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新人セールスマンが読んでみて参考になった本を紹介しますVol.2

どうもうみんちゅです。

4月から営業職に転職をして、1か月経ちました。当初より僕は、営業に必要なスキルは経験によってのみ磨かれていくものだと思っておりました。この考えは今でも変わっておりませんが、1つだけ見落としていたことがありました。それは「経験は時間に比例しない」ということです。年功序列の会社に長く身を置いていると、この単純な論理を忘れてしまいがちです。平等に流れていく時間の中で、いかに工夫して生きていくかで、経験できる量と質は変わっていくみたいです。本を読みインプットを重ねても確かに経験には勝りません。でも例えばテレアポの本を読んで、アポ率を上げることが出来たなら、同じ時間の中でも会えるお客様の数、商談の数、場合によっては修羅場の数も多くなります。だからこそ経験は時間に比例しないと学びました。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、そんな訳で新人セールスマンとしてたくさんの経験ができるよう、営業に関する本を読み漁ってみて、実践して効果のあったものを紹介しております。今回は第4弾です。前の記事を掲載いたしますので、お読みいただけますと幸いです。

今回紹介する本はこちらです。

松橋良紀(2017)『「売れる営業」がやっていること「売れない営業」がやらかしていること』大和書房

タイトル通りではありますが、本書は「売れる営業」が使っているコツや習慣を「売れない営業」がやらかしていることとの対比で紹介した本です。本書は1つのテーマにページを割くというより、売れる営業・売れない営業の対比という論点で幅広いテーマを扱っているため、以下に挙げる参考になった項目の数が多い点はご了承ください。

①【売れない営業はお客様をさらに黙らせ、売れる営業は無口なお客様でも喋らせる】⇒無口なお客様に当たった時、売れない営業は何とか場を盛り上げようと喋り倒してしまい、さらにお客様を黙らせてしまう。売れる営業は「どんな~」で質問することでお客様を喋らせる。この質問にはYesかNoでは答えられないため、必然的に口数が多くなる。口数が多くなると情報が多くなるので、それを拾って世間話に繋げていけば信頼関係を築くことができる。※決めてもらうときは質問の答えは限定する(売れる営業はオープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを使い分ける)。
②【売れない営業はお客様と呼び、売れる営業はお客様の名前を呼ぶ】⇒人間にとって心理的に最も心地の良い音は自分の名前。なので「お客様」ではなく「○○様」と呼ぶことで距離を縮める。
③【売れない営業はいつがいいか聞き、売れる営業はどちらがいいか聞く】⇒テレアポや商談の最終段階など、相手に何かを決めてもらう場合には選択の自由を極力減らして選んでもらうのがコツ。さらに商談ではお客様に金額の高い商品から紹介する。売れない営業はビビりすぎて安いものから紹介していくが、これでは逆効果。高いものは同時にいいものである場合が多いので、一番良いものから紹介するのが売れる営業のやっていること。その上でちょっとしたテクニックとして、「高すぎる商品」「自分が最も売りたい商品」「安い商品」を提案して選んでもらう方法もある。心理的に真ん中のものが最も無難という心理を利用して、お客様に選んでほしい選択肢をそれとなく提案する。
④【売れない営業はお客様の悩みにすぐに食いつき、売れる営業はお客様の閾値を意識する】⇒売れない営業は悩みを聞いただけでチャンスと思い、商品説明をしてクロージングに入ろうとする。しかしお客様にとって、現状が閾値に達していないから今まで行動を起こしてこなかったということ。「○○したいと思っているんだけどね」という状態から「○○しないとだめだ」と閾値を突破させなければならない。閾値を突破させるためにはニーズの深堀が必要。お客様の悩み=ニーズとは限らない。悩みを深くすればするほど売れる。
⑤【売れない営業は一生懸命に話し、売れる営業は一生懸命に質問する】⇒お客様にどんな言葉を口にしてもらうのかが運命を決める。色んな人がいる中で最も自分が従っている相手は自分自身。さらに自分が外に発した言葉は最も強い影響力を持ち、その言葉は話した本人を支配する。売れる営業は質問を重ねることで、お客様自ら不安の言葉を言ってもらうように仕向ける。具体的にはマイナスを拡大していくキーワードを選び、そのキーワードと組み合わせる対象を考える。問題や悩みがが明確になったら、その状態が続いた場合どんなマイナスが起こるのかを質問で導く。質問を重ねることで普段は考えもつかなかったリスクに気づいてもらう。こう言ったことは営業がベラベラ喋りたくなるが、売れる営業はぐっとこらえてお客様の口から引き出す。
⑥【売れない営業はアポイントで売り込もうとし、売れる営業は電話で商品の話は絶対にしない】⇒商品には興味が無くても自分の悩みを解決する方法には誰でも興味がある。だから売れる営業はアポイントでは商品説明をせず、お客様の悩みを聞き出すことを意識する。
⑦【売れない営業はしゃべり続け、売れる営業は沈黙を多用する】⇒理想の営業とは、自分はほとんど喋らず、お客様が問題や悩みをベラベラ喋ってくれること。質問と沈黙を繰り返して、最後にちょっとだけクロージングをして売れることが理想。質問のスキルとして、オウム返しをして、沈黙するのが相手に喋らせる最大のコツ。営業「興味を持ったのは、どんなところがお困りだったのでしょうか?」お客様「そうですね。○○が上手くいかなくて。」営業「○○ですね・・・・(2秒以上の沈黙)」お客様「はい。ちょっと▲▲でしてね。」営業「▲▲なんですね?・・・・(2秒以上の沈黙)」これでも口が重い人にはオウム返し+質問を使います。営業「なるほど▲▲なんですね。具体的にはどんな風に?」このように「出来るだけ自分は喋らずに相手に喋らせる」ことを意識する。合わせて「喋りが苦手な人や口が重い人はいるが、話すのが嫌いな人はいない」ということも意識する。
⑧【売れない営業は1回の質問に多くを重ね、売れる営業は短い質問を一つだけする】⇒質問には反比例の法則が働く。つまり質問が短ければ短いほど返事は長くなる。質問はシンプルに一言で終わるのがベスト。売れる営業は自分の質問をいかに短くするかに意識を向ける。
⑨【売れない営業はメリットを伝え、売れる営業はベネフィットを伝える】⇒メリットとは特徴、長所、利点のこと。ベネフィットとは利益のこと。ベネフィットは言い換えるとどんな悩みを解決できるかということ。ベネフィットを伝えるためにはお客様がどんな悩みを抱えているのかを明確にする。
⑩【売れない営業は弱いニーズに賭け、売れる営業は弱いニーズを強くする】⇒人が行動する時の動機は「損を防ぐため」「得をするため」、この2つを満たす動機が「ニーズ」。人がものを買うのは得があると感じたか、損をしたくないという感情が動いたから。つまり人は感情で動き、理性で買い物はしない。
⑪【売れない営業はひたすら商品の説明をし、売れる営業はお客様の損得を説明する】⇒商品のメリットがお客様にどのような得を与えるのか、また損を防げるのかを考える。売れる営業はこの2つを考えに考え抜き、ニーズを掘り出してしっかり売る=商品のメリットとお客様のニーズを結びつける。お客様はその商品がどれ程優れているかよりも、自分にどう役立つのかが知りたい。
⑫【売れない営業は断り文句を本気にとらえ、売れる営業はあいさつだと捉える】⇒商品が高いから買えないと言われても、これは単なるあいさつで、お客様は「先ほども聞いたかもしれませんが、もう一度この金額が適正な理由を教えてもらえますか?」と質問しているだけ。やるべきことはもう一度丁寧に説明をすること。売れる営業は断り文句とは「もう一度説明してください」ということだと捉える。
⑬【売れない営業は良さを伝えるために商品説明をし、売れる営業は断りを防ぐために商品説明をする】⇒商品知識がたっぷり身についたらそれを披露したくなるが、商品説明はあくまでも良さを伝えるためではなく、断りを防ぐためにするもの。売れる営業は「高い」「他社の商品にする」「必要がない」と断られないようにするためには、何を話したらいいのかという視点でセールストークを組み立てていく。
⑭【売れない営業はお客様が得するイメージしか与えず、売れる営業はお客様が損するイメージも与える】⇒マイナス動機で動く人、プラス動機で動く人はそれぞれ40%、その両方が20%という分析があり、売れない営業のお客様が得をするイメージを与えるだけでは60%のお客様に響かない。売れる営業はお客様自身が気づいていない大きな損を自身で気づいてもらうように誘導する。
⑮【売れない営業は矢印を自分に向け、売れる営業は矢印を相手に向ける】⇒売れない営業は自分のことで精一杯になり、どんなことを言えばいいか、どうしたら相手に気に入ってもらえるかを考える。売れる営業は相手の表情や声のトーン、声の大きさ、テンポ等細かいレベルで観察している。自分が喋ってばかりだと観察が出来ないので、相手に喋る機会を充分に与えて、聞き役に回る時間を増やすことで深い観察ができる。

以上が本書を読んで参考になった点です。

営業本を読み漁って知ったことですが、どの本にも共通して書かれていたことが「営業は質問力=聞く力・話を引き出す力が重要」ということでした。僕がステレオタイプなだけかもしれませんが、営業と聞くと「話が上手くて、ゴリゴリに自分を売り込める人」がトップにのし上がるのだと思っていましたが、本書が決め手となり、そのイメージが払拭されました。

僕自身もそうなのですが、おしゃべりな人は普段から「誰でも自分が話をすることが最も楽しい」ということを意識して、楽しい瞬間を相手にも分けてあげることを意識してみてもいいかもしれません。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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