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4年生になると試合の決定権をすべて選手に任せてもきちんと勝てる。 【発育発達編07/僕の仮説11】

2018年9月末から開催された4年生の秋季リーグの指揮をしたことがある。

4試合限定だが、監督として「子どもたちの持つ潜在能力」を街クラブのコーチスタッフ、またお母さんお父さんに見せるため、20年ぶりに公式戦のベンチに座った。目的は「選手全員に自信をつけさせるため」である。

秋季リーグは全8試合が行われ、1日2試合の日程で組まれていた。アドバイザーを務める街クラブの4年生は、当時16名以下だったため、私の中では「一人1試合半分以上の出場」は義務であり、1試合目に後半から出場した選手は「2試合目は必ずスタートから出場すること」を条件にしていた。

4年生の段階で実力差はない。キャリアに差はあったとしても、どの選手もまだ公式戦で味わう「本物のサッカーの喜びや悔しさに出会っていない」という持論があったからだ。今も、この考えは一切変わらない。

これまでの「#僕の仮説」では子どもに対するアプローチの内容を語ってきたが、それは「視覚=ピッチ上の情報を正しく認識する」と「聴覚=言葉を介して戦術を理解、共有する」を使った指導の効果に関することで、具体的にプレー面でどういう指導を施したかは書き綴っていない。

私が選手に伝えたかったのは「サッカーがチームで行うスポーツである」ことの意味だ。

少しプレーに落とし込んだ言い方をすると「出し手(入口)と受け手(出口)の関係づくり」、「プレス(出口)&カバー(入口)の関係づくり」と表現できる。前回も説明したが、一般的にジュニアの指導はボール保持者を主役にして話をしがちだ。

しかし、それだと子どもは「サッカーが11対11で戦うスポーツ」だと認識できない。プレーの見方がボールだけになり、「サッカーを個人スポーツ」だと理解して周囲との関係性を正しく認識できず、かつ構築できないまま成長してしまう。これが"今"のジュニアの現状だ。

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写真提供=佐藤博之

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