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赤坂、六本木は何処。

年始に東京から帰ってきた高校時代の友人に会った。
仮にA氏としておこう。

A氏は現在東京で同居している彼氏さんがいて、私とA氏が会うときにも顔を出してくださった。SNSでは面識のある方なので、さほど人見知りせずお話することが出来た。

お二人は地下鉄千代田線沿線にお住まいで、私が「なぜお家賃も高そうなのにそこに越したんですか?」と質問をすると、彼氏さんからこういう回答が帰ってきた。

「職場が赤坂なので、千代田線で一本で行けるところがよかった」

私はこの言葉に一瞬ピンと来なかった。
赤坂、赤坂…… どこだっけ。
そう、赤坂が都内のどこにあるのか出てこなかったのだ。

流石に長いこと鉄道趣味をやっているから、千代田線が小田急線の代々木上原から出て、明治神宮前を経て国会議事堂とかあのへんを走り、西日暮里、そこから北千住、綾瀬へ至り常磐緩行線へとつながる路線というのは理解している。ところが、途中の経路というものが皆目見当もつかない。

かろうじて山手線と中央本線で形成される「8」の字の下の方に赤坂があるということは覚えていたから、『ああ、原宿と国会議事堂前の間で赤坂を経由するのだろう』と納得して、「それは便利そうですね」と簡単に返しておいた。話はそのまま1DKなのに家人2人ともテレワーク率が高くコンロの前でテレカンをするはめになっているとかそういう話になっていた。

帰ってきて、改めて東京メトロの路線図と、グーグルマップを見てみた。

東京メトロの赤坂付近の路線図(東京メトロWebサイトより引用)

なるほど、永田町の裏に赤坂があって、更にその裏に六本木があるような構図になっている。

赤坂といえば料亭、たしかにこの立地であれば政治関係のお歴々にも使いやすそうではある。さらなる会を開きたい場合は自動車でそのまま六本木へ移動すればよい。
また、赤坂にも六本木にもテレビ局があるから、その手の芸能関係の需要もあるのだろう。大阪でもテレビ局のある福島や天満は、価格帯こそ違えども立派な飲み屋街だ。
逆に言うと、この立地にテレビ局があれば記者やカメラマンが永田町へ急行できるから、その点でも好都合である。長いこと、『アソビ』の気の強いまちになぜテレビ局が、と思っていたがこれなら納得だ。

『夜の街六本木』というのは知っていて、なぜ山手線の駅もないようなところで酒を飲むのだろうかと不思議に思っていたが、なるほど、改めて地図を見てみると納得できるものだ。

そういえば、この近辺の地図を見ることで、六本木や赤坂は「港区」なのだと言うこともわかった。全く水の気配がしない土地ではあるが、そういう区割りになっているらしい。

東京では港区に住むのがステータスとよく聞く。

大阪市民をしている私からすると「港区」と言われると貨物上屋の並ぶ臨港地帯をどうしてもイメージしてしまうが、東京の港区というのは品川や汐留あたりから、赤坂や六本木あたりが区域になっているらしい。
これを知るまで、『港区のタワマン』と言われると『新橋から品川にかけての海沿いに建つ高層マンション』を想像し、「冬の通勤時に風が大変そうだな」と勝手に心配していたが、まったくの無用だったようだ。

学生時代にはノー勉で新聞掲載のセンター地理を解いたところ70点という微妙な成績を誇ったことがある私だが、こんなテレビジョンで耳慣れた地名がどこにあるかよく理解していなかったのは、まさに「港区」だけに灯台下暗し、きっちり少しでも疑問に思えば資料をあたるべきだな、と痛感する年始となった。



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