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福祉からDXを考える

学びを求めて外へ飛び出しました

日本理化学工業

知的障害者の一般雇用のパイオニア
多摩川の対岸にあることを知り、居てもたってもいられず、大山社長を訪問してきました
チョークのシェア7割強で、ガラスやアクリル板に書いて消せる新製品「キットパス」は面白そう
 
昭和35年に、世田谷区の養護学校の先生から強くお願いされ、知的障害者二人を受け入れたのが始まりで、今では社員93名中65名が知的の障害当事者(うち4割が重度)なんだそうです
また離職者も、定年等で年一人とか二人しか辞めないとのこと
 
工場を見学させていただくと、一人ひとりができることに集中し、機械と密に連携しているのにびっくり。これだけ完成度が高い工場は見たことがありません
障害者雇用の常識が全く通用しない世界で、
働いている人はどなたが障害者かよくわからない状態です
 
働く幸せの実現(物と心)と社員一人ひとりの成長を目指されている
とのことですが、それが見事に離職率に表れてます
 
また、指示など、伝わらないのは伝える側の責任と決めて、伝える相手を注意深く観察し、どうやったら伝わるのかを試行錯誤しているとのこと
(相手の特徴を認めて、相手を変えようとしない)
 
感心したのは、人の特徴に合わせて仕事のやり方を工夫していること
重度の知的障害者もいらっしゃるので、文字や数字が読めない前提です
原料の袋も色で区別、計りも目盛りや数字が読めなくても適量が計れる工夫がされてます

分身ロボットカフェ 

Orihime(ロボット)が接客してくれるカフェです
Orihimeを通してオーダーを取ったり、水を運んでくれたりするのは、日本全国にいる寝たきりの人(パイロット)
メタバース的にいうと、Orihimeがパイロットさんのリアルなアバターです 

お話しながらオーダー取ってくれます
水を運んできてくれます

オリィ社長の想いを伺って感動
寝たきりの方は、社会活動(人と出会い発見すること)ができず人生の意味を見失いがちだそうです。そのため、寝たきりでも働いたり社会活動ができるように作られたとのこと
実際、このカフェではパイロットさんが普通に働いています
 
また、NIN_NIN(Orihimeを視覚障害者の肩に乗せたもの)のデモも
松村は残念ながら先に帰ってしまいましたが、同行した障害福祉部の方々は見てくれた!
なんと、寝たきりの人×視覚障害者×ロボットのコラボです

イノベーション(革新)は既存の二つの物/ことの全く新しい組み合わせで生まれる」と聞いたことがありますが、これも同じ構造なのでは
 
寝たきりの人は、NIN_NINを通して外出できる
視覚障害者は、自販機や信号など不自由が一気になくなるし安全
しかも双方とも、新しい人と出会いお話ができちゃう訳ですよ
二人の幸せ価値を作り出しちゃうなんてメチャ革新的じゃないですか
 
ハイテクで視覚障害者の目の代わりになるロボットを作ることはできるかもしれないけど、人と人とのかかわりを目的を達成(社会活動への門戸を開いた)したことがすごすぎる

〇デジタルハリウッド大学院 ファッションテックラボ成果発表会『Re-Designing The Fashion』

デジハリの学生で、麻酔科医でメディアアーティストのみおしんに誘われて行ってきました
詳しくはこちらのnoteをぜひ見て

皮膚感覚の過敏な人用に縫い目が内側にない服や、車いす利用者が着脱しやすくファッショナブルな洋服・レインストールなどなど、
既製服を身体の特徴に合わせて着やすくお直しするサービス「キヤスク」などビジネスもでてきてるとのこと。
 
上記に共通するのは、個々人が尊重され、人のために技術が使われていること、それが見えること
テクノロジーを何のためにどう使うかが大事だと再認識しました

DX(デジタル改革)に置き換えてみると
・DXは、個々人が尊重され、人が幸せになるための手段
・技術(D)は、目的達成の為の改革(X、これまでにない組み合わせ)の手段
 人が置き去りになってはいけない

また、最近思うのですが、全国の役所がDXで後れを取っているのは、既存のものを延長して考えてしまうからじゃないかと
技術は導入できても、目的を意識できず、これまでにない組み合わせを生み出せてないのでは?

それならどうしていけばよいのか、
・一つ一つの目的を明文化し意識する
・役所内で、これまでにない組み合わせを起こすため、自由なコミュニケー
 ションの場を作る
・役所内と役所外を組み合わせる仕組みを作る
なのかなあ
もう少し思考を投資してみることにします

〇おまけ

先日、駒澤大学の経済学部の授業に特別ゲストとして招かれ、民間と役所の違いについてお話してきました
事前準備に、改めて役所の組織をみると、その広範囲ぶりにびっくり
民間だと商社を除き扱う商品が限られてしまいますが、
役所って、人の生活そのものに価値を与えてるんだなあ、と実感しました
松本先生 ありがとうございました

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