見出し画像

番付表が届いたよ【芝田山部屋】

実は今年の春に幸運なきっかけで元横綱大乃国、芝田山親方の相撲部屋(芝田山部屋)後援会に入会した。
末端の末席ながらも「タニマチ」になったのか?!

それはさておき、今まで全く見知らぬ角界に一歩足を踏み入れたことはとても刺激になっているのだ。

年6場所ある大相撲の興行後では、必ず芝田山部屋の千秋楽祝賀会が行われる。
(おそらくどの部屋でも行われていると思われる)
実は前の東京5月場所(夏場所)にて祝賀会デビューを済ませているのだ。

後援会は年会費3万円。
そして、祝賀会は一人1万円と決してお高くない。
この祝賀会は飲み放題のビュッフェ形式で十分に満足できる上、力士を間近に見て話もでき、中々なサプライズもあったりする
(初デビューでは断髪式にハサミを入れる経験ができた)

この会費だけでタニマチを味わえるのであれば、実にリーズナブルだと思う。

もちろん人の価値基準は様々であって良いのだが、それでも、V-Tuber受肉クラファンへの投資や、ゲーム課金、地下アイドル配信への投げ銭に比べれば実にリーズナブルで大きなリターンがあることだと思う。

一番大きなリターンはなんといっても力士のオーラをいただけること。
これはすごい!

私は以前に両国へよく行っていた時期があり、何かと力士を見かけることが多かった。
たいていは関取(十両以上)以外の力士ばかりを目撃していたが、それでも常人とははるかに違う何かしらのパワーに満ちたオーラを纏っていて、ただすれ違うだけでビキビキと感じるものがあったものだ。

一度だけ両国でやばい体験をした。
道路の対面側なのに、尋常ならぬ闘気の渦が巻き込まれんばかりの勢いで押し寄せてきた。
琴稲妻だ!!!!
(年代がわかるかな)

あまりの闘気に立ちすくんでしまった。
これが幕内力士のオーラか…。

こう言ってはとても失礼なのだが、琴稲妻は最高位小結の、まあ、普通に相撲をテレビで見るだけの人間からしたら「名前と特徴はちょっと知ってるよ」くらいの力士だ。
特徴的なのはその頭頂部で髷を結え無くなったら引退か?と揶揄されていた力士だ。
それなのにこの闘気…。
ただ昼に道路を歩いているだけなのに、対面側まで圧倒する闘気のオーラに立ち竦むしかなかった…。

関取ってすげえ…。

元小結でこれだから横綱はどうなるんだ?

とその時想像したものだった。

それから時が大きく経ち、まさしくその経験をした時代にあの千代の富士と双璧を成した大横綱が隣に座るというとんでもない経験をすることになる。

元横綱大乃国、現在芝田山親方が隣にいる。

ありえない状況に何をどうしたら正解なのかわからなかったが、とにかくただ観察してしまった。
なにせ極めた人間のオーラというのは格違いですごい。
芝田山親方のオーラは現役力士のそれとは全く違う次元のエネルギーに満ちているのだ。
あの千代の富士と対等に戦っていた漢の側で話ができるなどと、リアルタイムで観てた時には全く想像もできなかったが、今、こうしてそれが実現すると、ただただ有り難みと感謝しか湧いてこないのだ。

それくらいに、成し遂げた人間のオーラというのは、えもいわれぬエネルギーがあるのだ。
これだけはいくら説明しても仕切れないし、そのオーラのエネルギーは計り知れない。

力士が崇拝されるのは実に理解できる。

その力士を育てる相撲部屋に少しでも貢献できるということ自体、なんて幸せなんだろうと自分でも感じるのだ。
私が後援会になぜ入ったかが少しでも理解いただけたら嬉しい。

さて、後援者のリターンとしては場所前に「番付表」が送られてくる。

居酒屋やスナックに多く見る、何かの時にたまに目にするアレだ。

この現物が直に家に届く。
これだけでも後援会に入って良かったと心から思うくらいに、この番付表がとにかくなんかすごいのだ。

この番付表は毎場所番付編成会議後すぐに作られる。
今のこの時代なのに、行事の手書きで作られているらしいのだ。

番付表。
くまなく見ると実に面白い!

たった一枚の文字だけの紙に、実に深い相撲の歴史、しきたりが込められている。
聞き齧りの知識で恐縮だが、少し説明したい。

一段目
横綱 大関 関脇 小結 前頭
が書かれる。
いわゆる「幕内力士」
テレビで放映されるメインイベントの力士たち。

ここまでが「幕内」力士

二段目
十両 幕下
が書かれる。

ちなみに、十両力士にも「前頭」の文字がついている。
役付け(横綱 三役)以外の関取は全て前頭となっている。
そのうち、幕内ではない関取が「十両」という位置付けになる。

そして、幕下は関取ではない。
関取には一人前として給料が支給されるが、幕下にはそれがない。
十両と幕下は天国と地獄と称される。
十両までの太文字はそれなりの風格と意味がある。

ちなみになのだが、幕下の役名をみると「同」と書かれている。

「司」ではなく「同」


十両から同じく続くという意味で、実は幕下も「前頭」なのだ。
この前頭は「前相撲の頭」という意味らしい。
前相撲とはこの番付表に名前が載らない力士たちが取る相撲で、この前相撲で良い成績を収めたものが番付表に載る力士となり、これを「出世」という。なるほど。
最下段まで、略字ながら「同」が続くので、番付表に載っている力士は、役付け力士以外は全て前頭となる。


三段目 序二段 序の口

力士の階級でも、三段目と序二段/序の口には隔たりがあるとされるらしい。
三段目からは雪駄、外套の着用ができることから寒い思いをしなくて済むとのこと。

序の口、序二段はそういった意味では、全く半人前扱い。
しかも、この番付表に載らない「前相撲」の力士がいるということは調べるまで全く知らなかった。

こうやってみて、当たり前にテレビで大相撲観戦で登場している幕内力士の凄さがやっとわかるというもの。
琴稲妻の闘気渦巻く凄まじきオーラも納得だったのだ。

そして、その頂点:横綱に君臨していた元大乃国:芝田山親方の偉大さたるや、形容し難いものがあるにもかかわらず「スイーツ親方」などと、全くその凄さを引っ込められる器量の大きさは、逆に偉大さを増幅させてしまうものなのだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?