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某所で知った「出版コンテスト」詐欺
noteの「創作大賞」開催中に水を刺すような話題かなあ……と思いつつ。
やはり気をつけていただきたいと思う「コンテスト&出版詐欺」。
実は、某所で「またぞろこの手の話が出てきているらしい」という注意喚起を見かけました。
私も3年ほど前にこの手の「私設コンテスト」にまつわるトラブルに巻き込まれ(というより、ほぼ詐欺告発案件)、地元警察まで巻き込んだことがあります。
この件ではあちこちから未だに恨みを買っているかもしれませんが、ちゃんと「明白な法的根拠」がありました。
私が「詐欺だ」と断定したポイント
これは警察にも話したのですが、やはり「怪しい」出版詐欺の手口として、目安にしてほしいと思います。
・「◯◯出版」といういかにも会社っぽい名称を名乗っていたが、そんな会社は存在していなかった
→会社は必ず商業登記義務があり、紛らわしい名称を用いた時点で「会社法違反」に問われます。
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 会社 株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社をいう。
二 外国会社 外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体であって、会社と同種のもの又は会社に類似するものをいう。
三 子会社 会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。
(会社と誤認させる名称等の使用の禁止)
第七条 会社でない者は、その名称又は商号中に、会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
・◯◯出版の契約内容が、実質的に「著作権譲渡」だった。しかも、報酬が「電子マネー払い」というもの。
→手法自体は違法ではないですが、法人が銀行口座の一つもないというのが、不自然です。
法人が銀行口座を持つのは、社会的信用がある証明にもなるんですよ。
(※法人の銀行口座開設はマネーロンダリング等防止の観点から、一般の人の口座開設よりも審査が厳しいです)
・私が告発した直後に、BASEの「代表者名」が変わっていた
・「◯◯出版」を名乗る割に、会社の住所としてBASEに掲載されていたのは、住宅街ど真ん中にある築33年の木造アパート。
→Googleのストリートビュー&不動産会社の賃貸斡旋物件で確認しました。
どう見ても会社として機能している感じではないですし、銀行も担保設定ができないような代物でした。
……というもの。
ちなみに、本物の会社であるかどうかは、「定款」として公表されているものからも判別できます。
これも、一定事項(定款の絶対的記載事項)については「登記義務」がありますから。
(定款の記載又は記録事項)
第二十七条
株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
一 目的
二 商号
三 本店の所在地
四 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
五 発起人の氏名又は名称及び住所
会社の設立登記義務
会社法§911:株式会社
§912:合名会社
§913:合資会社
§914:合同会社
(変更の登記)
第九百十五条
会社において第九百十一条第三項各号又は前三条各号に掲げる事項に変更が生じたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、変更の登記をしなければならない。
自費出版の相場
自費出版については私も検討・調べたことがあります。
ちなみに私の地元の某出版社では、
最小ロット:100冊~
最安価格(B6版、160P):40万円~
でした。
まあ、「モノヅクリ」のシンプルな考え方からすると、大手出版社の本があの価格で販売されているのは、大量印刷してその分印刷コストを抑制しているから……と、想像できますよね。
だから、「オーダーメイド出版」のPODは、どうしても単価が高くなるんですけれど(^_^;)
(マニアックな稀少本が高いのも、同じ理由です)
ですが、個人的には……
100万円以上も出資して在庫を抱える可能性があるくらいだったら、多少本の単価が上がっても、PODで出すほうが余程健全だと思います。
手売りで100冊販売するって、なかなか大変ですよ。
後は王道ですが、「大手出版社主催」のコンテストで入賞してからの「出版ルート」狙いでしょうか。
(note創作大賞などのパターンですね)
今回某所で「K様」が取り上げられた事案は、かつて起こった「新風舎事件」、そして私が遭遇した事案と似ているなあ……と感じた次第です。
ともあれ、皆様も気をつけてくださいませ!
なお、「法人としての登記があるかどうか」を調べるには、国税庁の法人番号公表サイトでチェックしてみるのがおすすめです。
これまで数々のサポートをいただきまして、誠にありがとうございます。 いただきましたサポートは、書籍購入及び地元での取材費に充てさせていただいております。 皆様のご厚情に感謝するとともに、さらに精進していく所存でございます。