社会実現への思いを新たにしてきました
吉田さんは、大学の卒論で初めて行った特別支援学校で多くの障害児を目にし、「なんでここにはたくさんの障害者いて、何で今まで自分は出会わなかったんだろう」と衝撃を受けられたそうです
そして、障害者がアート(陶芸、絵など)を通して一般社会と出会い、相互に交流できる社会をつくるために、今の事業所を立ち上げられたとのこと
ご関心ある方は、遊びに行ってみてください。おすすめです。

工房まるの外観、右手には陶芸作品が展示

~おまけのおまけ

松村の働き方(生きざまというほどではない)のインタビューが載った本「エシカルワークスタイル」の出版記念Webinar(5月13日)に登壇させていただきます(宣伝)

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