誰もキミにはキョーミないよ。

自己紹介なんだから、自分の事を喋れば良い。と思うのだけれどどうしても固まる。何か相手にとって有益な話を、思い上がる。僕は今ここで誰にも求められてなどいない。それは分かっているけれどそれを超える何かを、叩き出したいと思うのは、わがままですか?

自己紹介の時、誰もが何かを求めている、のではないか。少なくとも僕がそうだ。単調な固有名詞の置き換えの連続にうんざりして、風向きがリズムが香りが少しだけ変化するのを待ち望んでいる。変化を起こすべきなのは僕じゃないし、きっと誰でもない。しかし、誰かが勇気を持って踏み出すとき、その誰かは僕じゃあダメですか?

「やり切る」と言うのが上質な面白さの必要条件だと思う。僕が好きなのは場の雰囲気に迎合せず、見る側と見られる側に明確な線が引かれていて、笑い声に決して掻き殺される事のない、皆の鼓膜を打ち心を揺らす、そんな存在だ。と気づき、そうなろうとして、声が震える。やり切った先に共感が少しでも拾えれば御の字で、ただ彼らが変だなと気付く前に舞台を去る事が出来れば、あとに残る音は大きく反響するのかもしれない。

大きな声を出しましょう。とりあえず。「はい。」と笑顔で、手を胸の前で打って前を向きましょう。それが出来たら後、好きな食べ物から言い始めましょう。いつかたどりつくはずです、貴方の自己の紹介に。

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自己紹介

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