【Mリーグ】リーチ超人の選択
2019Mリーグ、レギュラーシーズン最後の半荘。トップの和久津より17700点下で迎えた南3局の親番。トップ以外は敗退確定の村上に与えられた14牌は、誰の目から見ても明らかに病んでいた。
さて、何を切るか――
この配牌から村上が選択したのはオタ風ではなく、孤立の役牌である南だった。僅かなアガリの可能性を、連荘の可能性を、勝利条件を満たすための一縷の望みを、役牌の重なりに求めるのではなく
これがリーチ超人の真骨頂だ!
といわんばかりに、この素材からでも門前リーチを狙ったのだ。しかしこの南は南家の佐々木がポン。すると瞬く間に――
佐々木はテンパイを入れる。その時村上は、ぱっと見で何シャンテンなんだかもよくわからない。ダメだ・・・ もう終わりだ・・・ きっと誰しもがそう思ったに違いない。
追い討ちをかけるように和久津もイーシャンテン。次巡に村上は急所を引き入れ、なんとかリャンシャンテンまでたどりついた。
まさか・・・ あれが追いついてしまうのだろうか?
結果的に村上の追撃はここまでだった。しかし、もしも次巡村上が「リーチ」と発声できたなら、戦況を大きく変えることができたであろう。
もう一度配牌をみてほしい。確かに役牌を重ねてうまくポンできたところで、他家を足止めすることは叶わないかもしれない。そう判断したからこそ門前リーチを狙った役牌先切りなのであろう。
それでもこの絶望的な配牌で、全く後が無いこの状況で、微塵も役牌に頼ることなく、門前リーチを一直線に目指した村上に、一種の凄みを感じたのは僕だけであろうか? そして出来る事なら「リッチ!」と発声させてあげたい!と思ったのも、きっと僕だけではないはずだ。
南3局はたった4分半の出来事だったけれど、最後の最後に良いものを見せていただいたと感動しました。
お疲れ様、村上プロ。
お疲れ様、ドリブンズのみんな達。
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