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AirPodsとVoicyの組み合わせから考える大ヒットの条件

最近5年で、私の生活を変えたものの圧倒的No1は
 AirPods + Voicy
の組み合わせです。

その組み合わせは、何が素晴らしいのか?
そして生活習慣を変えるような商品が生まれる条件は何なのでしょうか?
それについて考えてみます。

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AirPodsとVoicyについて

AiPodsとVoicyについてあまり知らない方もいるでしょう。
まず簡単にAiPodsとVoicyについて説明します。

商品の内容と特徴

AirPodsはイアホンです。
次の2つの優れた特徴があります。

  • ノイズキャンセル機能で外部の騒音を軽減できる

  • ワイヤレスでコードがなしで身軽に動ける

Voicyは個人も届けられる音声メディアです。
音声版のYouTubuと思っていただければいいでしょう。
音声メディアは他にもありますが、Voicyは学べるコンテンツが多いのが特徴です。

AirPodsとVoicyの組み合わせは何がすごいか?

AirPods + Voicyのすばらしさは、家事や移動をしながら音声コンテンツを聞けることです。
「それって20年前のウォークマンの時代からできていたよね?」
という感想の人が多いと思います。

AirPodsがでる前は何の放送を聞いていましたか?
音楽という答えの人がほとんどかと思います。
その理由は、雑音が多いと話を理解するのが難しいからです。
そのため聞くのは自然と音楽になります。

AirPodsのすばらしさはノイズキャンセル機能がつくことによって、人の話の音声コンテンツを外で聞けるようになったというのが一番のポイントです。
そのおかげで、勉強など内容を漏らさず聞きく必要のある配信も聞けるようになりました。


私の生活の何が変わったのか?

AirPods + Voicyのおかげで2点、劇的に生活が良くなりました。

良くなった点1:掃除,洗濯,皿洗いの家事をしながら聞ける

「スピーカーや普通のイアホンでも同じでは?」
と思いませんでしたか?
皿洗い時の水の騒音の中だと今までは話が聞けませんでした。
掃除で部屋を移動したら音声が途切れてしまいました。
AirPodsだとそれを解消できます。
つけてみるとまったく違うことがわかるでしょう。

良くなった点2:散歩で運動する習慣がついた

散歩のときはVoicyを聞くという自分ボーナスを作りました。
三日坊主だった運動が、Voicyを聞くのが楽しみで続くようになりました。

良くなった点3:音声学習の時間が90分できた

家事と散歩の時間をあわせて60分、Voicyを聞けるようになりました。
Voicyは勉強になるコンテンツが多いです。
音声学習の時間を大きく確保できたのはものすごいメリットです。


画期的な商品の条件は何か?

ではものすごくよかったり革新的だと思われる条件は何でしょうか?
高性能の商品でしょうか?

それは、その商品が自分の行動を変えるかどうかです。
AirPodsはすばらしい商品です。
ですが音質が良くなったという理由だけで、私達は革新的だと感じません。

商品、行動、環境の3つの循環

ではいったい何がすごかったのでしょうか?

まずはAirPodsのノイズキャンセル機能によって、騒がしいところで「話し」を聞けるようになったことです。
特に勉強など言葉を聞き逃すと理解しにくくなる分野では、とても効果が出ます。

「話し」を聞けることになったことで、スキマ時間に勉強できるという大きなメリットがうまれました。
Voicyには有益な勉強になる情報を配信している人が多いです。

まとめると次のような好循環がおきています。

  1. AirPodsが売り出されて、「話し」をながら作業で聞けるようになる

  2. 利用者が「音楽」から「話し」を聞くように行動をかえる

  3. Voicyの利用者が増え、優良なコンテンツを発信するVoicyの人が増える

  4. 優良なVoicyの配信を聞くためにAidPodsを買う人が増える

ひとつひとつの要素は、大きなものではありません。
ですが組み合わさって循環することで、大きな雪だるまのように膨れて効果がでています。

この内容を抽象化して書くと
 商品販売 ➡ 利用者の行動変更 ➡ 環境変更
ということが起きています。


生活習慣をかえる商品例

商品販売 ➡ 利用者の行動変更 ➡ 環境変更
の循環がおきることは、生活習慣をかえるような大きな商品には必ず起きています。

検証のために、他の例でもあてはまるか考えてみます。

iPhone

今世紀最大のヒットといえばスマホでしょう。
iPhoneにとって商品と行動と環境は次のことがあてはまります。

商品:iPhone
行動:電話から情報端末として使うようになった
環境:App Storeで情報系アプリの充実

2007年のiPhone発売以前にもスマホと似た商品はありました。
それが流行らなくて、iPhoneが流行った理由は何でしょうか?
それは環境です。App Storeが用意されていた点の違いです。

App Storeを用意 ➡ iPhoneを発売 ➡ 情報端末として利用 ➡ アプリが増える

という循環がApp Storeがあることで、うまくいっています。

PayPay決済

他の例も考えてみます。
今ではQR決済が増えてきています。
これも生活様式をかえる大きな変革です。

商品:PayPay
行動:現金から電子決済を使うようになった
環境:PayPayを使えるお店が増えた

PayPayを使える店を用意 ➡ PayPayをリリース ➡ 電子決済を利用

というふうにこれも循環があることがわかります。


環境づくりの大切さについて

iPhoneとPayPayの例で考えてみると、生活様式を変えるような改革は「環境」が一番大切ということがわかります。
両方ともスタートは「環境」からです。
けしてiPhoneやPayPayアプリといった商品が最初ではありません。

iPhoneはApp Storeがなければ、ここまで普及することはなかったでしょう。
PayPayも取り扱うお店がなければ、誰も利用しようとは思いません。

しかし、環境作りにはものすごく大きな投資が必要です。

iPhoneは、実はiTuneを使って先に環境づくりをしています。
その基盤ができてから、iPhoneの発売に踏み切っています。

PayPayでも普及のために大赤字キャンペーンをずっと繰り返していました。
これは中国のアリペイの成功事例があるからこそできた投資でしょう。

どのように環境を作るか?

大きな投資が必要だとなると環境づくりは、大企業しかできません。
このような生活を変えるイノベーションは大企業からしか生まれないのでしょうか?

その一つの光明となるのがVoicyです。
AirPods販売によって、音声コンテンツ環境に「話し」市場が生まれました。
その市場は利用者自身も気がついていなかったものでしょう。

その「話し」の需要をうまく育て、はまったのがVoicyです。
AirPodsは2016年12月の発売。Voicyの創業は2016年2月です。
タイミングが遅すぎても早すぎても、ここまでの成長は難しかったのではないかと思っています。

まとめ

生活様式をかえるような革新は次のサイクルがあることを見てきました。
このステップが好循環でまわることで、爆発的な威力がでます。

  1.  商品を使う環境を整備する

  2.  新しい機能の商品がでる

  3.  商品によって利用者の行動がかわる

  4.  需要がうまれたことで、環境がさらに充実する

このステップでは、商品が注目されますがいちばん大切なのは環境です。iPhoneもQR決済など過去の事例を考えると、今までの大きな革新は環境の作成がポイントとなっていることがわかります。

AirPodsの例のように、既存の環境に突如思いがけない市場が広がることがあります。Voicyは騒がしいところでも、「話し」の内容を聞けるという市場をうまく取り込んで、循環サイクルにのっていることがわかります。

自分の生活様式が変わるようなイノベーションには、
 環境 ➡ 商品 ➡ 行動 ➡ 環境
の循環が、共通してあるというのはおもしろいですね。

それではまた。




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