九月九日金曜日

目が覚めたとき、見た夢の長さから朝だと思った。

ベッドに散らばった読みかけの本、足元に畳まれた掛け布団、枕に乗っていない頭。また寝てしまっていたみたいだ。

見た夢がなかなか面白かったため、記録として残しておこうと思い立ち、今こうして書いている。


友人の結婚式を終え、家族と合流したかった私は、いつも通る大きな橋の中央から東西南北を判断して地図も見ずに目的地へ向かった。

電灯もあまりない夜道を迷いながら進み、やがて着いた建物へ進むと中に家族の姿が見えた。家族を含めて中にいる人全員が喪服を召しているのに気が付き、自分の服装を思い返してすぐに外へ出た。しかし間の悪いことに丁度参列者がごった返している時間帯で、何人もに白い目を向けられてしまった。

なかでもすれ違い様に「キモ」と言ってきた女性につい「は?」と返すと「キーーモ!!しーねしーね!!!」と怒り出したので、それはこの場では控えるべき言葉じゃないのかな…。と思いながらも「てめえがな!」と応戦した。ギャアギャア。

その後車の中で装飾品を外し、普段着に着替え終わったところで窓の向こうに先ほどの女性が見えた。暇だったので話しかけに行く。

「おい、着替えてきたぞ普段着コーデだよ」

「ん?ああ、いいじゃん」

「だよね〜。さっきまで結婚式行ってたんだよ」

「ふぅん、それでだったんだ」

「そ。まさか「しね」まで言われるとは思わなかったけどね」

「虫の居所が悪かったんだよ。苛々してた」

「いいよ別に。あんなにハッキリ喧嘩するの久々で面白かったし」

「喧嘩が楽しいの?馬鹿?」

「いいねえそれ」

そう言って、手をグーの形にして相手へ向ける。と、相手も笑って拳を合わせてきた。


とまあ、ざっくり言うとこんな夢だった。

その後一緒に車に乗って帰るシーンもあるけれど、そこは特に語るまでもないかと思うので割愛。

なんかこの友達へのなり方が好きで記したくなった。夢だから願望が現れるのは当然だね。

昔は少し前まで喧嘩していた友達と仲良くなることが割とあって、腹を割って話すみたいなことだと思うのだけれど、最近はあまりない。

あまりないからこそ、こうした友情関係良かったよな〜。ってなってるのだろうなと思った。






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