街クラブのサッカー指導に必要な考え方はどんなことなのか? 【クラブ哲学編03/僕の仮説04】
これがサッカー指導に必要な要素として立てた「僕の仮説」だ。
この仮説は、全国大会に出場するようなトップレベルの選手育成を目的としていない。「これらを身につけておけば、生涯スポーツとして一生サッカーが楽しめるよ」。そういう思いで、地域の街クラブの子どもを指導するコーチのために考案した。
社会人になり、時間の余裕ができて「サッカーがやりたいな」と思ったとき、誰とでも、どの場所でも、どんなレベルや条件でもプレーができるように「選手としての土台を表すレーダーチャートがまんべんなく整う」ように噛み砕いた。
何をモデルに考えたのか?
それは現在アドバイザーを務める街クラブを対象に約1年かけて作った。そのクラブは地域予選すら勝ち進むことも少なく、最初に関わった頃はコーチの指導レベルも決して褒められたものではなかったクラブだったからだ。いわば、日本のジュニアサッカークラブの最も標準に近いレベル。具体的に「サッカーの何を学べばいいのか」を知りたいコーチが指導しているような街クラブなので、このクラブを基準にさせてもらった。
【対象】
・ジュニア年代(小学生)
・グラスルーツレベル(底辺レベル)
・街クラブに必要不可欠な指導要素
(「誰も見捨てない」という哲学より)
そんな街クラブでも「18歳までに成人したサッカー選手を育成する」目的から逆算したジュニア指導を行うため、12歳までの間に「最低限どんなことを身につけさせなければならないか」を体系的、かつ構造的に客観視して5つの要素とそれぞれの定義を自分なりに決めた。
参考にしたのは、ヨーロッパ各国でライセンスを取得する日本人コーチが出版した本や彼らがネット上に出す個人の公式情報、また私がヨーロッパや南米のコーチに直接取材して得た知見などである。これまで溜め込んだあらゆる知識を、自身の編集力を生かして日本の街クラブ、コーチ、選手に合うように考え抜いたのが現状の仮説だ。
根本的な考え方は、次の仕組みからの逆算となる。
【地域に根づくクラブづくり】
街クラブ(コーチ)
→ 地域 (子ども&保護者)
→ 社会 (サッカー教育を受けた大人)
ここから先は、私がアドバイザーを務める街クラブの育成プランを参考にしながら話を進めていく。これは約1年前にタタキ台として作成した第一弾で、今はコーチの実力向上と共にその内容も各自がアップデートをしている。その点は、そのクラブの名誉のために補足しておきたい。
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写真提供=佐藤博之
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