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ひっつみ、新バージョン

私が青森に住んでいた時分に覚えた郷土料理。それが「ひっつみ」です。
ただ、青森の郷土料理というより「岩手の郷土料理」として紹介されることが多いかもしれません。

私の住んでいたのは「南部地方」なので、そう考えると、ひっつみは「南部地方の郷土料理」というのが、正解な気がします。

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で、前に青森在住の人ととたわいもない話をした際に、「『ひっつみ』と『すいとん』の違いは何か?」と訊かれたことがあります。
(注:かの方は青森地方在住。文化圏がやや異なります)
これは、私もうまく説明できませんけれど。

すいとんは「小麦の団子」の形状であるのに対して、ひっつみは「小麦粉を練って、手で引き伸ばして茹でる」のが特徴だと思います。
私もきちんと教わったことはないので、詳しい作り方はプロのレシピをどうぞ!

鈴木登紀子さんの仕上がりを拝見すると分かりますが、「ピラピラ」した食感が、ひっつみの持ち味だと私は考えています。
私は「ひっつまむ」のが下手ですけれどね(苦笑)。

◇◇◇

ただ、「ひっつみ」というと「鶏肉」がメイン食材として使われることが多いようなのですが、昔、青森在住時に「馬淵川まべちがわを遡上してくるモズクガニを潰して、カニ味噌の風味をつけたひっつみ」という、海鮮バージョンもあると知りました。

私が住んでいたのはもう少し内陸の方ですが(なので、岩手のレシピと同様に鶏肉バージョン)、海鮮バージョンのひっつみに憧れていたんです。

で、カニとは行かないまでも、「海鮮バージョン+季節感のあるひっつみ」ということで、福島の要素も加えるべく。

「サンマのつみれinひっつみ」を作ってみました。
ちなみに、サンマはタイムセールで売っていた「3匹300円」になっていたサンマです。
面倒なので、皮を剥いで中骨を手で取った後、薬味(ねぎ、生姜)、片栗粉、溶き卵適量を加え、フードプロセッサーにかけてミンチ状に。
真ん中の茶色いのは、臭み消しも兼ねた自家製のお味噌です。

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別途、小麦粉(今回は中力粉を使用)に水を加えて耳たぶくらいの硬さに練り上げ、寝かせておいたものを沸騰したお湯で茹でて、冷水にとって締めておきます。
(本汁と一緒に茹でると、ドロドロになってしまうので^^;)

他の具材は、つみれ汁を作る手順と一緒で、

1.根菜類(今回はごぼう、にんじん)から茹でる
2.根菜類に火が通ってきたら、まいたけ、ネギなどを加え、さらにつみれ種を落としていく。
3.つみれと同時に、別茹でしておいた「ひっつみ」を加えて、つみれが浮き上がってきた後5~10分ほど煮込んでひっつみに味をなじませていく。

という感じで仕上げてみました。

そもそも、「ひっつみ」は南部地方の家庭料理。
家庭によって作り方も異なるそうなので、これはこれでありかな?
と、思います。
(通常のひっつみより手間がかかりますが^^;)

味付けは、顆粒だし、お酒、そして醤油。
わたしが使っているのは、もちろん「ヤマボシ醤油様」。今回は「吟上」を使用しています。

あまり魚類を好まない妹からも、今回のひっつみは好評でした😊
さらに調べてみると、八戸では「キンキン」(多分、キンキ=キチジだと思います)を使うレシピもあるようですから、こちらも美味しそう!

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ちなみに、「ひっつみ」そのものの材料は、小麦粉(できれば中力粉)+水とシンプルですので、地域を問わず作れるメニューです。

私が「青森」以外で食べたことがあるのは、大学時代に「郷土色フェア」として、学食のメニューに登場していたときでしょうか。

でも、青森の給食で出ていた「ひっつみ」とは、やっぱり何か違うんですよね。

うーん、いまさらながら、ひっつみ。
奥が深いです。


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#ひっつみ

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