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好きな曲をまとめてみる

自分はどういう曲が好きなんだろう

と、ふと思うことがあったので、ちょっとここいらで自分の好きな曲をまとめてみようかと思います。ぼちぼちとね、ぼちぼちと。

今回は、全日本吹奏楽コンクール課題曲の中からピックアップしてみます。
この類のコンテストが大の苦手となった今でも、なんの因果か、毎年課題曲が発表される度に一通り聴いています。「あ、この曲は好きかも」とか「どうしてこの曲が選ばれたのか」なんて、一人でああだこうだと考えたりします。もう金輪際出たくないはずなのに不思議ですよね。

まぁ、選ぶとキリが無いし、長くなりそうなので、10曲程度ちゃちゃっと書いていきます。もし良ければ、気になる曲を聴いてみてください。


真島俊夫:吹奏楽のための交響詩「波の見える風景」(1985年 課題曲B)

非常にセンチメンタルな主題とオーボエのソロ、終盤のブラスセクションは個人的にとても心惹かれます。特に終盤、ホルンのオブリガードがとても格好良い。ホルンプレイヤーからすれば、わりとハードでしょうけれども…。
こちらの動画は、のちに作曲者自身がオーケストレーションなどを改訂された「改訂新版」と呼ばれるバージョンの演奏です。

保科洋:風紋(1987年 課題曲A)

30年以上経った現在でも演奏会で取り上げられるほど吹奏楽の世界で人気のある作品で、僕が保科氏の作品を好きになるきっかけとなった曲です。動画は、課題曲版でやむを得ず省略した部分などを加筆し、1999年に発表された原典版の演奏です。

三善晃:吹奏楽のための「クロス・バイ・マーチ」(1992年 課題曲C)

どちらかと言えば合唱のイメージが強い三善晃氏の作品。昨今の課題曲と比べて難易度は高いですが、マーチの固定概念を良い意味で覆してくれた非常に格好良い作品です。

間宮芳生:ベリーを摘んだらダンスにしよう(1994年 課題曲Ⅰ)

間宮氏は「吹奏楽のための序曲(1986年)」、「マーチ『カタロニアの栄光』(1990年)」と全日本吹奏楽連盟委嘱作品を書かれていらっしゃいますが、個人的にはこの曲が一番好きです。木管主体でどことなく神秘的ですし、後半のリズミカルなベースラインがまた秀逸です。

田村文生:饗応夫人 太宰治作「饗応夫人」のための音楽(1994年 課題曲Ⅲ)

太宰治氏の小説「饗応夫人」を題材とした作品。高校時代に初めて聴いた時は「なんじゃ、この曲」と思いましたが、得も言われぬワクワク感が残り、気付けばこの曲を何度も聴き返していました。
この後、氏の作品「Lady Mallow~葵上~」と「トルキッチュ行進曲」で同じ目に遭いました(笑)。

高島豊:第一行進曲「ジャンダルム」(1995年 課題曲Ⅲ)

冒頭のクラリネットをはじめとする木管セクションのメロディー、その裏で良い仕事をする木管低音が良い…。同じ年の課題曲「行進曲『ラメセスⅡ世』」も大変素晴らしい作品ですが、個人的にはこの曲のほうが好みです。

伊藤康英:管楽器のためのソナタ(1996年 課題曲Ⅰ)

伊藤氏の作品が好きで、その延長線で初めて聴きましたが、「聴いたら分かるちゃんと演奏技術が要るやつやん…」な作品です。しかし、きちんと作り込まれているがゆえ、音楽的に勉強になりそうですし、そもそも楽しそうなので、いつか取り組みたいと強く思わせてくれます。

池辺晋一郎:胎動の時代ー吹奏楽のために(2000年 課題曲Ⅲ)

同年の他の課題曲に比べると地味かもしれませんが、ラストにかけて力強さを感じさせる、ある種の明るさを持つ作品だと思います。やはり後半のホルン、良い仕事をしていますね。
高校時代の僕が抱いていた池辺氏へのイメージは、「『N響アワー』で息をするようにダジャレを放つオジサン」でしたので、「そんな人がこんなに良い曲を書くのか…」と少し衝撃を受けたことを聴く度に思い出します。

諏訪雅彦:ウィナーズー吹奏楽のための行進曲(2003年 課題曲Ⅰ)

繊細で美しい、しかし壮大で力強くもあるコンサートマーチ作品。冒頭のトランペットソロは言うまでもなく、ここまでオーボエがしっかり目立つコンサートマーチはなかなか無かったはず…。
個人的に2000年以降の課題曲マーチの中で珠玉の作品だと思います。今後、「ウィナーズ」を超える課題曲マーチは出てくるのか…なんてやや暗澹たる気持ちになるほど素晴らしい作品です。

木下牧子:パルセイション(2006年 課題曲Ⅲ)

名前の通り、”Pulse(拍動)”を終始冷静に刻み続ける緊張感のある曲です。この曲、重要な役割を担うホルンがとても格好良いんですよね。曲の印象から「暗い曲」なんて言われていましたけれど、個人的には聴けば聴くほどハマりました。

諏訪雅彦:16世紀のシャンソンによる変奏曲(2009年 課題曲Ⅰ)

「ウィナーズ」を作曲された諏訪雅彦氏の作品。16世紀のフランスで流行した「若い娘」というシャンソンを主題に5つのバリエーションから構成された変奏曲です。そういやこの曲、高校時代に課題曲を選曲する際の初見合奏で最後まで通らず、そのままボツになってしまった記憶が…。

保科洋:インテルメッツォ(2017年 課題曲Ⅲ)

「風紋」を作曲された保科洋氏の作品。「とにかく歌える曲、そして美しい曲を…」という作曲者の思い通り、綺麗な響きのする曲で、近年ではあまり見ないタイプの課題曲です。かなり表現力を要求されるでしょうけど、演奏してみたいですね。

鈴木英史:ジェネシス(2022年 課題曲Ⅲ)

伊藤康英氏がYouTubeで解説されている動画を観たことも影響されていますが、鈴木氏の創意工夫が至るところに散りばめられていて、「音楽の面白さ」や「演奏する楽しさ」を改めて認識することのできる作品です。他の鈴木作品と同様、とても良い響きがします。

あとがき

すみません、めちゃくちゃ長くなりました…。

こうしてみると、
・好きな曲と演奏経験のある曲(思い入れのある曲)は違う
・ほとんど非マーチ作品
・図らずも職業作曲家の作品ばかり
(毎年、アマチュアの方々の素晴らしい作品も多く採用されています。)
といったように、おのずと傾向が出てくるもんですね。

ピックアップした作品は、コンクール終了後もコンサートピースとして長く演奏される機会が比較的多いです。「この12分間に全てをかける()」と言わずに、その先でも演奏される作品がさらに増えていくといいなぁ…なんて思ったりしています。

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