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赤札と白札

実はレッドをちゃんと飲んだことがなかった。

やっとレッドを見つけて買えたので、口開けは世界最高のグラス「サンルイ」で飲んでみる。比較のホワイトはバカラにした(笑)

長い長い旅路で最後にたどり着いたのは、サントリーの根幹「ホワイト」だった。

山崎の高騰でなにかと再評価のサントリーだが、本当の実力はデイリーブランドに現れるのはワイナリーもディスティラリーも一緒だ。

サントリー派として、ザ・ウイスキー(dead)、インペリアル(dead)、響、ロイヤル、リザーブ、シングルで山崎、白州、オールド、角、ホワイト、レッド

亜流で知多、トリス、Q、

この中で唯一、ちゃんと飲んでなかったのがレッドだけだった。

最近、ホワイトを常飲していて、逆にレッドが気になりだして酒屋に入ってはチェックしてたのに、全然売っていない!!!!

売っているのはトリスとブラックニッカばっかり!

なんで、ここまでレッドが売ってないんだろうか?

実は、最近ホワイトを飲んで思ったのが、味が確実に昔より美味しくなっている。特に、グレーンの口当たりが半端なくシルキーになってる。これ、知多を飲んだときに感じたんだけど、サントリーはグレーンウイスキーのクオリティこそ高評価するべきではないのかと。

グレーンの高品質化があれば、その比率の高いデイリーブランドこそその恩恵をうけるはずで、ホワイトの味向上も納得できる。

しかし、トリスはどうかというと、これはまずい・・・

全く、グレーンの質感が違うんだよね。

どうも、この辺に答えがありそうでここからは勝手な想像で書く。

最近、やたらサントリーはトリスを押している。

だが、しばらくトリスは市場から消えていた。

おそらくだが、トリスはクオリティを落として再発売したのではないかと。ブランドのキャラ的にシティ・ポップテイストでいわゆる「伝統」をイメージに持つ必要がない。リバイバルのターゲットが確実に若者へベクトルが向かっているので、グレーンもモルトも適当で文句が出ない。

ところが、ホワイトとレッドはそれ自体がサントリーの歴史なので、昔からの厳格なファンたちに対して「味の均質化」を堅持しなければならず、グレーン・モルトのクオリティプロポーションが変えられない。→全体的な基本原酒のクオリティが上がってきているので、その恩恵がホワイトとレッドに現れた。だが、トリスは低コスト化が可能でまずくなった。

レッド/ホワイトに使われていのが、おそらく、本当は変えたいんだけど変えられない高品質原酒なのだろうと推察している。なので、レッドが最近店頭に並ばないのではないかと・・・

その証拠に、ハイボール戦略で大きく市民権を得た角は、その戦略前と比べて大分品質が落ちた。そして、キャラも大きく変わっている。角もそこそこ伝統を背負っているはずだが、ハイボール戦略で足枷がはずれたような味になってしまった。もっとも、角はブラック、白角とサントリー本流にさせようとしたがかえって迷走させてしまったブランドだった。その意味でもハイボール戦略は見事に穢を浄化できて低コスト化を達成できたのだろう。(想像で書いています)

レッドの感想

超爽やかなエステルが鼻と舌から抜けてなんと飲みやすいこと!

ただ、香り自体は薄い。キックバックでの香りで楽しむタイプ。

アルコールの刺激が殆ど感じないくらいにグレーン熟成が高い。これには驚いた。

なので、モルト原酒の香りと深さを求める酒では当然ない。

正確には「モルト香を感じられるとても美味しいグレーンウイスキー」

ストレートとロックでは、アルコール自体のすごく美味い旨味(=グレーン)をとことん感じられるが、水割りではまったくそれらが消滅するほどにキャラが薄くなる。

ホワイトは、水割りでもしっかりモルト原酒を感じられるところでキャラ付けが変わっている。

ホワイトのモルト香が極めて深くて上質なのに対し、レッドはとても良い意味で浅い。

兄弟ブランドなのに結構キャラが違うのが面白い。けれども、兄弟なので確実にクロスオーバーしているところもある。

それがおそらく超シルキーなグレーン原酒なのだろうと想像している。

時々レッドをロックで飲むだろうなと・・・

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